「ストリートスマート」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? ストリートスマートは、「ブックスマート」の対義語としてよく使われる言葉です。人生でも会社経営でも、確かな正解のわかりにくい現代。実体験をベースに学んでいくストリートスマートな生き方が重要視されています。今回は、そんなストリートスマートについてわかりやすくご紹介します。
ストリートスマートの説明をする前に、ストリートスマートの対義語として使われるブックスマートについてご説明します。ブックスマートの「ブック」には、手本、文献、学識、しきたりなどの意味が含まれています。「スマート」は賢いという意味合いです。つまり、学があって賢い人ということですね。例えば、東大などを卒業して政府高官になるキャリア官僚などが典型的なブックスマートな人たちです。国家資格を活かして仕事をしている人もブックスマートに含まれるでしょう。他には、一流大学を出て大手企業などに就職し、順調に出世街道を進む人たちもブックスマートな人といえます。かつてのエリートコースという感じがしますね。
一方、ストリートスマートな人はどうでしょうか? ここでいう「ストリート」には、実体験、現場、社会などの意味が含まれています。ストリートスマートな人とは、学がなくても実体験を通じて知識や知恵を身につけていく人たちのことです。ストリートスマートな人は、実体験に投資し、アウトプットを学びとしています。一見遠回りにも見える多動さがありますが、実は最短ルートを進んでいるのかもしれません。チャレンジを忘れず、実体験を通じて学び続けられる人は、どんな時代、どんな環境でも成功をつかめる可能性を秘めています。『課題解決にばかり目を向ける会社は成長が止まる?』の記事で書いたように、日々トライ&エラーを続けている社長さんたちは、ストリートスマートな人であるといえるでしょう。ブックスマートとストリートスマート。どちらも必要な人材ですが、混沌とした時代で勝ち続けられるのは、ストリートスマートな人たちかもしれませんね。
ストリートスマートな人のマインドや行動を表す言葉はさまざまですが、軸はブレず一貫しています。このような人材はベンチャー企業や中小企業で重宝されるでしょうし、自分が経営者であればストリートスマートな人に側にいてほしいですよね。そして自分自身もストリートスマートでありたいと思うでしょう。私もそう思います。
会社経営は、挑戦と失敗の連続であるはずです。計画は立てますが、そのとおり実現することの方が稀でしょう。予実管理の精度は、最初から100点満点とはいきませんよね。経験を積んでいくことでしか、予実管理の精度は上がらないと思います。ときにはブックスマートな人からのアドバイスをもらいながらも、ストリートスマートな人たちのチームで日々実践して経験値を積んでいく。あるいは、ブックスマートな人とストリートスマートな人の両方からアドバイスをもらい、ストリートスマートな人たちのチームで日々実践して経験値を積んでいく。これが、成功への最短ルートだと思います。魔法のような経営術なんてありませんからね。
投資においても、ストリートスマートな方が結果を得やすいと思います。ブックスマートな投資は、後々、本を出したり講演活動などはできそうですが、別に知識を見せびらかしたり有名になりたいわけではないですよね。有名人になって得することは、特にないと思います。自分に合う投資先や投資スタイルをみつけて、実践的に投資を続けていく方が利益を得やすいです。
ブックスマートとストリートスマート。あなたならどちらの賢者を目指すでしょうか? 私なら断然ストリートスマートです。会社経営や投資に失敗はつきものですが、実体験に投資していれば、お金は後からいくらでも取り戻せるからです。
頭の良い人は世の中にいくらでもいますし、常に上には上がいます。頭は良いけど仕事ができない、という人も世の中にはたくさんいます。それよりも、挑戦を忘れないストリートスマートな生き方の方が尊いと私は思います。挑戦すらしない人が、挑戦している人に対してなにが言えるのでしょうか? 実体験の伴わないアドバイスやコンサルティングほどペラペラなものはないですよね。「現場へ足を運び、見つめ、感じ取り、考え、行動し続ける」。これが、現代を生き抜くストリートスマートな生き方だと思います。
2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。
2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
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