赤ワイン、白ワイン、ロゼワインに続く第4のカテゴリーとして、今、「オレンジワイン」が世界中で大流行しています。
どんな食事にも相性の良いフードフレンドリーなワイン・オレンジワインとはどんなワインなのか……。
オレンジワインは最近流行したこともあり、新しくできたワインのように聞こえますが、実は約8000年もの歴史があるワインです。
その起源は、ワイン発祥の地とされるコーカサス地方の国の一つ、黒海に面したジョージアとされます。
ジョージアではクヴェヴリと呼ばれる大きな釜を使った伝統的な製法を用いています。
現地では、オレンジワインではなく、琥珀色を意味する「アンバーワイン」と呼ぶことが多いようです。
オレンジワインと聞くと、ぶどうではなくオレンジの果実から造ったフルーツワインを想像していまいますが、オレンジワインはれっきとした「ぶどうから造ったワイン」の一種です。
オレンジワインは白ぶどうを原材料に、粉砕したぶどうの果皮を果汁と一緒に発酵する、
赤ワインと同じ方法で造ったオレンジ色のワインです。
白ぶどうで造っているにもかかわらず、オレンジ色をしているのは、果皮が入っているからなのです。
これに対してロゼワインは、黒ぶどうを原材料にして、白ワインのようにぶどうを粉砕して
果皮や種子を除いた果汁だけを発酵して造ります。
黒ぶどうを使いながらもロゼワインがピンク色なのは、果皮を醸造する過程で取り除いているからなのです。
オレンジワインはロゼワインの対極の存在と言えるでしょう。
オレンジワインの味わいは、オレンジピールやアプリコットなどのアロマティックな白ワインのような香りと、赤ワインのような渋みと苦味も感じられる、深い味わいです。
なぜオレンジワインは第4のカテゴリーとして世界的に認知され流行しているのでしょうか。
それは、オレンジワインは添加物が控えめな「ナチュラルワイン」と言えるからでしょう。
通常、白ワインは自然の酸化防止剤であるタンニンを持たないため、赤ワインに比べると亜硫酸(酸化防止剤)が多めに必要です。
実際にEUの規定でも、赤ワインよりも白ワインは若干多い亜硫酸を含むことが認められているのです。
しかし、オレンジワインは赤ワインのようにタンニンがあるため、亜硫酸の添加を控えたワイン造りができます。
そこに注目したのが、世界的流行となっているナチュラルワインの生産者です。
ワイン生産者たちは白ぶどうを使い、通常の白ワインではなくオレンジワインを造ることで、添加物を抑えたナチュラルワインとして売り出しました。
そうしてオレンジワインは、添加物の少ないワインとして自然派ブームに乗り、ワイン通を通して徐々に世間に認知されるようになりました。
独特な味わいのオレンジワインは、その他のワインではあまり相性がよくないと言われるような様々なジャンルの料理ともマッチします。
たとえば、辛い香辛料を使用する韓国料理やインド料理はワインと相性が良くありません。赤ワインでは渋い苦味が辛味と喧嘩してしまい、白ワインでは繊細すぎて辛味に負けてしまいます。
しかし、そのような料理でもオレンジワインはよく合います。
そこで、色々な料理と相性がいいオレンジワインに、世界のトップソムリエたちが注目しました。
オレンジワインにより、今までにないワインと料理の組み合わせが可能になったため、彼らがレストランで提供し、ワイン消費者に広く認知されるようになったのです。
いかがだったでしょうか。
知っているだけで自分の魅力も演出できるオレンジワイン。
赤ワインや白ワインやロゼワインなど、一般的なワインの飽きているワイン好きの女性に
軽くウンチクを交えながらさらりと勧めてあげると、喜ばれること請け合いでしょう。
オレンジワインという新しいワインは自然派ワインで体に優しく、様々な料理とマッチするとい汎用性も兼ね備えています。
まだ飲んだことのない人は、その優しく厚い味わいを一度体験し、ワンクラス上のワイン通になってみてはいかがでしょうか。
【文責:編集部】