長く会社を経営して、自分もそろそろ60代後半。
そんなお年頃になってくると、「自分の会社をどうしたものか…」という悩みが出てくるはずです。
中小企業の後継者不足、あるいは後継者不在の問題は、新聞や経済紙でも多く取り上げられています。
では、承継時期を迎えた会社経営者は、どうすれば良いのでしょうか?
子どもや親族に後継ぎになってもらう(事業承継)
社員に会社を引き継いでもらう(MBO)
会社を売却する(他人承継、M&A)
株式を公開して上場する(IPO)
会社経営を辞める(廃業)
これらが、会社経営における5つの出口(イグジット)です。
できることなら、廃業は避けたいと考える経営者の方が多いのではないでしょうか。
廃業は、とても負担のかかる方法です。
家族、従業員、お客様、取引先…など、方々に迷惑をかけることになります。
私も自分で立ち上げた事業を辞めたことがありますが、生活費の確保や事業譲渡(お客さんとスタッフの一部の引き継ぎ)、スタッフの再就職のサポート、取引先へのあいさつなどで苦労しました。
起業は前向きな行動なので大変でも乗り越えられるのですが、会社経営を辞めるという後ろ向きな行動は、精神的にも身体にも負担になります。
せっかく長く続けてきた会社ですから、廃業するよりも、子どもや親族に事業を受け継いでもらったり、社員の方や他の会社に引き継いでもらう方がうれしいですよね。
しかし、「子どもが会社を継いでくれる」というのは、かなり幸運なケースです。
お子さんと一緒に働けたり、ましてや会社を任せられるなんてことは、なかなかないでしょう。
社員の方に引き継ぐことも考えられますが、役員報酬や給与という収入しかない社員の方が株を買い取れるかというと、現実的にはそう簡単ではありません。
会社によってはIPOを目指すことも可能ですが、マザーズに上場できる会社は年に50社ほどしかありません。
上場準備に入る多くの会社は、途中で上場を諦め、挫折しています。
審査には、コストも労力もかかりますので、具体的に上場を目指せる会社の方が稀です。
となると、「社長なら必ず知っておきたい『スモールM&A』という選択肢」の記事でご紹介したように、他の会社に引き継いでもらうM&A(他人承継)が現実的になります。
会社を売却してしまうことをネガティブに捉える方が多かったのですが、最近ではその意識も変化してきています。
それだけ、M&Aが身近になってきたということでしょう。
ところが、会社をだれかに譲りたいと思っても、相談できる相手がなかなかいませんよね。
税理士さんは税務のプロであっても、M&Aのプロではありません。
銀行や金融機関も同様です。M&Aに詳しい人は、身近にはなかなかいないものです。
しかも、ただM&Aに詳しいだけでは、ポジショントークをされて騙されてしまうかもしれません。
本音を言える誠実な人でないと、相談もままなりませんからね。
会社を経営している方なら、普段から相談できるメンターやコーチと知り合っておくと良いと思います。
なにも定期的に会う必要はありません。
一人に絞り込む必要もないと思います。
本音を話せて、誠実な人。
ときどきでも、話ができる人。
行動力があり、人と人を引き合わせるのがうまい人。
そんなメンターやコーチを持てる人は、会社経営の最後も素晴らしいものにできるはずです。
2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。
2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency
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