こんにちは。書評ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大です。
今日は中谷昌文氏の『ビル・ゲイツの幸せになる質問 もしも1日200円しか使えなかったら? 』を紹介します。
著者の中谷氏は、「社会貢献家」としてさまざまな活動を行いながら、ペイ・フォワードの重要性に気づきます。
本書にはその多くの気づきが満載されています。
本書はビル・ゲイツの「もし、あなたが発展途上国に住んでいて、1日に200円しかお金を稼げなかったら、どうしますか?」という質問から始まります。
この問いに対するビル・ゲイツ自身の答えは「200円を貯めてオスとメスのニワトリを買う」 です。
ニワトリを買ってきて育てれば、やがてタマゴを産んでくれます。
そして、タマゴからはまたニワトリが生まれます。
そんなふうにニワトリがどんどん増え続け、周りの人にも良い影響を与えます。
ビル・ゲイツの答えから、私たちは、「稼ぐ手段を得るだけで、自分だけでなく周りの人を豊かにできる」ということを学べます。
著者の中谷氏は、「社会貢献家」として、さまざまな活動を行いながら、ペイ・フォワードの重要性に気づきます。人は思考と行動を変えるだけで、幸せになれるのです。
『「幸せの連鎖」を起こすことが、みんなが幸せになるための最短ルートだということです。世の中を良くするために、1万円札を使う必要はありません。あなたのポケットの中にある「たった100円」で幸せの輪は大きく広がっていくのです。これも立派な「ペイ・フォワード」と言えるでしょう(中谷昌文)』
ポケットの100円を自分のために使うのではなく、周りの人に使うことで、幸せの連鎖が始まります。
「小さな善意を起点にすることで、人を幸せにできる」ということを、本書に書かれた数々の心温まる事例から学べます。
日本には数多くの成功している「100年企業」が存在しますが、それはそうした会社が「人は、いつでも、誰でも、どこにいても幸せになれる」という考え方を取り入れ、経営者や社員が他者や得意先に思いやりの心を持って、接しているからなのです。
海外の企業の多くは、競争を重視し、他社を「敵」か「味方」としか見ていません。
一方、日本企業は、仕入先や取引先、販売先などのパートナーのことまで考えて経営しています。
この他者との関係を意識した経営によって、日本の企業は長続きするのです。 人は誰かのために頑張るとき、一番力を発揮します。
自分のためだけでなく、周りの人のために働くことで、結果を残せるようになるのです。
『インターネットがこれほど発達した時代だからこそ、直接、人と会うことの価値が増す。なぜなら、インターネット上の情報は、すでに何百万人もの目に触れたものだ。しかし、直接誰かに会って聞いた話は、限られた貴重な情報となる(ビル・ゲイツ)』
ビル・ゲイツの言うように、インターネットの情報だけでは、情報は手に入りませんし、課題を発見できません。
人に出会うことで、課題がわかり、それを解決するうちに、人脈や情報、アイデアを入手できます。
ネットの情報だけに頼るのをやめ、自分の頭で、「世界の人を幸せにするにはどうすれば良いか?」を考えるようにすべきです。
世界には様々な問題が山積しています。
ビル・ゲイツのような大金持ちでも、これらの課題を解決することはできないのです。
一人一人がアイデアを出し合い、協力することで、世の中をよくできるのです。
『貧困問題を解決するのに大切なのは、お金を配ることではありません。昔から、「困っている人には、魚をあげるよりも、魚を釣る方法を教えてあげなさい。水をあげるよりも、井戸を掘る方法を教えてあげなさい」という言葉があります。つまり、貧困問題を解決するために本当に必要なのは、持続可能な経済活動なのです。世界を救う方法は、たった一つ。それは、みんなが力を合わせるということです』
さて、冒頭のビル・ゲイツの質問への答えは、きっとたくさんあるはずです。
一人一人が世の中をよくするための方法を考え、それを実践し、協力するうちに少しずつ世の中はよくなっていきます。
自分の力を微力と捉えるのではなく、行動することで世界は変わっていきます。
複数の広告会社でコミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、取締役や顧問として活躍中。インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO/Iot、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役/みらいチャレンジ ファウンダー他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数。
サードプレイス・ラボのアドバイザーとして勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。
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