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  • 「SDGs」の取り組みの担い手は「福祉事業家」だ
  • 「SDGs」の取り組みの担い手は「福祉事業家」だ

    2019/10/16  マネジメント

    「SDGs」……Sustainable Development Goalsの略で、日本語で直訳すると、「持続可能な開発目標」という意味の言葉です。これは国連で採択された「2030年までに国際的に実現していきましょう」という目標で、世界中の政府、企業で取り組みがある活動です。

    この取り組みで今後注目を集める業界、それは間違いなく「福祉業界」でしょう。

    ■SDGsと福祉

     

    1. 貧困をなくそう  No poverty
    2. 飢餓をゼロに  Zero hunger
    3. すべての人に健康と福祉を   Good health and well-being
    4. 質の高い教育をみんなに  Quality education
    5. ジェンダー平等を実現しよう  Gender equality
    6. 安全な水とトイレを世界中に  Clean water and sanitation
    7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに  Affordable and clean energy
    8. 働きがいも経済成長も  Decent work and economic growth
    9. 産業と技術革新の基盤をつくろう  Industry, innovation, infrastructure
    10. 人や国の不平等をなくそう  Reduced inequalities
    11. 住み続けられるまちづくりを  Sustainable cities and communities
    12. つくる責任 つかう責任  Responsible consumption, production
    13. 気候変動に具体的な対策を  Climate action
    14. 海の豊かさを守ろう  Life below water
    15. 陸の豊かさも守ろう  Life on land
    16. 平和と公正をすべての人に  Peace, justice and strong institutions
    17. パートナーシップで目標を達成しよう  Partnerships for the goals

     

    これらが、SDGsで設定されている具体的な「17のゴール」です。

    この17のゴールが国連によって掲げられいて、企業もこれを目指すための対策をしないと、自分たちのファイナンスにも影響が出るわけです。

    SDGsの取り組みをしっかりやっている企業は価値が高い。そうでない企業は価値が下がってしまう……そんなことが世界で起きています。

     

    ■「福祉事業家」が求められる時代

     

    そんな背景から、今「福祉事業」は社会から本当に求められています(目標3「すべての人に健康と福祉を」)。

    説明するまでもなく、今の日本は少子高齢化の時代。どんな業界においても、深刻な人手不足は誰の目にも明らかです。2030年、人手は644万人不足すると言われています。

    この現実に私たちはどう対応していけばいいのでしょうか。まずはもっとたくさんの人が、自分のできる方法で活躍していく〝共生社会〟が絶対に必要です。

    その中心となるのが「福祉事業家」ではないでしょうか。

    私自身、これまでずっと福祉の業界にいましたが、福祉の世界というのは、とても閉鎖的です。同じ事業者が自分たちだけでやってきた世界です。それが今、民間企業の方、営利企業の方がたくさん福祉の世界に入ってきて、様々な形の取り組みをしてきたことで、福祉事業のレベルはとても上がってきています。そしてこれからは、社会の課題を根本的に解決していく福祉事業家が求められる時代になる、ということです。

     

    ■「利益」と社会貢献の関係

     

    長年保険業界で活躍し、その後出版社を立ち上げるとともに福祉事業家となったのが、オウンドドメディア「保険営業の虎」でもおなじみの大坪勇二氏です。大坪氏はグループホームのオーナーで、日本福祉事業者協会の代表理事でもあります。

    そんな大坪氏が、全く違う世界からこの福祉事業に参入してまず感じたことは、「経営者として成長」だといいます。これまではある意味、いわゆる「お客様」だけを見ていればよかったものが、福祉の世界では、行政や利用者、そしてその家族など、多方面に関与してるわけです。これが経営者として、新たなステージとなったといいます。

    さらに大坪氏が肌で感じたのが、「社会貢献の喜び」だといいます。

    オーナーとし事業するからには、当然のことながらきちんと利益出して、しっかりスタッフ従業員のみんなに還元していくということをしなければならない。つまり利益の追求は絶対です。その一方で、グループホームの利用者、すなわち障がい者の方々と直接ふれ合う機会もあり、そのときにとても「この人たちの役に立っている」「社会の役に立っている」「社会とつながっている」という実感が持てるというのです。

    たしかに福祉の仕事は、面と向かって心の底からの「ありがとうございます」もらえるような、そういう場面が多いものです。その喜びを感じながら、末永く事業を続けていくためにも、社会の役に立ち続けていくためにも、利益を出していかなければならない……。それがSDGsの時代における、福祉事業家の大きな課題でしょう。

    この記事を書いた人の情報
    奈良有樹
    奈良 有樹

    パフォーマンス・エンハンスメント・
    コーチング認定コーチ
    2happiness代表
    町田コーチングスクール主宰
    プロコーチチーム「レ・アーリ」代表
    コーポレートコーチングチーム
    「FUTICE COACHING」 代表


    社会福祉法人の経理、経営管理として部門別採算制度の導入を主導し、数値の見える化、部門ごとの目標設定サポートなどを通して、1年で赤字2,000万円の事業所を6,000万円の黒字に変える。
    また、社会福祉法人における会計士監査制度導入への対応など、財務、経営管理の分野で豊富な実務経験を持つ。

    他方、コーチとしても就労困難な方の一般就労や社会不安障害の方の社会復帰を実現するなど、過去ではなく未来にフォーカスするコーチングで多くの方の夢の実現をサポートしている。
    コーポレートコーチングの社内での実践経験も豊富で企業研修や、コーチングセミナー、コーチ向けの勉強会など様々な場所で講師としても活躍している。

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