詐欺事件ってなくならないですよね。「どうしてこんな投資話に騙されちゃうんだろう」と客観的には思うのでしょうけど、いざ当事者になると案外気づかず、わかったときには時すでに遅しとなるものです。人の不幸は蜜の味、とほくそ笑んでいるあなたも、いつ当事者になるかわかりませんよ。
詐欺には、「意図的詐欺」と「結果的詐欺」があると思います。意図的詐欺とは、はじめから騙すつもりで戦略を考え、詐欺行為をすることです。
詐欺罪は、立証することが非常に難しい罪といわれています。そのため、そのことを知っている知能犯は、立証できないようにあらかじめ工夫しているはずです。ですから、詐欺罪の立証は余計に難しくなります。
仮想通貨で流行ったICOは、開発前の仮想通貨に対して、計画書(ホワイトペーパー)で開発費用やマーケティング費用などを資金調達する手段です。2016~2017年のビットコインの価格高騰により、「儲け損ねたくない」と思った人たちがこぞってこのICOに投資をしました。そして、多くは塩漬けになったり、騙されたりしています。もちろんICOの成功事例がないわけではないですが、圧倒的に失敗事例の方が多いでしょう。
ICOのなかには、はじめから意図的に投資家を騙そうとしていたプロジェクトも多くあったはずです。仮想通貨投資でなくても、海外不動産投資(ランドバンキング、タイムシェア、コンドミニアム、アパートなど)や海外預金(普通預金、定期預金)、FXなどでも同様です。インターネットやSNSに流れているような投資情報には、気をつけた方が良いでしょうね。本当に良い情報だったら、不特定多数に流す必要もありません。広告料や紹介料などのコストが、価格に反映されているでしょうしね。
一方、はじめから騙そうとは考えていなかったけど、やむを得ず詐欺行為になってしまった、という場合もあります。
「本当に事業を順調に展開できていたけど。途中で失敗してしまった」というパターンですね。キャッシュフローが回らなくなり、投資家への償還(返金)が遅れたりすることも結果的詐欺といえるでしょう。
「騙された」と思うかどうかの判断は投資家次第ですから、「音信不通になる」「レスポンスが悪くなる」「開き直る」などの不誠実な態度で対応すれば、「詐欺に遭った」と思われても仕方がありません。
このような結果的詐欺の場合は、事前に詐欺かどうかを判断することはほとんど不可能です。そのため、投資実行後も投資先の経営者などと連絡を取り合い、事業の状況を適宜把握する努力が必要になるでしょう。
では、詐欺に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか。
一番シンプルな方法は、本末転倒ですが投資なんてしないことです。リターンを予測できない投資は投資というよりは投機ですから、投機はなくなっても良いと思えるお金=捨て銭でやるのが大原則だと思います。
投資したら信じて待つか、結果的詐欺に遭わないように投資先をウォッチ(見守り)し続けることです。そしてなによりも、投資先が成功するように応援することだと思います。
応援の仕方は、追加で投資することもそうですし、成功に近づけてくれるような人を紹介したり、自分のノウハウや知識を提供することも応援のスタイルの一つです。お金を入れることだけが投資ではありません。投資先とのつながりをつくったり、コミュニティを強化したり、ノウハウや知識を提供することも、私は投資の一つの形だと思います。
そうなってくると、単なる投資というよりは共同事業者という感じですね。
2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。
2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency
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