「国民年金制度だけでは老後の資金が2000万円不足してしまう」という予測が金融庁から発表されました。今後より少子高齢化によって納める年金は増えて、将来もらえる年金の金額は減少してしまうことが予測されます。
本記事では年金制度の基本ともらえる年金額、年金以外の老後に向けたお金の準備について紹介いたします。
国民年金とは日本国内に住む20~60歳のすべてが加入する年金制度です。加入が義務付けられておりその期間はずっと国民年金保険料を払い続けます。
一方国民年金だけではなく他にも様々な年金制度があります。これらは被保険者の業務形態によって異なります。
被保険者は組み分けがなされており、具体的には第1~第3被保険者に分けられています。各々で加入する年金の種類が異なっています。それぞれの区分けと加入できる制度は以下のようになっています。
対象者・・・自営業、フリーランスなど
加入保険・・・国民年金基金、付加年金、確定拠出年金
対象者・・・会社員、公務員
加入保険・・・厚生年金、共済年金、厚生年金基金、確定拠出年金
対象者・・・専業主婦など
加入保険なし(扶養に入っているため)
国民年金基金とは第1被保険者と第2被保険者の将来受け取る年金額の差を埋めるためにできた制度です。第1被保険者は厚生年金に加入していないため、それの代わりを成す働きとして平成3年5月に創設されました。
厚生年金は企業に勤めている人が加入する制度で、国民年金保険料を含んだ金額を支払います。公務員は共済年金を支払います。
現在の日本は少子高齢化社会が進んでいます。年金制度は賦課(ふか)方式を採用しています。賦課制度とは現在の高齢者に対する年金を現役世代の保険料から捻出する制度です。
なぜ積立方式ではないかと説明します。現在のお金の価値と40年前のお金の価値は大なり小なり異なっています。積立方式ですと経済のインフレや物価の変動に対応できなくなってしまいます。それを懸念して賦課方式をとっています。
しかし賦課方式は人口ピラミッドのバランスが崩れ、少子高齢化社会になってしまうと現役世代の年金負担額は増加してしまいます。政府もそれを懸念して高齢者に給付する金額の半分を税金から賄っています。しかし税金から賄うのは、間接的には労働者層の負担を増やしてしまいます。
【参考】
年金が将来いくらもらえるかは気になるところです。計算が複雑なので正確な数値を出すには難しいですが、上の3つのサイトにおおよその受領額やシミュレーションができる記事を載せました。平成15年度以前と以後で年金受領額の計算方法が異なっていますので注意してください。
平均給与額はおおよそ35~40歳の時の月収を参考にしましょう。国民年金は収入によらず加入年数のみで決まります。40年加入していた場合、月におよそ6~7万円給付されます。厚生年金は加入期間と給与額に左右されます。例えば40年間加入して平均月収が40万円の場合、月におよそ10万円ほど給付されます。
しかしこの金額はあくまで現段階の受領予定額ですので今後大きく変更される場合があります。
「2000万円不足!」……いきなり言われれば、多くの人が不安になることでしょう。しかし、まずは年金についての正しい事実を知っておくことが先決です。
【文責:編集部】