「我が社もいずれは海外進出を! 」そんな目標を持っている社長さんも多いと思います。“いずれ”ではなく、“いつまでに”と決めてしまえば、案外実現は早いかもしれません。海外進出するなら、やはり経済成長の著しいASEANへ。今回は、そのなかでもインドネシアについてご紹介します。
会社を成長させたいと考えたとき、その方法は主に二択です。一つは「海外進出」。もう一つは「多角経営」です。海外進出は、市場を海外まで広げること。多角経営は、軸となる本業以外の事業をスタートさせることです。どちらの方法も簡単ではありませんが、「本業での伸びしろがほとんど残されていない」という状況になったら、経営者としては必ず考えなければならない選択肢でしょう。
海外進出は、多くの社長さんにとって夢でもあると思います。「自社の商品・サービスを、海外の人にも提供したい」「グローバル企業になって、世界中の人たちに貢献したい」そう考えるのは、経営者にとって自然なことです。「海外なんて、自分たちには無理だよ…」「ただのビッグマウスだ」とネガティブな反応をする人も社長さんの周囲にはいると思いますが、夢や志、ビジョンの実現のためには、周りの雑音は気にせず突き進んでいただきたいです。ネガティブな思考や先入観が、成長をジャマしてしまうことは大いにあると思います。せっかくの経営人生ですから、死なない程度に挑戦し続けたいですよね。
私は、ひょんなことからインドネシアのバリ島に移住する機会があり、その経験が後々影響して現地でデベロッパー事業(アパート建設・運営)を行うようになるに至りました。私の場合はご縁がインドネシア進出のきっかけになっていますが、客観的にみてもインドネシアは極めて有望な市場の一つだと思います。主な理由は、
などです。意外と知られていませんが、インドネシアの人口は中国、インド、アメリカに次ぐ世界第4位。経済力は「人口(数)」×「生産性(稼ぐ力)」ですから、インドネシアが今後も経済成長を続けることは明らかです。予測可能な「決められた未来」と言っても良いかもしれません。GDP成長率は5%ほどを推移しており、急成長とまではいかないものの順調な成長を続けています。
親日指数については、さまざまな統計データがありますが、日本に対して憧れや敬意を持ってくれているインドネシア人の方が圧倒的に多いのは事実です。もちろん、歴史的な背景からネガティブな印象を持っている部族はインドネシアにもいます。「日本人は足を踏み入れない方が良い」とされる地域もありますので、インドネシアの人たち全員が「日本人大好き」というわけではありません。しかしそれでも、一度インドネシアに行ってみれば、日本に対してポジティブな人が多いことは実感できるはずです。嫌日国でビジネスをするよりは、親日国でビジネスをする方が断然良いと思います。
また、インドネシアはその人口の多さから、ASEANのなかでも大きな経済圏を持っています。ASEANのなかでインドネシアの次に人口の多い国はフィリピンですが、それでも1億人ほどです。2.64億人の人口はとてつもない可能性を秘めていると思います。人口ピラミッドはきれいな三角形を描いており、平均年齢は29歳です。内需もあり、順調に経済成長しており、購買意欲も旺盛。さらに、石油や天然ガスなどの資源大国でもあります。そんな国なら、ぜひとも進出したいですよね。
インドネシアには、すでに多くの日本企業が進出しています。2017年のジェトロの発表によると、1533社の日系企業がインドネシアに進出しているそうです。現在では2000社を超えていると思います。インドネシアに進出している日本企業は、トヨタ自動車、ダイハツ工業、三菱自動車、ホンダ技研、スズキ、パナソニック、シャープ、エプソン、東レ、マンダム、ユニチャーム、ライオン、花王、味の素、ヤクルト、日清食品、旭硝子、公文、ヤマハなどがあります。やはり自動車やバイクなどの日本ブランドは存在感があり、インドネシアでもよく乗られていますね。
しかし一方で、インドネシアに進出したものの、撤退してしまう日本企業もいます。セブン-イレブンや楽天などの企業です。さまざまな撤退理由が考えられますが、財閥の影響やマネジメントの問題などが大きいのかもしれません。『実録! ASEAN M&A インドネシア編』で少し書いたように、商文化も日本とは異なります。いずれにしても、日本式の経営をそのまま持ち込んでもうまくいくことは稀でしょう。いかにローカライズし、現地に適応していくかが海外進出では大切だと思います。そして成功の基盤になるのは、現地や現地の人たちに対する敬意です。インドネシアの人たちは、ありがたいことに私たち日本人に対して敬意の念を持ってくれています。そんな期待を裏切らないようにしたいですよね。
2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。
2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
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