『影響力の武器』(ロバート・B. チャルディーニ著)

契約を獲得するために必要なたった1つのルール

 今回は、『影響力の武器 なぜ人は動かされるのか』をご紹介していきたいと思います。

 私も一昨年までは保険営業マンとして第一線で営業をしていました。いくつか苦労をしましたが、やはりその中で一番苦労したのは、契約がとれないということでした。それについてどうしてかなと考えていたときに、この本に出会いました。

 当時の私は、お客さんに対して「まず契約をください。そうしたらあなたに対して最大限のフォローをします」というスタンスで保険を販売していましたが、そもそもその考え方が間違っていたということに、この本を通じて気付きことができました。

この本には、「返報性のルール」ということが書いてあります。その中の一節を紹介します。

「返報性のルール、これを守らない者に対して、加えられる社会的な制裁や嘲笑については誰もが知っています。他人から取るだけ取って、そのお返しをしようとしない人々に対しては、多くの人は嫌悪の念を感じますから、私たちは他人からたかり屋とか、恩知らずとか、借金倒しとか呼ばれないように、一生懸命努力をします」。

 これは言われて見たら極々当たり前のことで、こんなふうになりたいと思っている人はいないと思うんですが、何故か営業のシーンになるとそれをすっかり忘れて、「まず私に得をさせてくれ」という形で営業してしまう人が非常に多いです。

 なので気をつけていただきたいのは、この返報性のルールに則って、まず先にお客様に対して与えるということです。こちらから提供できるサービスは何か、お客様の役に立てることは何か。これにまず眼目を置いて行動していくということが、契約を獲得するための近道であるということが書いてあります。

 次回の面談からぜひ試してみていただければと思います。

返報性のルールの威力

 この返報性のルールには、大きく分けて2つの威力があります。ここではその1つをお伝えします。

 この本の中では、ジョーという青年がパーティーのチケットを売りたいということで実験をしました。チケットを買ってと出す前に、コカコーラをおごるチームとおごらないチーム、2つに分けてどちらが多くチケットを買ってくれたかという実験をした記述があります。

 どちらのチームが多くチケットを買ってくれたか、あなたには想像がつきますでしょうか。たぶんここまで読んでくれたあなたなら分かると思います。答えは当然、コカコーラをおごってくれた人の方が多くチケットを買ってもらうことができました。

 ここまでは極々当たり前の普通の話だと思うかもしれません。ここで1つ特筆したい威力が書かれていますので、紹介します。

「実験結果から得られた興味深い内容は、ジョーからコーラをもらった条件においては、好意度と承諾率の間に相関関係が全くなかったということです」

 どういうことかと言うと、コーラをおごってもらったジョーに借りがある相手は、ジョーのことを好きか嫌いかどうかということは関係なかったと書いてあります。

「借りを返さなければという義務感を感じ、実際その通りに借りを返したのです。ジョーを嫌いだと評定した人も、彼を好きだと言った人も、同じくらいチケットを彼から買いました。」

返報性のルールは非常に強力なものであって、要請者に対する行為、これでしたら普通であれば承諾、物を買ってもらうということに大きく影響を及ぼすものの1つであるんですけども、この返報性のルールというのは、それをも凌駕するというパワーがあります。

このルールは恐ろしいほど力がありますので、トライはしてもらいたいですが、くれぐれも悪用は厳禁ですので気をつけていただきたいと思います。

 返報性のルールのもう1つの威力は、「どこから返ってくるか分からない」ということです。

 具体的にメリット、相手にギブを与えた人からだけ返報メリットが返ってくるとは限らないということです。なので、先に提供してあげた、サービスをしてあげた、何かをあげた、なのにその人が返してくれなかったという場合でも、決して怒ったり残念がったりしてはいけません。

 ちょっとスピリチュアルな話になりますが、営業の神様っていうのがいて、皆さんがしっかりと行動しているシーンというのは必ず見てくれています。返報性のルールは、あなたが与えた相手とは全く関係のないところからあなたのところに返ってくるという強いパワー、威力があります。

 もしかしたら経験があるかもしれませんが、根っこの深いところで実は繋がっています。なので、この返報性のルールはその人単体から返ってくることだけを期待せずに、十分に活用していただきたいと思います。

コミットメントと一貫性

 続いて、コミットメントと一貫性について触れたいと思います。

 「ひとたび決定を下したりある立場をとると、そのコミットメントと一貫した行動をとるように、個人的にも対人的にも圧力がかかります。そのような圧力によって、私たちは前の決定を正当化するように行動するのです」

 本の中に出てくるこの記述が、「コミットメントと一貫性」ということになります。

 あなたも、一度決めたこと、一度口に出したことを、なかなか前言撤回するのは難しいと思います。それは、相手に対してどういう印象を与えるかということも大きな理由になってくるわけです。

 日常生活の中に関して見てもこの一貫性というのはすごく溢れています。例えばあなたがもし女性だとして、いろんな男性についついコロコロ心変わりしてしまうとすると、「浮気性」とか思われてしまいます。多くの女性はそうは思われたくないので、そういうことはしないという傾向にあるということなんです。

 あなたが男性だとして、他人からいろいろ意見を言われたことによってどんどん自分の意見が変わってしまうという場合。そういった場合には、「優柔不断」という印象を持たれて、あまり好ましくないという結果になります。

 行動、言動が一致しないといった場合には、「意志が弱い」とか「裏表があるんじゃないか」とか、「頭がおかしいんじゃないか、あいつは」というところまでいってしまうケースもあるので、人間は一貫性をとらなければいけないということが、基本的なルールの中にすり込まれているということです。

 もう一文この本の中から紹介します。

「一貫性を保とうというこの人間の傾向は、本当に自分が元々望んでいないことを私たちにさせるほど強力なものでしょうか。これは疑問の余地はありません。一貫していたいという欲求は、しばしば自分の本当の利益とは明らかに反するような行動に私たちを駆り立てます。従ってこれは社会的影響力のとても強力な武器として使えるものなのです」

 なので、一度顧客にコミットメントしていただけた、「商品を買う」と言っていただけた場合には、その一貫性を持ってその商品が売れやすいという傾向にあるということです。

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【ゼロからのネットプロモーションコンサルタント】

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