「ゴール達成を先延ばしにしてしまう…」
「自分が思い描いた人生ではない気がする…」
「体調は良いはずなのになぜかモチベーションが上がらない…」
などと思うことはありませんか?それはもしかしたら“ホメオスタシス”のせいかもしれません。
ホメオスタシスとは、「恒常性維持機能」とも言われています。ホメオスタシス(恒常性維持機能)は、私たちの心身を外的要因に左右されずに、一定に保とうとする生体維持の機能です。
この機能が働かなくなってしまうと、体調を崩したり、心のバランスを崩してしまったりして、対人関係にも影響を及ぼしかねません。
私たちはこのホメオスタシスのおかげで、心身のバランスを保っているのです。
コーチングの概念としてもこのホメオスタシスが使われています。
気温や湿度が変化しても、私たちの体温を一定に保つように働くのがホメオスタシスです。
平熱、つまり体温の“コンフォート・ゾーン(快適領域)”になるように、ホメオタシスがコントロールしたということになります。
例えば、ジョギングをしているところを想像してみてください。ジョギングをしてしばらく経つと、だんだんと心拍数が上がり、呼吸も乱れ、体温が上昇します。
体温のコンフォートゾーンを越えてしまうと、汗をかいて体内の水分を蒸発させて、元の体温に戻そうとします。
ジョギングを終えて、ゆっくり歩き出すと、乱れた呼吸や心拍もだんだんと戻り、汗も止まります。
これらすべてがホメオスタシスの働きなのです。水分補給が必要な時に喉に渇きをおぼえる、インフルエンザにかかった時に発熱して菌をやっつけるなど、私たちの生命維持に必要不可欠なのがホメオスタシスです。
身体を一定に保ち、生命維持に不可欠なホメオスタシス。実は私たちのマインド(脳と心)の状態にも深く関わっています。
例えば、毎回テストで50点前後を取っている生徒がいるとします。
偶然80点を取ってしまうと、無意識にその状況に居心地の悪さを感じてしまい、次のテストではまた50点を取ってしまう。
頭ではもっといい点を取りたいと思っていても、いつもの50点のコンフォートゾーンに落ち着いてしまう。
これはまさにホメオスタシスが働いたと言えます。
会社で昇進したいと思っていてチャンスがやってきたとします。しかし、ここぞというところで大きいミスをしてしまう、急にやる気がなくなってしまうということも、ホメオスタシスが働いています。平社員というコンフォートゾーンに引っ張っているのです。
深層心理では「このままでいたい」と感じてしまっているのです。
そのことによって、現状を変えられない。
それは、「変わりたくない」「失敗がこわい」という心理的ブレーキが、現状のコンフォートゾーンに意識を戻してしまうことが要因です。
変化へ不安を感じる潜在意識が、現状を維持しようとするホメオスタシスに働いて、ゴール達成の邪魔になっているとも言えます。
時にはゴール達成を阻んでしまう、このホメオスタシスを味方につけるには、どうしたらいいでしょうか。
それは、現状の外側の高いゴール設定をすることです。ゴールを達成した自分をリアルに想像し、今の自分に居心地の悪さを感じること。
ゴールを達成した時点の自分の姿(セルフイメージ)を、コンフォートゾーンにするのです。
そうすると、ホメオスタシスの働きによって、ゴール達成に必要な情報がどんどんと飛び込んできて、自然とゴールへ向かい行動を起こすことが出来ていきます。
しかし、ゴールは自分が本当に心から「達成したら心から嬉しい」と思うものでないと、コンフォートゾーンになりえません。
自分の本音に正直になりましょう。
自分が本当に望む、できるだけ高いゴールと、ゴールを達成した自分の1日をリアルに想像して、紙に書き出してみることをおすすめします。
ゴールをリアルに想像できなければ、実際に体験するのが良いでしょう。
未来の自分が三ツ星ホテルに泊まっていれば、そのホテルのラウンジを使用してみる。
高級車に乗っていれば、試乗体験に行ってみるなど、なんでも良いのです。
臨場感を持って、リアルにゴールを達成した自分(セルフイメージ)を想像すると、自然と現状の方に違和感を感じます。
心理学でいう“認知的不協和”の状態です。この認知的不協和を解消しようとマインド(脳と心)が勝手に判断し、解析を始めます。
その結果、ゴール達成時点がコンフォートゾーンになり、自然とゴールを達成するためのホメオスタシスが働くでしょう。
ゴールを達成したい時は、ホメオタシスが常に働いて心理的ブレーキをかけていることを意識することが大切です。
ホメオスタシス味方につけるためには、未来の自分をリアルに想像して、ゴール達成時点をコンフォートゾーンに設定します。
ホメオスタシスのメカニズムを知り、ゴール達成へのモチベーションを高めていきましょう。
【文責:編集部】