『なぜ、社長ベンツは4ドアなのか?』(小堺桂悦郎)社長に会う前に押さえておくべきこと

「財務」と「税務」の違い、明確に説明できますか?3冊のオススメ書籍

 

 もしあなたが法人マーケットに参入したい、もしくはこれからマーケットを拡大していきたいと思っているのであれば、ぜひ覚えておいていただきたいキーワードがあります。それが「財務」と「税務」、この2つのキーワードです。ちょっと似たような言葉ですが、実は似て非なるものと言いますか全然違うもので、ぜひここを押さえておいていただきたいというのが、今回のテーマになります。

 「税務」というのは、決算を基準に考えたときに、決算が終わった後正しく税金を計算してお支払いをする、税金を納めるというところの税務です。なので、言ってみれば税理士さんの仕事なわけですよね。そこは税理士さんの専売特許なので、われわれは一切手を出すことができません。

 一方で「財務」というのは決算書ができるまでの、その前の期間に関して、例えば公認会計士の先生だったり、経営コンサルタントの方だったり、財務に長けてる方が決算の着地に向けて月々から半月、半年ないしは1年にわたって会社を良くしていくための方策を練っていく、それを実現していくというのが財務です。

 これは今は税理士さんがやっている会社が基本的には多いですが、本来はこれ税理士さんの仕事ではありません。なので、もし法人マーケットにチャレンジしたいという場合には、財務というのが非常に大きなキーワードになりますので、ぜひ押さえておいていただきたいというふうに思います。

 ここに保険営業マンであるわれわれが、社長の役に立つために入り込むことで信頼を獲得して、法人保険を獲得していくという、そういう手法があります。ぜひその辺を身に付けていただいて、皆さんの営業に役立てていただきたいと思いますので、その辺をこれからどんどん情報を出していこうと思っております。

 そのためには決算書が結構重要なポイントになりますので、ぜひ読めるようになってもらいたいというところがあります。ただ、隅から隅までびちっと全ての項目を税理士さんのように理解する必要はありません。いくつか押さえておくべきポイントがありますので、それに沿ってこれからお話をしていこうと思います。

 その財務を学んでいただく、法人保険のマーケットに参入していただく上で、ぜひ読んでおいていただきたい本があります。決算書にまつわる本を、ここでは3冊紹介しします。

 1つ目は、今回取り上げる『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?』です。これはベストセラーです。小堺桂悦郎先生が書いた本で、決算書の読み方というのがよく分かるような本になっています。紙の上の会計ではなくて現場の会計が分かるようになってますので、この中のエッセンスを取り入れながら、お話をしていこうと思います。

 もう1つが和仁達也さんの『ドンブリ経営のすすめ』です。紹介されているストラック図というのがなかなか優れもので、これを理解することによって会社の中身を数分間で社長に解説することができるようになるというようになっています。これを頭の中に入れてもらうと、非常に財務、会計、そして決算書というものが分かりやすくなっていきますので、ぜひご覧いただきたいと思います。

 最後が『借りやすい決算書の作り方』ということで、永野淳也さん、税理士の先生が書いた本です。これは財務についてよく書かれている本で、中小企業が会社の魅力を上げていく上、会社の価値を上げていく上で、例えば銀行との交渉能力を上げたり、お金を借りやすくしたり、金利を下げたりというような交渉ができますが、その手法についてヒントを書いてくれている本になっています。

 この3冊の中からエッセンスをピックアップして、法人マーケットに参入する上で必要な決算書に対する知識、それから財務、税務の知識というところで一緒に学んでいきたいと思います。

社長に会う前に押さえておくべき、「PL5つの利益」

 「財務会計」と言うとテーマは主に法人マーケット、社長の開拓ということになりますが、財務においては決算書が非常に重要になってくるので、ここでは決算書についてお話をしていこうと思います。

 社長と話を進めていく上で、決算書は非常に重要なツールになるわけですが、決算書の中でぜひ押さえておいていただきたいポイントがあります。

 会社には5つの利益というものがあります。これが会社の状態であるとか、銀行がその会社をいいか悪いか判断するというようなときに非常に重要になるポイントになります。その「5つの利益」をぜひ押さえておいていただきたいと思います。この本の中にもその重要性、押さえるべきポイントが書いてあるので、ぜひ参考にしてもらいたいと思います。

5つの利益というのは順番にいくと、
1.売上総利益
2.営業利益
3.経常利益、経常(けいつね)と言ったりすることがあります.
4.税引前当期利益
5.当期利益

 この順番で、そこにかかってくる経費であるとか損益を差し引いていくと順に5つの利益が出てきますが、最終的に会社に残るお金というのが5番目の当期利益という形になります。

 この本の中には非常に分かりやすいパートがあって、この5つの利益について図解で説明がされていますので、以下にその文言を挙げます。

 「利益には売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期利益、当期利益の5つがあります。
売上総利益は会社の本業の売上高から売上原価を引いたものになります。売上原価は小売業では仕入れ原価(仕入れ価格)、製造業では人件費や人件費を含む製造や工事にかかった費用のこと。これは粗利とも言います。
営業利益、これは売上高総利益から販売費および一般管理費、いわゆる事業に使った費用と言われるものですが、これを引いたものです。会社の本業の利益を表すものがこの営業利益という形になります。
経常利益、これは営業利益から営業外損益を加減したもの。営業外損益というのは、本業以外での活動による損失、損益です。収益面からいきますと、預金や貸付金から生じる受取利息、受取配当金、雑収入などがあります。損失からいくと借入金の支払利息などがあります。」

 これが5つの利益になってくるわけですが、このポイントに沿って決算書を読むことで随分見方が変わってきますので、まずはこの5つの利益押さえていただければと思います。

なぜ、赤字でも債務超過でも会社は倒産しないのか?

 次に現状としての法人マーケットの状況、日本の状況というものを改めて一緒に確認をしていきたいと思います。

 日本には今法人、登記をされている会社が約421万社あります。その中で中小企業が占める割合が実に99.7パーセントと言われています。

 中小企業の概念は、ここでは資本金が1億円未満という程度の規模の会社を言っていますけれども、大半が中小企業と言うわけです。今中小企業の経営者の平均年齢がどんどんどんどん上がってきていて、平均年齢は今61歳という形になっています。ですから、会社の経営に併せて、「今後会社をどうしていくか、自分がいつまでやるのか、いつ退陣するのか、どうやって次に渡すのか。売るのか、そして引き継ぐのか」・・・みたいな悩みも会社にとってはいろいろ出てくるのが、これからの法人マーケットの状況であります。

 一方で、99.7パーセントの中小企業のうち、黒字化している会社はほんのわずかです。実に3割ぐらいしか黒字決算の税務申告がされていないという現状があります。つまり7割は赤字の会社なのです。起業から10年の間に倒産してしまう会社の率を見てみても、実に90パーセントの会社が倒産してしまうという数字があります。

 それでも今420万社という会社が70パーセント赤字にも関わらず、まだなんとか生き長らえてるのは、これからお話しする、会社が債務超過でも倒産しない理由というのが一つ重要なポイントになってくるということになります。

 この決算書上の赤字と本当の赤字の違いというのを、債務超過というキーワードを絡めてお話しをしていこうと思います。結論から言うと、債務超過でも会社は倒産しませんが、現金、キャッシュがなくなると倒産します。

 まず債務超過というのがどういうものなのか、この本の解説を読む形でご紹介します。

「債務超過というのは、会計上の会社のある時点で負債、借入金の合計額が資産、財産の合計額を超えているような財務状態を示します。会社が赤字になり、それまでの元手、資本や、今までの蓄積、余剰金を完全に使い果たした状態です。」

 恥ずかしながら、当社も一時はこの債務超過に陥っていた状態がありました。大坪のメルマガ等々で知っていらっしゃる方もいるかもしれません。でもつぶれていないというのは、そういうことなのです。債務超過の場合、仮に全ての資産を売却しても負債、借入金を全て回収することができず、借金だけが残ってしまうことになります。

 ただし、債務超過になったからと言って倒産するわけではありません。会社は支払いができなくなったときに資金ショートを起こして破たん(倒産)します。ですから、資金繰りさえできていれば債務超過でも倒産はしません、ということが書いてあります。

 つまり、今決算書だけを見るとお金が確かに足りませんが、例えば来月6日に出て、来年見込んでくるお金等々があれば、その期間生き長らえることはできるということです。経費の削減というところでいくつか手立ての打ちようもあるということが、この本の中には書いてあります。

 厳しい中小企業のマーケットの中で、お客さんが債務超過なのかどうか、健全な会社であるかどうかというのは、非常に重要なポイントです。前回お伝えした5つの利益というのがありましたけれども、それを基準にきちんと会社の財務状況を見て取ることが、私たち保険営業マンにとっても重要なポイントになります。

 なぜか。本当に付き合うべきお客さんかどうかというのを見抜かなくてはいけないからです。やはりお客さんにする会社は長くお付き合いをいただいて、保険料をしっかり定期的に収めていただく必要があります。うっかり債務超過の会社と契約をしてしまって、来年の保険料が払われないとか、早期解約と言った場合には、我々が受ける痛手も大きいですから、その辺も決算書を読み解くということで、付き合うべき会社さんなのかどうかというところも見極めるツールとしてきちんと使っていただければと思います。

なぜ、社長は生命保険が好きなのか?

 ここではこの本の第6章、「なぜ社長は生命保険が好きなのか」という、なんとも魅力的なフレーズから始まる章をご紹介していこうと思います。

 ここでは、要は節税について書いてあります。保険が有効な手段の一つであるということです。保険の良いところ、悪いところを、この本の特徴である著者のストレートな口調で書かれているわけですが、この中で保険の種類なども紹介されていて、「保険で節税するには定期保険が一番いい」というようなこともしっかりと書かれております。

 仮に1000万円の保険料を払ったらどのぐらいの節税効果があって、何年後に何パーセントぐらいお金が戻ってくるということとか、生命保険が節税になる理由というところまできちんと書かれています。ですから、一見これを読み進めていくと、この本を薦めれば社長に保険を売るきっかけになるかというようなところまでありますが、途中からちょっと方向性が変わっていきます。

 保険のセールスマンが、この保険を売ることでどのぐらいのコミッションを取っていくかというようなこと。また、節税するためにお金が必要であること・・・これは当たり前ですが、先立つものが必要になりますから、節税するために保険料を払わなければいけません。ですから、実際にキャッシュとして残るお金と、保険会社に預けて簿外にたまるお金と、実際のところはどっちがいいのかというところまで突き詰めて書かれています。

 総じさまざまな節税の方法が書いてあり、「脱税はするな。節税はしろ」と書いてあります。また、「安易に保険に手を出すな」ということが書いてあります。毎年保険料を払わなくてはいけない中で、翌月の利益があまり出なくなった中でも保険料を払わなくてはいけないというときにどうするんだ、すぐに解約するのか。また他の決算書を動かすような作業をするのかというようなことを、黄色信号を点灯させるようなことが書いてあります。

 私たちがやりたい法人開拓と言うか、社長への貢献というのは、そういうことではありません。保険がもたらす社長に対しての問題解決とか、メリットとか、そういったところを上手に活用して、社長に喜ばれる保険の提案というのをやっていきたいというふうに思います。

 この本から学べることは、生命保険で説明をするというのが一般的なことであり、特別なことではないということです。あくまでも保険という商品がコモディティー化してきたということの表れでもあるかというふうに思います。商品で差別化ができなくなってきた今、社長との関わり方が私たちの価値を決めるという形になってきたのではないでしょうか。

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【ゼロからのネットプロモーションコンサルタント】

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