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  • 君には「逃げ場」があるか。
    〜会社に勤めながら、人生を“拡張する”安斎輝夫氏、独占インタビュー〜(1)
  • 君には「逃げ場」があるか。
    〜会社に勤めながら、人生を“拡張する”安斎輝夫氏、独占インタビュー〜(1)

    2020/02/13  ビジネス野望

    会社に勤める傍、月に一度東京、御茶ノ水エリアで「サードプレイス・ラボ」というイベントを開催する安斎氏。このイベントには、複数の会社の社外役員、うつをきっかけに独立起業した整体師、会社に勤めながら自分の得意分野で数々の講演に登壇している方など、「人生を主体的に生き、輝いている大人」が多く集まります。そんな方々が出会い、化学反応を起こしていく第三の居場所を作り出す、安斎氏のエネルギーは一体どこから来るのでしょうか。2回にわたりお送りします。

     

    今までの自分が知らなかったものに出会う「場」

    ──普段はどんな活動をされていらっしゃいますか。

     

    基本は会社員で、20年以上1つの会社に勤めているというのが、表向きの顔ではあります。

    ただ、子どものときからウルトラマン系、仮面ライダー系とか変身するものが好きで、歳を重ねる中で「1つのことだけでいいのかなあ」とは前から思っていました。

    そこで「家庭でも職場でもない第三の」というところを、どうできるのかを自分を使いながら実験するという意味で、サードプレイス・ラボというコミュニティー風のイベントや、メルマガ、ブログをやっています。

    でもお金を目的にというわけではなく採算ギリギリにはなるようにはしながら、楽しくやれればいいかなと思ってやっています。

     

    ──自分の時間や労力を割くということで、「少しはお金もほしいな」という気持ちは起きなかったのでしょうか。

     

    ないですね。

    お金は結果の産物であればよくて、むしろそれによって得られる経験とか、人との繋がりとか、そういった今までの自分だったら味わえなかったもの、知らなかったものに出会って触れられることの方が、意味があるのかなと。

     

    仮に、お金を求めて「事業」という形にしても事業計画書を書いたり、予算組んだり、頭を下げたり歯を食いしばったりということがどうしても避けて通れないと思うんですよね。

    そうではなくて、自分が楽しくやれること、味わえることを見つけたくて。

     

    「ああ、普通のままこうやって人生終わるのかなあ」って思ってた

    ──会社以外で活動をしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

     

    安斎氏 ある程度、年齢を重ねていくと、新しいことに出会うことが減った気がしていました。30代ぐらいまで、子どもも生まれて結婚もして、家も買ったから、「ああ、普通のままこうやって人生終わるのかなあ」って思っていた時期があって。

    住宅ローンがいくら残っていて、子供の教育資金にいくらお金がかかるのだろうかと考えてました。

    もちろん、それはそれでちゃんとやらないといけないことだけど、目的になっちゃうと、「自分の人生ってそのためではないのかな」っていう気持ちが湧いてきたんです。

     

    「これって本当に楽しいのかな」“ありがたいお話を聞いて、お金を払う側”に違和感を感じた時に出会った一冊の本

    ──実際にサードプレイスの活動を始めるきっかけはどんなものだったのでしょうか。

     

    安斎氏 数年前、「ドラッカーの名言学び実践会」という月一のイベントに参加していて、徐々に運営のお手伝いや事務局をするようになりました。1年ほど経った時に「これって本当に楽しいのかな」って、ふと考えてしまうようになりました。この勉強会は、マーケティング的なことを学ぶという中身と素晴らしい講師の方が固定されているものでした。参加者の一人として私は、このスタイルって楽しかったのですが・・・。例えば、コンサートに行くとか、映画を見にいくとかと一緒であって、学ぶためといえども、エンターテイメントを消費するお客さんという立場にすぎないのかなと。当時、いろんなセミナーや勉強会にも足を運んでいましたが、どれに参加しても、大差はないので、「なんか自分でできないのかな」って漠然と思ってたんですね。
    その時に出会ったのがレイ・オルデンバーグ著の『サードプレイス━ コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』という本でした。

    「そうか、自分が探しているものって、家庭でも職場でもない第三の場所、みたいなものなんだな」って気付かされましたね。

    今までいろいろなところに顔を出していましたが、どれもなんだか…楽しいんだけど、お付き合いしている感じと言うか、自分発信ではないような感じがしていたので。自分がリードできるようなものをやってみたいと思ったわけです。

    そこでお手伝いしていた勉強会の方々に相談したところ、主催者の方も活動の方向性を変えようとしたタイミングだったので、勉強会を引き継ぐような形で「サードプレイス・ラボ」という名前をつけて、私が主宰という立場で始めてみました。

    その第三の場所でできること試してみたくて、「ラボ=実験室」、実験の場でいいやっていう意味でラボとしました。

    初めは知っている人だけ集めて小さく始めました。何がしたいか自分のなかでまだ決まっていなかった。全然どうしていいか分かってなくて、どんな運営をして何をしたいのかっていうのが定まらないままで、今思うと、見切り発車でしたね。

     

    「これどうなっちゃうんだろう」不安の中スタートしたサードプレイス・ラボ

    ──サードプレイスは見切り発車から始まったわけですね

    安斎氏 そうです。まず始めて走ってみようということで始めてみて

    月一でやることになって最初の頃は、「夢リスト100を書くことを、みんなでやってみよう」とか、いろんなテーマを考えながら、試行錯誤してスタートしました。ただまあ当時、ビジョンもミッションもあったかって言うと、たぶんはっきりしてなかったんです。「何かをやりたい」っていう思いと熱だけで突っ走ってたので。サードプレイス・ラボに毎回参加してくれているメンバーの一人も「これどうなっちゃうんだろう」って思ってたみたいで(笑)

     

    ──そうなんですか(笑)

     

    安斎氏 はい。それに、個人の活動だったので、お金も場所も集客も自分でやらなくちゃいけなくて、私自身に知名度もないので本当に大変でした。しかもミッション・ビジョンも明確になっていなかったので周りの反応も薄いし、会社の仲間から怪しまれたこともありましたね(笑)

     

    ──怪しまれたんですか!それは驚きました。

     

    今や恒例、時に参加者が30名を超えるサードプレイス・ラボもその始まりは「見切り発車」。“とりあえず行動”を実践した結果、どんな変化が起き、今に至るのか。次回もお楽しみに!

    【文責:編集部】

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