『借金があっても事業承継』(喜多洲山・五島聡著)会社の「儲ける力・生きる力」

借金がある社長は、事業承継できる? できない?

今日は、毎年年収3,000万円を楽々達成したい、対面販売が基本の保険営業マン・FPの為の事業承継ということで、事業承継をテーマにお話をしていこうと思います。今日は、『社長最後の大仕事。 借金があっても事業承継』という本の中から一節を取り上げて、皆さんに情報を出していこうと思います。

それで、この著者なのですが、喜望大地の喜多洲山さんと、エフピーステージの五島聡さんという二人の共著の本なのですが、実はどちらの方も当社のビジネスパートナーで居て頂いております。

このお二人ですが、喜多洲山さんは元々30億の借金を抱えていたという経緯があるのですが、それを見事に返済し、復活して、それから借金に悩む中小企業の経営者を700社以上コンサルティングしてV字回復をさせてきたという凄い実績のある方です。
そして五島さんは、ご自身の会社を外国の大手の損保の会社にM&Aで売って、それをまた自ら買い戻すというような、ご自身の会社を売り買いした経験や、それをきっかけに財務や会計の知識から幾つかの会社を――20社以上と聞いておりますが――M&Aした実績がありまして、その中からこの事業承継についての専門家である二人の著書を今回は取り上げようと思います。

「事業承継」というと皆さんどのようなイメージをお持ちになるか分かりませんが、やはり一般的には「親族内事業承継」というのがいわゆる事業承継からピンと来る言葉ではないかと思います。
ただ、現在中小企業の経営者の平均年齢が61歳で、毎年、ここのところ1年ずつ上がっていきますので、2030年にはその平均年齢が80歳に到達すると言われていて、「中小企業滅亡の危機」というような状況にあります。ですので、この事業承継というのは大きな課題の一つです。

それで、300万社ある中小企業のうち、事業承継先、要は引き継ぐ次の社長が決まっている会社は、実に50%、半分しか後継者が居ないと言われております。ではその会社をどうするのか? ということですよね。畳むのか? そういうわけにはいきませんよね。
長年働いてくれている従業員の方がいらっしゃったり、お付き合いをしている取引先があったり――「連鎖倒産」という言葉がありますが――社長一人の、これまで長年築き上げてきた城を手放す、潰すというのはそう簡単な話ではありません。

それで、「跡継ぎが居ない。どうするか?」といったときには、例えば親族外承継であったり、M&Aであったり、売却するという形で、その関わる人たちがハッピーな形で事業を継続したまま次の経営者に渡していくという方法を模索しなければいけません。
その手法を、章立てに分けてご説明して頂いているのがこの本になるのですが、ポイントはこの「借金があっても」というところです。借金がある会社――息子さんが仮に居て、後継者が居たとして、継ぎたいか? 継ぎたくないんですよね。継ぎたいという息子さんは少ないと思います。

ではどのようにすればよいのか、というところは、例えば私たち保険営業マンやファイナンシャルプランナーが、社長のアドバイザーとして寄り添ってあげることで、解決できることが実はあります。そういったところも含めて、次回以降、具体的な話をこの本の中から一つずつ情報を取り上げてお伝えしていこうと思います。

スムーズな事業承継を実現するための6つのステップ

前回、借金がある会社は事業承継が出来るのか? 出来ないのか? ということをテーマにお話をさせて頂きました。それで、結論から行くと、洲山さん、ないし五島さんの手にかかれば出来るということなのですが、それには一つポイントがありまして、やはりこの事業再生も、早期発見・早期治療というのが重要なポイントになるわけです。

譬えをしますと、この本の中ではガンの治療というように比較をしているのですが、なるべく早く見つけて、早く治療を開始する、そしてその影響がどの位の範囲に及んでいるのかというのを確認して対処をするのがポイントだと書いてあります。
そうはいっても、借金がある会社は少なくありませんし、後継者が居ない会社というのも――50%しか居ないという話をしました。では、どうすればスムーズな事業承継を実現することが出来るのかということで、本書の中では6ステップに分けて書かれています。

まずは、どのような順番でやっていくのかという6個のステップをご紹介していこうと思いますが、1つが「営業デューデリジェンス」――承継する価値がある事業かどうかを確認する、これが1つ目のステップです。2つ目が「財務・法務デューデリジェンス」――資産・負債の実態を把握します。3つ目が「過剰債務の解消」――事業の見直し・効率化、遊休資産の処分などです。4つ目が「会社組織の見直し」――会社分割や事業譲渡、M&Aなどです。5つ目が「後継者の選定と教育」――後継者以外の親族へのフォローも不可欠です。最後が「自社株譲渡対策」です。この6つのステップでやっていくということです。

少し簡単に説明しますと、1番の「営業デューデリジェンス」と2番の「財務・法務デューデリジェンス」は、後継者候補に受け継ぎたいと思って貰えるかどうか、その判断をしてもらうためのステップ、いわゆる「現状分析」という形になります。ここで「引き継ぎたい」と思うか「引き継ぎたくない」と思うか、いろいろな意見が出てくるとは思いますが、ここはどちらの結果が出ても問題ないと書かれています。

3番「過剰債務の解消」と(4番)「会社組織の見直し」ですが、これはこの1番2番の現状分析を踏まえて、どのように会社を良くしていくかという対策を具体的に練っていくということです。
5番の後継者選びは、親族内承継でやるのか親族外承継でやるのかといったところです。
最後が6番です。株式、自社株の譲渡の対策をどのようにやっていくかというところが、実はこの事業承継をスムーズに実現していく上でのポイントということになります。
次回以降は、これらの6つのステップについて1つずつ取り上げながら、具体的な解説をしていこうと思います。

会社の「儲ける力・生きる力」を浮き彫りにする、営業デューデリとは?

前回、「スムーズな事業承継を実現するための6つのステップ」ということで、このステップの全体像と概要についてお話をさせて頂きました。
それで、今日からそのステップを1つずつ取り上げて、詳細をお話ししていこうと思いますが、今日は最初のステップ、「営業デューデリジェンス」ということで、ビジネスモデルが儲かっているかどうかを精査するということについて解説をしていこうと思います。

この「デューデリジェンス」という言葉ですが、ご存知の方も多いかとは思いますが、少し解説をさせて頂きますと、例えばM&Aや不動産投資や金融投資等を行った場合に、その対象となる会社・不動産ないし投資商品が、実際にどの位の価値があるのかというのを評価する活動のことを「デューデリジェンス」と言ったりするのですが――「デューデリ」や「DD」などといくつか略して言う表現もありますが、「デューデリジェンス」が少し長くて言い辛いので、ここでは「デューデリ」という形で統一してお話をしていこうと思っております。

もう少し分かり易く解説しますと、例えば骨董品の壺などを買った場合をイメージしてもらうと分かり易いかもしれません。価値がありそうな壺を見つけて、10万円で買ったとします。しかし実際のところ、後々よく査定して貰うと1,000円の価値しかなかった、というような話はよくありますよね。

企業買収、M&Aなどを行う場合にも、実際にその対象の企業が、払ったお金に見合う会社なのかということをきちんと判断する必要があります。もしそれを下手に掴まされてしまうと、いざ手放そうと、売ろうと思っても、実際に払ったお金と同額では売ることが出来ないので、大きな損失を被ってしまうということです。

そうならない為に、この「営業デューデリジェンス」ということで、実際には日々営業活動の中でどれだけお金が入ってきて、どれだけお金が出て行って、実際に儲かっているかどうかというのを判断していくというのが、この営業デューデリのステップになります。

もし儲かっているのであれば、多少借金があってもその利益の中からお金を返していけば良いわけですので全く問題はないのですが、儲かっていない会社は借金を返せるだけの利益が出ていなければ借金が増えていく、赤字が増えていく、結果的に会社はいずれ破綻に追い込まれるというような、あまり好ましくない結果が待ち受けているということです。

そこで、対象となる会社がどちらなのか、儲かっているのか儲かっていないのかということをしっかりと見極める――会社にとっての「生きる力」というようにこの本では書いてあるのですが、これを判断するためのメニューが、最初の営業デューデリという形になります。

もし儲かっていないのであれば、原因はどこにあるのか、何を改善すれば会社に利益が出るようになるのかということが見えてくるようになります。お金の出入りを正確に判断することが、事業承継――借金があっても事業承継をしていくための最初のステップになるということです。

まずは最初のステップとして、この状況を把握してもらう必要があります。本書の中には、「収益構造把握ワークシート」というものがありまして、財務の担当者と一緒にワークをして下さいということが書いてあるのですが、このような形で今対象となる会社、もしくはご自身の会社が、営業デューデリ上どのような状況なのかということを、このワークチャートを使って判断してもらうことが出来ますので、もし宜しければ本書を手に取って頂いて、実際に試してみて頂ければと思います。

次のステップは財務・法務デューデリです。資産・負債の実態を把握するというパートについて解説をしていこうと思います。

社長の「生きている資産」の金額をチェックする方法

今、テーマとして、事業承継をスムーズに行うための6つのステップというお話をしてきまして、今日はその2つ目、財務デューデリと法務デューデリ、この2つについてお話をしていこうと思います。
前回は営業デューデリという話をさせて貰いまして、どれだけその会社に稼ぐ力があるのか、言葉を換えると、事業価値があるのかという計算の仕方というものをお伝えさせて頂きました。

それで、この後に行うのが「財務デューデリ」そして「法務デューデリ」というものなのですが、具体的に財務デューデリというのは、あなたの会社が保有する資産と負債を総点検する検査です。まあ「あなたの会社」と言いましたが、あなたの見込み客だったり、お客さんだったりするわけですが――何故この検査が必要かと言いますと、事業再生ですね。

事業承継などを行っていく場合には、事業の一部を売却(M&Aなどと言ったりします)するケースがありますが、その価格、いくらで売るのかというのを計算する、値付けをする必要があるということです。

この前回お話しした営業デューデリ、稼ぐ力というのが、「この位稼げるんだからこれだけの値段付けられるでしょ」というような算定基準になるわけですが、これに対して財務デューデリというのは、保有している資産や、その他負債も含めたところで、会社の資産価値、事業の資産価値というものを判定していきます。

当然のことながら、より多くの資産を持っていて負債が少ない会社の方が高く売れるわけですが、しっかりとした債務の状況、資産の状況を正確に把握していくということがあります。

実際のところ、決算書上、数字の帳尻は合っていても、意外と債務超過に陥っている会社というのは少なくありません。そういったことも含めたところでこの財務デューデリというものが必要になるわけです。

一方でこの「法務デューデリ」という言葉もあるのですが、簡単に言いますと、会社の信用性がどうかというところを見るのが法務デューデリです。例えば人・モノ・金、この流れに問題が無いか、確認していきます。その危険の兆候がないかということもきちんと把握していくというのが重要なポイントになります。

ですので、営業デューデリ、財務デューデリ、法務デューデリ。この3つのデューデリを経て、事業譲渡をする会社、事業承継する会社の価値、判断というものを、お金だけではなくて健全性も含めたところで見ていくというのが、2つ目のステップになります。

次は、また3つ目以降のステップについて詳しく解説をしていこうと思います。

社長が1番最初にメスを入れるべき、経費とは!?

今、事業承継をスムーズに進めるための6つのステップということでお話をしていまして、今日は3つ目の「過剰債務の解消」ということをテーマにお話をしていこうと思います。

過剰債務の解消ということで、借金返済の目途を立てていきましょうという話なのですが、そもそもの話、借金があるとどのような事が起きるかと言いますと、例えば息子さんに「この会社継いでくれよ」と言った場合に、例えば借金が5億円ありますと、息子さんはウンと言うでしょうか?という話です。息子さんの奥様はウンと言うでしょうかというお話です。恐らく誰もウンとは言わないですよね。

百歩譲って、もし自分が作った借金で、自分が会社に損害を与えたのが原因で出来てしまった借金等であれば、もしかしたら受ける人がいるかもしれません。ただ、自分の失敗ではなく、責任がないものであるにも拘らず、5億円の借金と連帯債務の保証人になりなさいといった場合に、ウンと言う息子さんは中々居ないと思います。

自分がその立場になってみて考えてみれば当たり前のことではあると思います。それで、そのためには借金を返す、もしくは借金を返す目途を立てる、と。せめてこの2つ目、目途を立てるというところまでやらないと、実際の事業承継というのはスムーズに行かないと思います。

では、少し具体的なお話をしていこうと思いますが、ここでは「実力利益」というものをまず計算しましょう、この実力利益というものが、実は借金の返済力を示す数値である、ということが書かれています。その計算式は、「営業利益+減価償却費」です。営業利益に減価償却費を足すことで、実力利益が分かるということになります。

この減価償却費に関しては、減価償却資産を売買しない限りは特に変わりようがありませんので、これを高めていくには営業利益を増やすということが必要になるわけです。営業利益は売上総利益から販売管理費を引いたものになりますが、つまり、営業利益を高めていくには売上を伸ばすか、経費を削減するか、販売管理費を抑えるかということしかないわけですが、純粋に考えて売上を上げるというのは難しいと思います。

そもそも売上が不足して困っていて借金が出来ているということが殆どでしょうから、簡単なのはどちらかというと販売管理費、経費を削減していくという方法だと思います。この場合は人件費、家賃それから販売管理費は、努力次第で随分と安くはなっていくと思います。

かと言って人件費の削減というのは、従業員の給料をカットする、リストラするというのは、中々簡単ではありませんし、それによってコストは削減されたとしても、社員のモチベーションを保ったまま売上が維持できるともとても思えません。ですので人件費と言っても残業を減らす等、いくつか工夫した上でやって頂きたいと思います。

それで、まず真っ先にこの本で書かれていることは、他の従業員の給料を云々言う前に、役員の報酬を減らせということが書いてあります。社長も含めたところで、経費の削減というところではまず自分が我慢しろということが書いてあります。そういった痛みを伴った上で、会社をしっかりやっていくという必要があるというように書かれています。
中小企業といえども、多くの給料を取っているケースがあると思いますので、まずは簡単にできる経費の削減に着手するというのが事業承継の最短の道であるということです。

次回以降、残りの3つのステップについてまた詳しくお話をしていこうと思います。

組織を見直せば、会社にキャッシュが残る

今、事業承継をスムーズに進めるための6つのステップということでお話をしているのですが、今日はその4つ目のパートです。「会社組織の見直し」ということについてお話をしていこうと思います。
会社組織の見直しの方法は大きく分けて2つあります。1つが、会社の分割です。それからもう1つが事業譲渡です。どちらもM&A――企業の売買においてよく使われるスキームですが、これについて、それぞれの特徴とメリットについて、本書の中から情報をピックアップして出していこうと思います。

 まず会社分割について解説をしますと、「会社分割とは、企業が事業の一部を切り出し、新会社として独立させたり、他の企業に承継させたりする方法です。日本の中小企業のM&Aにおいて、よく活用されているスキームです」ということです。事業の一部を切り出して、売買するということですね。これを使うことのメリットとしては、今回『借金があっても事業承継』ということで、事業再生が少しテーマになっているのですが、このスキームを利用できるということです。

企業にはコア事業とノンコア事業というものがありますね。メインでやっているものと、副業的にやっている、メインではない業務があると思いますが、これを切り分けして、会社として収益性を大きく上げていくことが出来る、これが会社分割のメリットです。その他にも、事業部門を会社にすることで切り売りがし易くなったり、事業規模を縮小して株価の価値を下げるというような手法も使えます。

節税効果や、不動産売買のコストといったものを、会社を分割することによって、大きく経費の削減やコストの節約が出来るというのがこの会社分割のメリットということです。

一方でこの事業譲渡、これについてもお話をしていこうと思いますが、会社分割というのは原則として事業を株式に交換する方法で行うものです。一方で事業譲渡は、対価は金銭でやり取りをします。つまり事業をお金で買ってもらう、これが事業譲渡と会社分割との大きな違いというところです。

 会社分割と事業譲渡を比べますと、やはり会社分割の方が手続きが煩雑で、事業譲渡の方が手軽であるとは言えます。どの位の価値があるのかというのをしっかり見極めるという方法が重要になりますが、この辺はM&Aの専門家などに事業の試算をしてもらうということは必要になってくるかと思います。

この事業譲渡のメリットとしては、譲渡したい事業・資産だけを切り離すことが出来るということがあります。こちらに残しておきたいものはそのままに、手放したいものだけを売ることが出来、代わってその対価をキャッシュで貰うことが出来るというのがメリットです。不要な資産、簿外債務の引継ぎなどのリスクを回避できる――これは買い手側のメリットになりますが、「要らないよ」というものは手に入れずに済むということです。
また、こちらも買い手側のメリットになりますが、引継資産の償却による節税効果も見込めるということです。

何れにしても、このM&Aの実行というものはそれほど簡単な話ではないのですが、ポイントになってくるのはやはりこのタイトルにもあります、『借金があっても事業承継』ということで、この債務の承継というところで債権者と買い手がどのようにリスクを分散し合うかということです。買い手にとっていかにメリットのある形で分割するのか、譲渡するのかというところがポイントになると思います。

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【ゼロからのネットプロモーションコンサルタント】

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