資産を増やしたい！　ところで投資にはどんな種類がある？

「俺は会社経営を優先してきた。だから個人資産は、かき集めても800万円しかなかったんだ。このままじゃヤバイよな。もっと個人資産のことも考えないとさ」。今から４年ほど前に、地方のある社長さんとした会話です。社長さんは、当時52歳でした。50代から考える投資や資産運用。ところで、投資にはどんな種類があるのでしょうか？　投資の種類について、わかりやすくご紹介します。

大きく分けると投資は３種類！　まず思い浮かぶのは金融商品

大きく分けると、投資には３つの種類があるとされます。投資と聞いてまず思い浮かべるのは株などの金融商品、という人も多いでしょう。金融商品には、国債や普通預金、定期預金、投資信託、株式投資、ＦＸ投資などが該当します。最近では、仮想通貨投資もここに含まれるのかもしれません。

国債は馴染みもあると思いますが、何気なくしている預金も投資の一つです。預金には、外貨建の預金や、海外の銀行口座への預金も含まれます。日本ですと、「銀行に預けても増えない」という印象ですが、海外では必ずしもそうではありません。年５％ほどの利息が付く国もあります。しかし、外国人が観光ビザで口座開設することを公に認めている国はほとんどないでしょう。「海外口座開設ツアー」などを募っている人や企業もありますが、こういった営業行為は場合によっては違法ですので注意が必要です。

株式投資によって財を成す人も確かにいますが、勝ち続けている人は稀な存在と言えるでしょう。しかし、「ユニコーン企業」「デカコーン企業」と呼ばれるような、社会に大きなインパクトを与える企業も現れますので、夢を買うという意味でも株式投資は興味深いかもしれません。

お金持ちはやっぱり土地持ち？　手堅い印象もある不動産投資

次に思い浮かぶ投資は、やはり不動産投資ではないでしょうか。不動産投資には、マンションやアパート投資、オフィスビル投資、更地投資（ランドバンキング）、海外不動産投資などが該当します。

「不動産王」という言葉があるように、不動産投資は、お金持ちになるための王道とも言える資産構築方法の一つです。アメリカのドナルド・トランプ大統領も、不動産王と呼ばれていますね。

不動産投資の良い点は、銀行や金融機関からの融資を受けやすいことです。しかし、スルガ銀行によるシェアハウス融資の問題などを巡る「スルガ・ショック」や、レオパレス21による違法建築問題など、不動産投資ブームにはかげりが見えます。また、ブームになっているということは、良い物件にはすでに購入希望者たちの行列ができてしまっているということです。不動産業者との付き合いがない限り、良質な物件を購入することは難しいのかもしれません。さらに、すでに日本は人口減少社会ですから、需要と供給のバランスから見ても、良い立地・良い質の物件でなければ、不動産は資産ではなく負債になってしまうかもしれません。しかしそれでも、不動産投資がお金持ちになるための王道な資産構築方法であることには変わりないでしょう。

え？　これも投資なの？　もうやってるじゃん事業投資

社長ならすでに行っている、事業投資も立派な投資の一つです。起業や新規事業の立ち上げ、M＆A、事業譲渡、フランチャイズ加盟、出資、海外進出などが事業投資に該当します。

このなかでも、最近はＭ＆Ａや事業譲渡が中小企業の間で盛んになっています。ゼロから新規事業を立ち上げるよりも、Ｍ＆Ａや事業譲渡などですでに軌道に乗っている会社や事業を譲り受けた方が効率的でしょう。とはいえ、「これ以上、仕事を増やしたくはない。資産は増やしたいけど。」という社長も多いと思います。今ある会社をＭ＆Ａによって譲渡し、譲渡益を得ることもできますし、その資金を活用してもっとやりたいと思っている事業に参入したり、やりたい事業の会社をＭ＆Ａによって買収することもできるかもしれません。実務への関与度を下げて、投資的に経営できる事業もあるでしょうから、適切なＭ＆Ａアドバイザーと知り合うと良いかもしれませんね。

「ノウハウを買う」という意味では、フランチャイズ加盟による新規事業の立ち上げも効率的です。しかし、フランチャイズ加盟店から搾取することばかり考えているフランチャイズ本部も存在しますから、事業選びや本部選びには注意が必要でしょう。

金融商品、不動産投資、事業投資。さまざまな投資スタイルがありますが、それぞれ自分の性格と合うかどうか検討してみると良いと思います。いずれの投資にしても、即効性のある投資は少ないですから、待てるかどうかも重要ですね。