毎年、「国民年金を払わない人が多い」という話題がニュースになりますが、国民年金保険料を納めていないと老後に年金を受け取れなくなると言われています。年金がもらえないとなると老後資金が不安になる方も多いでしょう。本当に年金がもらえなくなってしまうことがあるのでしょうか?
それでは、本当に国民年金を払わなくてもよいのか、払わないとどうなるのかについて説明していきます。
なぜ年金を払うのかと言えば、もちろん、「老後資金として年金を受け取るため」です。
老後に年金を受け取るためには、国民年金保険料の納付期間が10年以上に達している必要があります。
年金を受け取れなくなると、老後資金が不足して生活していくのに困ることになります。
では、「年金保険料の納付は義務」と言われますが、なぜそうなるのか理由を知りたいという方もいるでしょう。
国民年金への加入を義務付ける根拠については、「国民年金法」の第七条において被保険者の資格が次のように規定されています。
続く第八条では、上記に掲げる条件に該当した時点で国民年金の被保険者となることが定められており、自動的に加入が義務付けられる法的根拠となっています。
このため国民年金を払わないのは違法な行為となり、未納し続けると「日本年金機構」から納付を求める「督促状」が送られてきます。
さらに督促状に指定された期限までに年金保険料を払わない場合は、強制的に差し押さえが行われる場合があります。
もし、「収入が少ない」などの理由により納付が行えない場合には、「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」に申請を行う方法があります。
申請しても自分が免除に該当するかわからないという方は、地域の市(区)役所や町村役場の年金窓口へ相談することをお勧めします。
国民年金を払わないことによる不利益は、老後に年金を受け取れなくなるだけではありません。
払わない期間が長く続いていると、「障害年金」や「遺族年金」についても支給を受けられなくなってしまいます。
一つ目の「障害年金」とは、病気を患ったりケガを負ったことによって仕事や生活が困難になったときに支給される年金で、20歳以上60歳未満の現役世代でも受け取ることができます。
ただし、障害年金を受け取るためには、障害の診断を受けた日(初診日)がある月の前々月までに、公的年金加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていなければなりません。
二つ目の「遺族年金」とは、国民年金の受給者が死亡したときに遺族に支給される年金です。
この遺族年金についても、死亡した受給者の保険料納付済期間(免除期間含む)が加入期間の3分の2以上あることが、支給の要件となっています。
つまり、保険料を払わない期間が3分の1を超えている場合、遺族への年金支給が認められなくなってしまいます。
国民年金を払わないことによって生じる不利益は、老後資金として年金を受け取れなくなるだけでなく、強制徴収のために督促や差し押さえが行われる可能性があります。
さらには、未納期間が長いと現役世代であっても需給の対象となりえる「障害年金」や「遺族年金」も受け取れなくなってしまいます。
家計の事情などにより年金保険料の納付が困難な場合は、納付の免除や猶予を受けられる可能性がありますので、お住いの地域の市(区)役所や町村役場の年金窓口へ相談してみましょう。
【文責:編集部】