ゆくゆくは会社をリタイアして迎える新生活…そこで、老後資金の使い道を検討している方も多いのではないでしょうか。現代の日本は労働者の減少により、退職後の再雇用の満了年齢が高くなっています。そこで、70歳まで働いて老後の資金を蓄え、有効に使い道を考えることが大切です。今回は特に、非課税枠を有効活用した生前贈与についても紹介します。
現代の日本は労働人口の減少のため、必然的に高い年齢まで働くことができるようになっている企業が増えています。具体的に言うと退職年齢は60歳ですが、その後の再雇用制度で65歳まで勤められる企業が多いようです。この人口推移は数年で大きく変わることは考えにくいでしょうから、数年後にはさらに高い年齢、おそらく70歳くらいまで働くことができるようになるでしょう。
定年を迎えても働ける、それはこれまで年金暮らしで隠居していた人も稼ぎ続けることができるようになるということです。70歳以降の老後資金を確保するハードルが下がっていますから、より有効に老後資金を活用するチャンスです。
70歳まで働いて確保した老後資金は、非課税枠を活かして有効に使いましょう。次の項では生前贈与の仕組みを活かして、お得に老後資金の使う方法を紹介します。
老後資金の代表的な使い道はお子さんやお孫さんへの贈与でしょう。もちろんご自身が健康なうちに老後生活を楽しむことが大切ですが、後世へ少しばかりは資産を残したいですよね。また、お子さんやお孫さんがいなかったとしても、配偶者や友人に財産を残したいこともあるでしょうから、贈与の仕組みを知っておくことは非常に重要です。
絶対に抑えておきたい非課税枠は、「1年間の基礎控除額110万円」と、「配偶者控除額2,000万円」です。1年間の基礎控除額の110万円は、本人から見て親類に当たらない人でも適用されます。つまり、あなたが老後資金を友人に残そうとする場合は、数年に分けて110万円ずつ贈与していく方法が良いことになります。
配偶者控除額の2,000万円は、一定の条件(婚姻期間が20年以上)を満たせば、配偶者への贈与が非課税になります。これは基礎控除額の110万円とも併用できますから、配偶者へは最大で2,110万円が非課税になります。この二つの非課税枠はややこしいですが、老後資金の使い道を考えるうえで非常に大切です。
日本は70歳まで働ける時代になっていますから、再雇用の制度を活かして老後の資金を蓄えていきましょう。蓄えた資金は、贈与税の「1年間の基礎控除額110万円」と、「配偶者控除額2,000万円」の非課税枠を活かしてお得に活用していきましょう。
【文責:編集部】