新聞や本を読むとき細かな文字が見えにくいので、少し遠ざけて読むようになった。暗がりだと物が見づらい……。そんなあなたは老眼の可能性があります。老眼が起きるしくみや、老眼対策についてご紹介しましょう。
目には、カメラでいうところのレンズと似た働きをする「水晶体」と呼ばれるものがあります。近くを見るときは水晶体が厚くなり、遠くを見ようとするときは水晶体が薄くなることでピントを合わせようとします。しかし、加齢とともに水晶体は弾力を失い、水晶体を引っ張ったり緩めたりして厚みを変える機能を持つ「毛様体筋」も衰えていき、近くを見てもピンとが合わなくなります。これが老眼になるメカニズムです。
老眼を放置したままにしておくと、目に負担がかかって眼精疲労が蓄積され、肩凝りがひどくなる、頭が重くなる、頭痛や吐き気がするなどの症状が生じることも。「老眼かもしれない」と思ったら早めに眼科を受診し、眼鏡やコンタクトで矯正してください。
「自分は近視なので老眼にならない」と思っている人は要注意。老眼は誰でも起こるものです。ただ、近視の人は遠くより近くのもののほうが見えやすいため老眼の自覚があまりないというだけなのです。
以下のような症状があらわれたら老眼の可能性があります。
なお、最近は30代~40代でもスマホの見過ぎによってピント調節機能がうまくいかなくなる「スマホ老眼」、長時間のパソコン作業によって夕方や週末に目の不調を訴える「夕方老眼」「週末老眼」が急増しています。「老眼なんてまだ自分には早い」と思わずに、早めの対策が必要です。
人間は遅かれ早かれ老眼になってしまうものですが、日ごろのケアで進行を遅らせることはできます。
目の体操で、水晶体を調節する「毛様体筋」を鍛えましょう。まず、目をギュッと閉じ、パッと見開く、という動きを繰り返してください。目を開いたまま顔を動かさずに眼球をぐるっと回したり、遠くと近くを交互に見たり、という体操も取り入れてください。
蒸しタオルを目もとにのせてこわばった毛様体筋をほぐしたり、仕事の合間に適度な休憩をはさんで目を休ませたり、睡眠時間を十分とって目を休ませたりするなど、目をいたわることも大切です。
光から目を守る働きのあるルテインをほうれん草やカボチャなどから、ピント調節機能を良くするとされるアスタキサンチンをサケやイクラなどから、それぞれ補うのもいいでしょう。これらの栄養素をサプリメントで手軽に補給するのも手です。
さまざまな工夫を日常生活に取り入れて、老眼対策を始めてみてはいかがでしょうか?
【文責:編集部】