成功するためには、他者に「与えること」が重要……ということがよくいわれています。では、何を、どのようなかたちで与えればいいのでしょう? ソーシャルメディアが全盛の今だからこそあえて見直したい「ネットワーキングの鉄則」を紹介します。
(徳本昌大氏のブログ「毎日90秒でワクワクな人生をつくる」掲載文を再編集)
ネットワーキングとは、他者とつながり、共有することに尽きる。必要なのは、欠乏と恐れから、豊かさと愛に視点を移すことだけだ。「予約でいっぱいにしよう」ネットワーキング戦略の焦点は、誠実に惜しみなく与え共有することに置かれている。そうすることで、他者と相互に利益をもたらす関係を築き、深めていける。ネットワーキングとは、長く続くつながりを作ることなのだ。(マイケル・ポート)
私はコンサルタントという仕事柄、「起業」に関する相談を受けることが多いのですが、その際は、マイケル・ポートのネットワーキング戦略を使ってアドバイスをするようにしています。マイケルは「予約をいっぱいにする」スペシャリストで、彼のシステムを取り入れたクライアントの93%が1年以内に顧客数を34以上増やし、収益を42%増加させています。
「ネットワーキング戦略」というと、日本では〝マルチ商法〟を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、彼のいうネットワーキングは「互恵型」のもの。人にものを売りつけるのではなく、〝ギバー〟(与える人)になることがネットワーキング戦略の基本です。マイケル・ポートは『日本人の知らなかったフリーエージェント起業術』の中で、ネットワーキングの定義を「互いに協調し、関わりを持つこと」と述べています。他者に対して「与えること」を基本に考え、以下の質問を重ねるうちに、自分の思考と行動を変えられるのだといいます。
ネットワーキングを成功させるのに最も重要なものは「他者」であるとマイケルはいいます。ネットワーキングがうまくいくかどうかは、他の人々があなたにどんな反応を示すかで決まります。他者への質問を常に自分自身に問いかけ、顧客や仲間とリソース、知識、情報を結びつけ、共有するようにするのです。「潜在顧客」及び「他のプロ」との良好な人間関係を築ければ、ビジネスはそこからスタートします。
ティム・サンダースは著書『デキる人の法則』の中で〝理性的かつ良識ある態度で己の無形資産をビジネスパートナーに分け与えること〟を説いています。
無形資産とは「知識」「ネットワーク」そして「思いやり」の3つ。起業で成功したければ、まずはこの3つを仲間と共有することを心がければよいというわけです。
ということですね。
「知識」は、たとえば本を読むことで増やすことができます。自分が提供するサービスや関連するトッピクの本を読めば、その道のスペシャリストになれます。読書で得た知識をオープンにすることで、それに興味を持つ人が引き寄せられてきます。私自身、大量の本を読み、ブログでそれを紹介していることで、ビジネス書の書評家、コンサルタントとして認められ、お金を稼げるようになったのです。
また、自分の「ネットワーク」をオープンにして、制限を設けず、見返りを期待しないで、仲間と共有することが大事です。他の人に本当に意義のある価値を提供する(よい人を紹介する)ことで、人から優れたコネクターと認められ、仕事の相談がくるようになります。
さらに「あなたがどう感じているか」を他者と共有することも重要です。ティム・サンダースは「仕事の関係をうまく構築する最初のステップは、思いやりを示すことだ」と指摘します。つながりを作るときには100%の力を注ぎ、できる限り微笑を絶やさないようにする。相手に貢献できる存在であることを示すために、情報やリソースを提供するのです。焦らず、時間をかけてその人に価値の提供を続けます。相手からの信頼はこうした行動の積み重ねから生まれます。
良質なネットワークを築くために以下の3つの行動を続ければ「コネクター」という強固なパーソナルブランドが手に入るはずです。
良質なネットワーキングを手に入れたら、ソーシャルメディアを使って、つながりを強化します。常に与える側の立場で、知り合い、知識及び感情を共有すれば、顧客との関係はより良いものになるでしょう。
起業で成功するために、ネットワーク戦略を活用しましょう。自分の持っている3つの無形資産をビジネスパートナーに分け与えることで、相手との関係を強固にし、自分が所有する人、知識、思いやりをオープンにすることで、ビジネスはうまくいくようになるのです。
複数の広告会社でコミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、取締役や顧問として活躍中。インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO/Iot、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役/みらいチャレンジ ファウンダー他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数。
サードプレイス・ラボのアドバイザーとして勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。
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