取引先との会食に部下との「飲み二ケーション」など、50代社長にとってお酒はつきもの。しかし「飲んだあと頭がガンガン痛い」「頭痛がひどくて飲んだ翌日は仕事にならない」という人も多いのではないでしょうか。「飲んだ翌日もバリバリ働きたい」というあなたに、お酒によって頭痛が起きる仕組みとその対処法をご説明します。
お酒が頭痛を招く要因は複数あります。
お酒に含まれるアルコールは体内に入ると肝臓で分解され「アセトアルデヒド」という物質になります。アセトアルデヒドは身体にとって有害な物質で、肝臓でさらに水と酢酸に分解されていきます。この処理が追いつかなくなると、アセトアルデヒドによって血管が拡張されて周囲の神経が圧迫され、頭が痛くなります。
また、拡張された血管からは血しょう※1と呼ばれる余分な水分がしみ出ていきます。余分な水分によって脳がむくんでしまうことでも神経が圧迫され、頭が痛くなります。
さらに、飲酒によって「プロスタグランジン」という痛みを増強させる物質がつくられるため、頭痛がひどくなっていくのです。
お酒による脱水症状もあなどれません。アルコールの利尿作用によって体内の水分が奪われると、頭痛のほか吐き気やめまい、寒気などの症状を引き起こします。
※1 血しょう:血液に含まれる、赤血球、白血球、血小板を除いた液体成分のこと
次に、お酒による頭痛を防ぐ方法をご紹介します。
前述のとおりアルコールで脱水症状を起こす可能性があるので、お酒の席では水をこまめに飲みましょう。体内のアルコール濃度を下げたり、アルコールの吸収を抑えたりする効果もあります。飲んだあと、肝臓の働きをサポートするといわれているウコン配合のドリンクやシジミの味噌汁を飲むのもおすすめです。
お酒ばかりではなく食べ物も口にすれば、アルコールの吸収を抑えることができます。飲む前もしくは飲みながら、良質な脂肪分を含むナッツやチーズ、オリーブオイルを使ったマリネやサラダ、カルパッチョなどを食べるといいでしょう。脂肪分は消化に時間がかかるため、アルコールの吸収を抑えることができるとされています。
とはいえやはり「アセトアルデヒドの分解が追いつかない」なんてことのないように酒量に気をつけることが大切。「適量を楽しむ」という心の余裕を持ちましょう。
お酒の席だけでなく、飲んだあとの水分補給もお忘れなく。カフェインには血管を収縮させる作用があるので、コーヒーや緑茶を飲むのもおすすめです。アルコールの分解を助ける糖分を含むスポーツドリンクや、脱水症状を防ぐ経口補水液を飲むのもいいでしょう。
「五苓散(ごれいさん)」※2という漢方薬もおすすめです。体内の水分バランスが上手く調整できず、むくんだり嘔吐したりしてしまうことを「水毒」といいますが、五苓散はこの水毒をやわらげ体内の水分バランスを整えるのによいとされています。
お酒による頭痛を防ぎながら、飲んだ翌日も元気に働けるよう心がけましょう!
※2 五苓散:沢瀉(タクシャ)、猪苓(チョレイ)、茯苓(ブクリョウ)、白朮(ビャクジュツ)、桂皮(ケイヒ)の五種類の生薬で構成された漢方薬
【文責:編集部】