「日本人が日本人を騙す」というのは、海外投資ではよく聞くケースです。海外で仕事をしたり生活をしてみるとよくわかりますが、海外には本当にブローカーが多い。もちろん、仲介業は立派な仕事ですので、すべてのブローカーを否定するわけではありません。しかし、海外では悪徳ブローカーが多いのも事実です。本記事が少しでも被害防止に役立てば幸いです。
「利回り20%を実現! 」
「1000万円で仕込んだ投資が5倍に! 」
など、実績を謳い投資勧誘してくる人は多くいます。「投資のプロ」「資産運用コンサルタント」「投資の天才」…肩書はさまざまでしょう。しかし、本当に実績らしい実績があるのでしょうか。大した実績もないのに、たまたま一度成功しただけで「プロ」「コンサルタント」を名乗る方は多いです。素人に毛が生えたレベルの自称プロの話に乗っかるのは、極めて危険でしょう。そういった自称プロの方は、業者と結託して紹介料やコミッションをもらったらそれで完了です。その投資がうまくいけば「俺のおかげ」と連絡が来て追加投資の勧誘をしてくるでしょうが、うまくいかなかった場合は音信不通になるでしょうね。情報には、必ずフィルターがかかっています。つまり、ポジショントークをしている可能性が常にありますし、事実その可能性は高いです。
投資セミナーなどでよく見る謳い文句に「世界の投資家が注目! 」「有名投資家のお墨付き! 」などの文言があります。それだけ世界や投資家の間で話題になっている投資情報が、なぜ日本語になって届くのでしょうか? 日本人は外国人、特に欧米の人に弱い傾向がありますから、「欧米の有名投資家も推薦している」となれば、情報の裏取りもせずに即投資してしまう人もいるでしょう。個人名は出しませんが、よくメディアなどに登場する外国人投資家のなかには、いくらかの報酬を支払えばコメントを出したり対談させてくれる人もいます。有名投資家であることは事実ですが、その程度の報酬で動く人を本当に信用して良いのか疑問ですよね。
それに、本当に良い海外の投資案件は、現地の富裕層などによってすでに投資されています。日本語になって日本人に届く海外投資案件のすべてがカス案件だとは言いませんが、日本に情報が届くまでの間に情報が古くなっているケースもありますし、情報が湾曲して伝わっているケースもありますから要注意です。
フェイスブックなどのSNSで、「○○大家」と名乗っている人が最近多いと思います。よくセミナーや勉強会を主催していますよね。もちろん、本当に善意で勉強会を開催し、自身のノウハウを提供してくれる素晴らしい人もいます。しかし一方で、不動産業者と結託してポジショントークをしている先輩大家も多いのが実情です。
「私は、たまたまみなさんより少し早く大家デビューして、早期退職して今は大家一本です」
「リタイヤして時間ができたので、このノウハウをみなさんに提供します」
「業者はここを使ってください」
などのように、先輩大家の親切心を装って特定の業者を紹介し、紹介料をもらっていることが多くあります。善意で勉強会を主催している大家さんたちからすれば、こういった悪徳先輩大家の存在は本当にいい迷惑です。先輩大家の顔を装った悪徳ブローカーでしかありません。
自分の事業であれば、相見積もりを取ったり、情報の裏取りをするのは当たり前のことだと思います。しかし、投資になるとそれを疎かにしてしまいがちです。投資もある種の事業ですし、大切な資産を投じるわけですから、しつこいくらい入念に調べることをおすすめします。
2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。
2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency
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