このところメディアをにぎわせている「腸活」というキーワード。「便秘に悩んでいる女性、あるいは美容・健康に対する意識が高い女性が始めるもの」という印象があるかもしれません。しかし腸活は、食生活や生活習慣が乱れがちな男性にもおすすめです。
腸の中には多くの細菌が存在しており、腸の活動を支える「善玉菌」、有害物質を作り出す「悪玉菌」、数の多い方につく「日和見菌」の三種類に分類されています。
それらの細菌がまるでお花畑(フローラ)のように腸内に存在していることから、その状態は「腸内フローラ」とも呼ばれています。
善玉菌の数が優勢であえば問題はありませんが、加齢や食生活の乱れ、ストレスなどによって悪玉菌が増え、腸内フローラのバランスが崩れてしまうと便秘や下痢などお腹の不調が生じます。
それだけでなく、免疫力の低下や肥満、糖尿病や大腸がんなどさまざまな病気の原因となってしまうともいわれています。
悪玉菌が好みそうな脂っこいものや肉をよく食べる、ストレスをためこみがち、という人は、すぐにでも腸内環境を整えてください。
まず、食生活を見直してみましょう。
乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を含む食品のことを「プロバイオティクス」といいます。
プロバイオティクスの代表的な食品が、ヨーグルトやチーズ、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品。
ご飯ものが好きな人には、納豆にキムチをまぜてご飯にのせ、お好みで卵黄などをトッピングしたキムチ納豆丼がおすすめ。
ネギやワカメと一緒に味噌汁の具にするのもいいですね。
ヨーグルトには、食物繊維を含むドライフルーツ、オリゴ糖を含むバナナやきな粉などを入れるといいでしょう。
プロバイオティクスのほか、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などを含む「プレバイオティクス」食品を摂ることも重要です。
そこでおすすめしたいのが、食物繊維が豊富で、しかも低カロリーのきのこ類。
シメジやシイタケなどお好みのきのこ、バター、醤油をアルミホイルで包みホイル焼きにしたり、醤油や酒、みりんで味付けして煮て常備菜にしたり、味噌汁に入れてみたりするのもいいでしょう。
こんにゃくも食物繊維たっぷりの食品です。
あらかじめ茹でて臭みを抜き、食べやすいサイズに切ったこんにゃくをごま油で炒め、醤油やみりん、砂糖で甘辛く味付けすれば、ご飯がすすむ一品のできあがり。
味噌と炒めれば、ビールのおつまみにもぴったりです。
腸内環境を整えるために、生活習慣も見直してみましょう。
身体を動かし筋力をつけることは、腸の活動にも影響するといわれています。
運動不足が気になる人は、この機会にジョギングやウォーキングなどを始めてみましょう。
腸をさすってほぐすマッサージや、うつ伏せの状態で膝を立て左右に倒すストレッチも取り入れてみてください。
腸の活動を活発にするのに、副交感神経が優位な状態であることも欠かせません。
入浴でしっかりと身体を温め、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
また、過度なストレスによって下痢や便秘が起こるように、ストレスと腸は密接に関わっています。
腸内環境を整えるには、ストレスをためないこともポイントです。
「どうしても外食が多く、食生活をガラッと変えるのは難しい」という人は、ビフィズス菌や乳酸菌、オリゴ糖、食物繊維などを配合したサプリメントを上手に活用しましょう。
普段から腸の調子が気になる人は、整腸剤で腸内環境を整えてみるのもいいかもしれません。
いかがでしたか?
腸活で、お腹の中から健康を維持し、バリバリ働ける身体をつくりましょう。
【文責:編集部】