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  • バリ島はインドネシアにしてインドネシアにあらず? インドネシア進出の入り口としてバリ島進出が有効かも
  • バリ島はインドネシアにしてインドネシアにあらず? インドネシア進出の入り口としてバリ島進出が有効かも

    2019/06/05  ビジネス野望

    『海外進出するならASEANへ インドネシア進出編』の記事でご紹介したように、ASEANのなかでもインドネシアは将来有望な国といって良いでしょう。人口の多さ、親日度指数、ASEANにおける経済シェア、平均年齢の若さなどの観点からみても、それは明らかです。しかしインドネシアはとても広い国であり、多民族国家でもあります。「バリ島はインドネシアだけどインドネシアではない」という現地の声も。これは一体どういう意味なのでしょうか? 

     

    海外進出するならポテンシャルの高い国へ! インドネシアが持つポテンシャルとは

    「人口が多ければ良いというものではない」という考え方もありますが、経済を語る上で人口は欠かせません。インドネシアの人口は、約2.64億人世界第4位の人口を有しています。ASENA諸国のなかでもダントツの人口です。ASEANのなかで人口が1億人を超えるのは、インドネシアとフィリピンだけですが、フィリピンは最近1億人を超えたばかりですから、インドネシアの可能性は高いと感じますね。

     

    人口も大切ですが、「人口ボーナス期」も忘れてはいけません。多くの機関投資家が、新興国に投資する上で、人口ボーナス期を参考にするといいます。デジタル大辞泉の解説によると、人口ボーナスの意味は以下のとおりです。

    じんこう‐ボーナス【人口ボーナス】

    一国の人口構成で、子供と老人が少なく、生産年齢人口が多い状態豊富な労働力で高度の経済成長が可能。多産多死社会から少産少子社会へ変わる過程で現れる。

     

    生産年齢人口が多いということは、それだけ経済成長が見込めるということです。人口ボーナス期についてはさまざまな統計があり、数値は前後しますが、インドネシアは2030年~2035年まで人口ボーナス期が続くといわれています。ちなみに、日本の人口ボーナス期が終了したのは1990年。経済成長著しいといわれていた中国も、2015年に人口ボーナス期を終えました。つまり、日本のバブル崩壊もチャイナショックも、経済の「崩壊」ではなくただの「終了」です。人口ボーナス期(高度成長期)は、遅かれ早かれ、長かれ短かれ、やがては終わりを迎えます。インドネシアは、よく「30~40年前の日本のようだ」といわれます。インドネシアは、まさに高度成長期の真っただ中。海外進出するなら、大きな可能性を秘めた国が良いですよね。ちなみに、インドネシアよりも人口ボーナス期の長いASEANの国は複数存在します。なかでもフィリピンは、人口ボーナス期が最も長く続く国といわれています。海外進出する国を選ぶ際、さまざまな決定打があると思いますが、結局はその国が好きかどうかですね。

     

    インドネシアのなかでも、海外進出するならなぜバリ島なのか

    インドネシアはやはり将来有望な国だと感じますが、実は経済を国単位で語ってもあまり意味がないと考えています。理由は簡単で、範囲が広すぎるからです。国単位ではなく、地域単位で経済を見た方が実利はあるように思います。

    東西に広いインドネシアですが、バリ島があるのは中央部。首都のジャカルタがあるジャワ島のとなりです。バリ島の人口は約420万人。都市のジャカルタに比べれば田舎ですが、それでも人口は多いですよね。

    ちなみに、日本で同じくらいの人口なのは、四国四県の総人口(400万人弱)です。近い人口なのは、横浜市の総人口約360万人や静岡県の総人口約380万人。ニュージーランドの人口が450万人ほどですから、バリ島はインドネシアのなかでは田舎ですが大きな市場ではあります。

    ここまでは、バリ島に住んでいる人口の話です。バリ島は、世界でも有数のリゾート地。「インドネシアは知らないけどバリ島は知っている」といわれるほどです。たしかに、私もインドネシアがどこにあるのかはバリ島に住むことが決まるまであまりよくわかっていませんでしたが、バリ島のことはなんとなく知っていました。それほど有名なリゾート地ですから、観光客も多く、住んでいる人口に滞在人口を加えればかなりの数になります。2017年の観光客は約568万人で、2002年と2005年の爆弾テロ事件後は多少減少していますが、その後は右肩上がりで増加しています。

     

    バリ島観光客数推移

     

    バリ島は、365日オンシーズンの島で、日本や韓国、中国などの東アジアからの観光客に加え、バリ島からほど近いオーストラリアやニュージーランド、さらにはヨーロッパ圏からも観光客が来ています。ほとんど世界中からです。アラブの王族もバリ島を訪れて話題になりました。また、近年はインドネシア国内からの観光客も増えており、勢いは衰えません。首都のジャカルタの人にとっても、バリ島は憧れの島のようです。リーマンショックのときも、ほとんど影響はなかった(1週間くらい気づきもしなかった)そうですから、バリ島の底力を感じますよね。これだけ世界中から人が集まるバリ島ですから、インドネシアの他島からの労働者流入も多く、労働人口は増加し続けています

     

    そんな魅力あるバリ島ですが、ジャカルタの人は「バリ島はインドネシアであってインドネシアではない」「バリ島をみてインドネシアだと思わない方が良い」といいます。それは、広いインドネシアのなかでも、バリ島だけは宗教が異なるからです。バリ島はバリヒンズー教徒の多い島で、「神々の棲む島」ともいわれています。ヒンズー教とバリ島の土着の宗教が混じり合い、独自の発展をしています。一度バリ島を訪れてみると、毎日お祈りを捧げる姿が印象に残るはずです。また、祭事のために道路が封鎖されたり、空港が封鎖されるなど、日本ではあまり考えられないような光景が広がっています。一方、バリ島以外のインドネシアの地域は、イスラム教が主です。バリヒンズー教は、なんとなく日本の神道や仏教など多神教に似たところもありますが、イスラム教については無知なことが多いと思います。

    そんなわけで、バリ島はインドネシアのなかでも異質な島です。視点を変えてみれば、日本人にとって、インドネシアのなかでは進出しやすい(事業をしやすい)地域であるともいえるかもしれません。バリ島進出をインドネシア進出の入り口としてスタートし、現地に足を運び、現地のことを深く知りながらジャカルタなどの他エリアへの進出を検討するのも良いかもしれませんね。

    この記事を書いた人の情報
    nakajima
    中島 宏明(なかじま ひろあき)

    2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。

    2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

    マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
    https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency


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