「私はどうして販売外交に成功したか」(フランク・ベトガー)に学ぶ保険営業成功の秘訣

保険営業におけるバイブル

保険営業をされている方はご存じかと思いますが、新規顧客を開拓し続けていくのは本当に大変なことです。私は20年間、保険営業マンとして仕事をしてきましたが、始めたばかりの頃は販売不振で大変苦しい思いをしました。保険営業は歩合制ですから、一時期給料が1,655円まで下がったこともあります。しかし、その後、考え方を変えることによって、月収1,850万円まで上がった経験を持っています。

私を売れない営業マンから売れる営業マンに変えてくれた1冊の本があります。それは、フランク・ベトガーの「私はどうして販売外交に成功したか」(ダイヤモンド社刊)という本です。営業で真面目に頑張っているけれど成果につながらない、どうすれば成績を上げることができるか知りたい、そういう人はたくさんいらっしゃると思います。そういった方々のために、この本の内容について紹介していきたいと思います。私が成功できたのはこの本のおかげで、バイブルと言ってよいほどの本です。最初のページから最後のページまで、フランク・ベトガーの愛と情熱が詰まっています。この本の内容を知り、実践していけば、必ずあなたの営業成績が飛躍的にアップしていきます。

情熱こそが成功の鍵

それでは「私はどうして販売外交に成功したか」の紹介に入っていきたいと思います。この本の冒頭の第1章、フランク・ベトガーは情熱について触れています。保険営業、特に新規開拓がベースとなる仕事は精神的にハードなことの連続だと思います。そのため、「根性で何とか顧客を獲得しよう!」「とにかく前向きに頑張ろう!」といった根性論で問題解決をしようとすることも多いのではないでしょうか。また根性論か、マインドの話か、とあなたは思われるかもしれません。しかし、フランク・ベトガーが情熱の話を最初に持ってきたのには理由があります。情熱というのは、成功するためには欠かせない必要不可欠なものだからです。

私は20年間生命保険業界で仕事をし、たくさんの人を見てきましたが、成功する人とそうでない人との違いは、やはりマインドの問題だと思っています。この業界で何千人もの人が敗れ去っていく中で、ほんの一握りの人たちが顧客に恵まれて成功して幸せになっていく。成功する人たちはマインドセット、つまり心構えが違うのです。これは、実は素晴らしいことなのです。なぜなら、マインドセットは今この瞬間から変えることができるからです。お金も資格も経験も必要ありません。あなたが変えようと思えば、今すぐにでも変えることができます。

ここで、「私はどうして販売外交に成功したか」の中の1節を紹介してみましょう。著者のフランク・ベトガーは100年くらい前の人ですが、面白い経歴の持ち主で元々アメリカのプロ野球選手でした。最終的にはセントルイス・カージナルスのメジャーリーガーになりましたが、それまでは結果が出ず、マイナーリーグでずっと辛い思いをしていました。マイナーリーグ時代、マネージャーから呼ばれて首を宣告されました。路頭に迷っていたベトガーは、マイナーリーグの別のチームから声をかけられます。ベトガーは心機一転して「今日から変わろう」という決断をしました。すると、まるで別人のように活躍し始めました。

「私は球場に現れると、100万ボルトの電流を背負っている者のように、きびきびと活躍した。猛烈なスピードで送球すると、内野手は思わず落球してしまうほどだった。ある時などは、猛烈な勢いで三塁に進んだので、三塁手は勢いに飲まれてボールをファンブルし、貴重な走塁を稼ぐことができた。それは全く素晴らしいプレーだった。その日は40度近い暑さだったので、球場を走っている途中で倒れたとしても、当然のことだったかもしれない。この感激はまるで魔術のような作用をした」

ベトガーは本の中で、自身の変わり様をこのように描写しています。地元の新聞は、ベトガーが球場の雰囲気を一変させたとして、「この選手は火の玉のような男で、チームの選手たちを完全に張り切らせた」と評しました。これを読んでベトガーは鳥肌を立たせました。「そうなのか、自分に欠けていたものはこれなんだ!」この経験が彼の人生を一変させます。

その後、ベトガーは残念ながら怪我をしてしまいましたが、この情熱の経験は彼の人生を一生貫くことになります。ずっと後になってから、彼は次のようなことを述べています。

「情熱こそ、恐怖心を吹き飛ばし、取引を成功に導き、より多くの利益を上げ、裕福で幸福な道を開いてくれるものである。それでは、こうした素晴らしいことは、いつから始められるのだろう? それは今すぐにでも始められる。これこそ自分にできる唯一のことだと言い聞かせなさい。情熱の人となるには、情熱を込めた行動をすることだ」

毎日人に会って情熱的に話をする

フランク・ベトガーは試合中にケガをして、引退せざるを得なくなってしまいました。その後、保険会社に就職しましたが、成績がひどく辞めざるを得なくなりました。続いて、自動車部品の会社に就職しましたが、そこでもうまくいかず辞めざるを得なくなりました。そして、また保険会社に戻ったのですが、成績が上がることはありませんでした。ベトガーは正に人生のどん底にいたと言えます。

ところが彼の人生を一変させるような出来事が起こります。ある時、彼は私物をオフィスに置き忘れ、それを取りにオフィスに戻りました。すると、社長とエリートセールスマンたちが入ってきました。彼らはベトガーのことはおかまいなしに、仕事の話を熱心に話し始めました。ベトガーはその話を聞いていましたが、彼には扱えないような大きな案件の話で、ますます気持ちが落ち込んでしまいました。それでも、ベトガーが彼らの話に耳を傾けていると、社長があることを言いました。その言葉はベトガーの一生を変えました。

「販売という仕事のポイントは、煎じ詰めるとたった一つの事柄に集約される。それは、できるだけたくさんの人と面会するということ。人並みの能力を持つ人間なら、毎日4~5人の人に会い、熱心に話をもちかけてみるといい。たったそれだけのことをすることで成功できる」

ベトガーはこの言葉を聞いてハッとしました。社長の言ったことは、販売についての本質を突いていました。販売の成功の秘訣は、1日4~5人の人に会って情熱的に話をする。このことに尽きるということです。「うまくいかなかったらどうしよう、断られたらどうしよう」と不安になる気持ちはわかります。私も20年間保険営業の仕事をし、よくそんなふうに思ったことがあります。

しかし、やはり販売の仕事というのは、毎日人に会って情熱的に話をする。このことに尽きるのです。これがすべてであって、それ以外のことはすべて補助的なことなのです。私はベトガーの本を読むことでこのことに気づくことができました。

1日を4つのコマに区切ると、月曜日から木曜日の4日間で16コマできます。16コマのうち15コマ、人に会うことにしようと私は決めました。つまり、週に15回面談行うことになります。もしできなかったら週末に面談を行うと決め、絶対に週15回面談をこなすと自分に課しました。1年間は約50週間ですが、50週間すべてで15回の面談を行うと、年間750回面談行うことになります。これは膨大な回数ですが、数をこなすということはとても重要なことなのです。私は15年間、これを徹底して継続してきました。面談を行うことが本質的なことだとすると、お客さんに電話する、ハガキを書くといったその他のことはすべて枝葉なんです。「販売の仕事にとって何が大切なのか? 何が本質的なことなのか?」このことを毎日考え続け、行動することがとても大切です。年間に750回もの面談をこなすことができたら、結果がどうなるか? 想像してみてください。素晴らしい成果があなたの前に現れることでしょう。

面談を行うことを継続する

販売の仕事では、人に会い続けて情熱的に話をすることが重要だということはご理解頂けたかと思います。しかし、毎日4~5人に会って話をするということを継続するのはそう簡単なことではありません。私自身、毎日4人に会い、週15回面談を行うと決めたわけですが、2週目、3週目になってくると面談をする顧客が減っていきます。頑張れば頑張るほど新たな顧客が減っていくので、新規開拓を行うことが難しくなっていきます。そのため、週15回面談を行うための仕組み作りが必要になってきます。

さて、ここで再びフランク・ベトガーの話を紹介したいと思います。ベトガーは社長の言葉を聞いた時に次のように思ったと述べています。「私は社長の極めて当たり前の言葉に、言い知れぬ力を感じて急に明るい気持ちになった。どんよりとした雲の間から突然太陽が現れたかのように、明日から必ず社長の言葉を実行しようと決心した。そして、私は自分に次のように言い聞かせた。フランク・ベトガーよ、お前は二本の立派な足を持っているではないか。お前は明日から毎日4~5人の人に会って、熱心に話をするんだ。そうすれば必ず成功する。社長がそう言ったではないか」

ベトガーは心を一新して、もう一度保険営業の仕事に取り組み始めます。10週間、人に会い続け、熱心に話をしていきました。すると、5万1千ドルもの契約を取ることに成功しました。これは戦前の話ですが、その金額は彼が10ヶ月間働いて得た契約金よりもはるかに多いものでした。人に会って情熱を持って話をするということを続けることで、成功を手に入れることができるのです。
しかし、ベトガーも述べていますが、毎日4人の顧客と会い続けることは非常に難しいことです。前に会った顧客と再び面談することもあるでしょうし、同じ人と3回、4回と面談を重ねることもあると思います。新しい顧客がどんどん枯渇していくからです。そこで、顧客が枯渇していくことに対し、どのような対策を練るかということがポイントになってきます。

面談を継続するために記録を取る

フランク・ベトガーは「1日に4~5人に会って情熱的に話をする」という社長の言葉を真摯に受け止め、それを実行に移しました。そして、実行する過程で次のことを発見しました。
「私は訪問した回数を記録に取り、少なくとも毎日4人に会うことにした。そして、記録を取ることによって、もっと多くの人と面談することができるという事実を発見した。同時に、毎日4人と面談するということが、大変な仕事であるということを理解した」

ベトガーが述べていることはまったくその通りで、私自身、週に15回面談を行うと決めたものの、3週目くらいになるとアポイントが埋まらなくなっていきました。そこでベトガーに習って、アポイントを取るために記録を取ることを始めました。面談を続ける一方、誰にいつ会ったかという記録を取り始めました。誰と立ち話をし、誰と名刺交換し、誰にハガキを出したかといったことをすべて記録しました。今ではメールが普及していますから、誰にメールを出したかということを記録します。そうすると、新規顧客に会うために、実はまだやれることがあるということに気づくようになります。あの人にはまだ会ってないんじゃないか、この業界の人たちにはまだアプローチしていない、というようなことがわかるようになってきます。新規顧客の開拓は、記録を取ることから始まるのです。

自分自身を整理する日を設ける

さて、続いてスケジュールの話に入っていきたいと思います。仕事でスケジュールを立てることがあると思いますが、途中で計画を見なくなってしまったり、計画倒れに終わってしまったりすることはありませんか? そんな人のために、計画の有効な活用法をお伝えしたいと思います。

綿密に計画したスケジュールを活かすのに大切なことは何でしょうか? それは準備をするということです。準備をしないままスケジュールだけをこなしても、中途半端に終わってしまったような、そんな感じになりませんか? 準備をしないと成果も上がらず、せっかく立てたスケジュールも無駄になってしまいます。フランク・ベトガーはスケジュールについて次のように述べています。

「提案すべき内容を準備した上で、月曜から金曜までの訪問の順番を調整し、完全なスケジュールを作るためには相当な努力が必要だった。少なくとも4~5時間以上は準備しなければならなかった。そこで私は、土曜日の朝をこの仕事に当て、自分自身を整理する日と呼ぶことにした。このことを実行し始めてからは、手当たり次第に面談を繰り返していた頃とは違い、月曜日の朝は自信と熱意を持って顧客を訪問することができるようになった」

私もベトガーのまねをして、自分を整理する日を作るようにしました。金曜の夜か土曜の朝、スケジュール帳や読みかけの本などを持ってファミレスに通いました。そこで、数時間かけて来週のスケジュールを立てるという習慣を身につけました。そうすることで、自分の生活ががらりと変わっていきました。

今週のスケジュールを振り返って、来週のスケジュールを練るわけですが、そのようなことをしていると、普段気づかない様々なことが見えてきます。例えば、ある社長と面談した時、「血縁でもない家族でもない相手に、あなたはお金を残すことができますか?」という質問をされました。その時はあまり深く考えず、「それはちょっと難しいと思います」といったようなことを言っていました。しかし、自分を整理する日に振り返ってみると、「あの時社長は一体何が言いたかったのだろう?」と、気になってきました。そこで、次の週に社長に電話して、「あの時のお話は一体どんなお話だったのでしょうか?」と聞いてみました。そして、もっと詳しく伺うために再度訪問することになりました。話が長くなるので詳しくは割愛しますが、社長と再度話し合いを行うことで大きな案件を獲得することができました。この例からもわかるように、商談というのは自分のシナリオを進めるのに夢中になって、相手の意図を汲み取れないということが起こります。後から振り返る時間を設けることで、そのことに気づくことができるのです。自分の考えていることや、やり残したことなどを週末に整理し、それを翌週のスケジュールに組み込んでいく。この自分自身を整理する日を設けることによって、私の営業成績は跳ね上がりました。仕事で成果を出したい方は、自分を整理する日を設けることをおすすめします。

モチベーションを上げる方法

今週のスケジュールを振り返り、そこから得た気づきを翌週のスケジュールに反映していく。そのことの重要性をお伝えしました。実は、この自分自身を整理する日は、モチベーションを上げることにも効果があります。
モチベーションが続かない、仕事に対してやる気が出ないといったことはありませんか? 私自身、保険営業をしていて、そのような気持ちになったことが少なからずあります。生命保険という切ないもので、「ぜひこの保険に入りたいと思っていました!」というような商品ではないですよね。そういった商品ですから、常に新規開拓を行い続けるというのは大変ですし、モチベーションをキープすることも難しいと思います。それではどうすればモチベーションを維持できるのでしょうか?

自分自身を整理する日には、今週のスケジュールを振り返り、来週のスケジュールを立てるのですが、自分の中にあるアイデアをすべて吐き出すという作業も行いました。メモ帳でもノートでも何でもいいのですが、とにかくアイデアを書き出していきます。そもそもモチベーションが下がるとはどういうことかと言うと、頭や心の中が整理できていないということなのです。気持ちの中で解決できていないモヤモヤがあったり、小さな心配事が溜まってきたりすると、それらが心の中で大きな部分を占めるようになっていって、モチベーションが落ちていきます。例えば、机の上が整理されていなくてぐちゃぐちゃの状態だと、仕事をやる気も落ちてしまいますよね? それと同じことです。心配事があったとしたら

「自分は何を心配しているのか?」ということを紙に書き出して明確にする。その作業をすることで、悩みを客観的に把握することができるようになります。多くの場合、悩みを書き出してみると、大した悩みではなかったということに気がつきます。心配がさらに心配を生み出していて、悪循環に陥っているのです。しかし、心配事を言語化することによって、心配を軽減することができるのです。例えば、何か心配事があったとしても、それを書き出して整理することで、実態がないものに囚われていたと気づきます。不安がなくなってくると、「これができるかもしれない。あんなこともできるかもしれない!」というふうに、前向きな気持ちになっていきます。自分自身を整理する日に、頭と心をリフレッシュする作業を行うことで、モチベーションが湧いてくるわけです。これを習慣化することによって、生命保険営業というタフな仕事においても、モチベーションを維持することができるようになります。

仕事がはかどる「6時クラブ」

自分自身を整理する日に、モチベーションを維持する方法をお伝えしました。しかし、モチベーションを維持することができたとしても、仕事がなかなか終わらない時ってありますよね。そんな時どうするか? どうすれば仕事を効率的にこなしていくことができるのでしょうか?

再び「私はどうして販売外交に成功したか」の著者であるフランク・ベトガーを参考にして進めていきたいと思います。ある時、ベトガーの元に、毎日仕事を頑張っているけれどなかなか仕事が終わらないという人が相談にきました。その人に対して、ベトガーは「あなたは6時クラブのことを知っていますか?」と聞きました。その人は「6時クラブ? そんなクラブは聞いたことがありません」と答えました。ベトガーはその人に、6時クラブについて教えます。「私はベンジャミン・フランクリンが書いたものを読んだことがありますが、こんなことが書いてありました。朝寝坊で長生きする人は少ないし、成功した人もほとんどいない。そこで私は目覚まし時計を1時間ほど早くかけておくことにした。そして、その1時間を読書と研究のために利用することにした。私は6時クラブの会員になり、いつの間にか夜更かしをしないようになっていた」ベトガーに相談しに来ていた人は、その話を聞いてさっそく6時クラブの会員になり、朝早く起きるようになりました。朝のすっきりした状態で1時間仕事をするようになり、終わらなかった仕事を効率よくこなせるようになっていきました。すると、販売の成績も向上し、数年後には大手企業のマネージャーにまで昇進することができました。

ベトガーの本を読んだ私は、さっそく目覚まし時計を早くセットするようになりました。私は朝が苦手なので6時に起きることは難しかったのですが、少なくとも7時半までには仕事に着手すると決めました。その後、食事をして、通勤して、会社で仕事を再開する。そのような習慣を身につけていきました。今はパソコンやインターネットを使って家でも仕事をすることができます。朝早く起きて仕事に着手する習慣を身につけると、仕事がはかどり、仕事をこなせる量が増えていきました。これまでにできなかったような大きな仕事もできるようになりました。仕事が終わらずに困っている方は、ぜひ6時クラブに入会することをおすすめします。

以上、フランク・ベトガーの「私はどうして販売外交に成功したか」という書籍を紹介しながら、保険営業で成功するノウハウをお伝えしてきました。これまで紹介した方法を実践すれば、必ずあなたの思い描く成功を実現することができるでしょう。この記事を読まれた方が、ビジネスで成功することを心より祈っております。

大坪 勇二

この記事を書いた人

【仕事のプロを育てるプロ】 コンテンツプロデューサー。人脈術と交渉術の専門家。

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