こんにちは。大坪勇二です。
突然ですが、切ない報告をさせていただきます。
このたび私、会社の経営者としてもらっていた自分の給料をすべてカットしました。
「0(ゼロ)円社長」です。経営者として、ホント情けない状況です。
なぜそんな状況になってしまったか?
やはり私の経営者として、少し調子に乗っていたことが大きな原因でしょう。
そして、いわずと知れた「新型コロナウイルス」の影響。これもモロに直撃しました。
私の経営する会社は、実は9年連続で増収・増益。これは私の最大の自慢でもあり、誇りでもありました。でもそれって、結局は私の「慢心」「おごり」ともいえたわけです。
増収増益がなん年も続いて、調子づく……すると、経営者として今度は何を考えるかといえば……。
「よし! 上場を目指そう!」
と考えるわけです。
でも、世の中そう順調にばかりはいきません。
勢いに乗って上場のためのチームをつくり、事業計画をつくり、「さあ上場に向けて動きだそう」と思ったところで……会社の経営はちょっとずつおかしな方向へ。
売上は下がり、でもコストばかりかかる。
これまでやってきたことのバランスがガラガラ崩れてしまった。
これが昨年の私の会社の話です。
「調子づいて、上場を目指す」
……実は、ビジネス界ではよくある話です。
そんな話もいくつか聞いていたにもかかわらず、自分のときはなかなか気づけないものです。
「こりゃあ無理だ。ひとまず上場はあきらめよう」
上場に関しては、挫折しました。
しかし勢いに乗ってどんどん進んでいたから、固定費は増えている。かなりの赤字が出ました。半期で数千万円は赤字だったでしょう。それまで貯めてきた内部利益もすぐに吹っ飛ぶようなレベルです。
「うわあ……もうたまらん!」
「何とかして経営を立て直さなきゃ」
そう思って何ができるか?
一番手っ取り早いのは〝コストカット〟でしょう。じゃあ、どのコストをカットする?
ここで一番手っ取り早いのは「自分の給料」というコストです。
私は自分の給料をとりあえずゼロにして、取締役会を解散させました。
昨年の秋のことでした。
こうした取り組みや営業活動への注力によって、会社経営にも復調の兆しが。
単月で黒字が出るようになって、「これは元に戻れるぞ」なんて思ったものです。
数ヶ月がんばって、ようやく復調。さあ! これからだ!
……そ、そんな状況を直撃したのが、新型コロナウイルス感染症のパニックです。
私の会社は、講演やセミナーの主催をメインの事業としています。「会場に人を集める」というビジネスネスモデルは、それはもうダメですよね。営業活動なんてできません。
自粛要請、緊急事態宣言により、スタッフも全員リモートワーク。3月、4月、5月はもう、会社を閉じざるを得なかったわけです。
もちろん売上は激減。3月、4月は昨年比で80%減。
でも固定費はかかる。大赤字です。単月で出ていた黒字、復調の兆しも全部吹っ飛びました。
再びの赤字転落。
自分の給料なんて考えている場合じゃない。
ゼロ円社長、継続です!
じゃあ、ゼロ円社長としてはこれからどんな手を打っていけばいいか?
事業を立て直し、生き残るために何をすればいいか?
まずは当然、コスト削減です。1円でも削減する。
そのうえで売上を上げる。一刻も早く赤字を解消する。
そして黒字を定着させる。
これを全力でやっていくしかありません。
出張、会食……これまでいっぱい使っていた経費も、節約!
それと同時に、今回のコロナのような状況にも強いビジネスモデルをつくり上げなければなりません。試行錯誤もあり、時間がかかることかもれません。でも、やらなければならない。
そこで、時間を稼ぐためにやらなければならないことも。
そう、「資金調達」。時間がかかるならば、とにかくキャッシュが必要です。
新型コロナウイルスに関して、国や都道府県、市区町村、各種団体が、さまざまなプログラムを用意してくれています。助成金、補助金、融資……これらの情報を全部集めて、利用すべきものはすべて利用する。悪い言い方に聞こえるかもしれませんが、とにかくお金を集める。そうやって時間を稼ぐ!
これが私の課題です。
さあ、もう後には引けません。
こんな感じの状況に直面している経営者の方は、全国にたくさんいらっしゃるはずです。
でも、ここで気分が沈んだままだと、もうオシマイ。先はありません。
私もがんばります! みんな、がんばろう!
赤字+コロナ ダブルパンチで社長の給料をゼロにしました
1964年 長崎県生まれ
九州大学卒
コンテンツプロデューサー
「稼ぐプロを作るプロ」
大企業新日鉄の経理マンに飽き、ソニー生命の歩合営業マンに転身するも2年間ダメで貯金が底をつき、身重の妻と月11万円の住宅ローンを抱えて、手取り月収が1,655円とドン底の時にやる気スイッチオン。
6ヶ月間の「大量行動」で富裕層とのパイプが開け法人超大型契約で手取り月収が1,850万円に。現役11年間で累計323億円の金融商品を一人で販売。
その後、「社会の問題を、仕事のプロを育てることで解決する」をモットーに出版社を設立。現在に至る。障がい者福祉事業、複数の社団法人オーナーでもある。
著書に『手取り1655円が1850万円になった営業マンが明かす月収1万倍仕事術』(ダイヤモンド社)『月収1850万円を稼いだ勉強法 ~伝説の営業マンはどう学び何を実践したのか~』(祥伝社)などがある。