こんにちは。大坪勇二です。
このたびのコロナショックの直撃が決め手となり、私が給料すべてカットの「0(ゼロ)円社長」となったことは、以前お話ししました。
(関連記事「社長(私)の給料、0(ゼロ)円に! ~赤字+コロナ ダブルパンチの衝撃~」)
そして必要なアクションは、何をおいても「資金調達」。
〝大量行動主義者〟(?)の私ですから、このことでも即行動を開始しました。
コロナショックにあたって国や都道府県、市区町村、各種団体が用意している、さまざまな助成金、補助金、融資……これらを最大限に活用することにしたのです。
おかげさまで、自分でも「よく動いた!」とほめてやりたいくらいの資金を確保することに成功しました。
その詳細についてはあらためてお話ししたいと思いますが、ここではまず、経営者が確実に「コロナ融資」を受けられるよう、融資に失敗する経営者に共通する3つの特徴についてお話ししたいと思います。
実際に私の周りにも「もっとしっかりやれば、ちゃんと融資が受けられるのに……」と思える人がいるものです。これって、本当にもったいないこと!
これから経済活動が本格化する今、資金需要も今が一番あるわけです。手元に資金がなければ、動こうとしても動けない……だから〝今すぐ〟、資金を確保しなければならないのです。
コロナ融資の出所である「日本政策金融公庫」。ココに対して根本的な勘違いをしている経営者がいます。
「国のお金なんだから、国民が困っているときにはどんどん出すべきだ!」。そう思っている人がいますが、ただ、日本政策金融公庫のお金というのは、そもそも国の「税金」。税金であるから、それを「回収」しなければならないという使命感も向こうにはあるわけです。民間企業のように「損失を出してしまいました」では終われないわけです。
相手側にこの「回収」という概念があることをまず理解しなければなりません。
日本政策金融公庫に融資の申請をすると、必ず面談があります。すでに取引がある場合には電話もありですが、初めての人はリアルな面談があるはずです。
この「面談」が極めて重要なのです!
面談で見られるのは、こちら側、つまり経営者のキャラクター、基本的なことを理解しているかどうかということ。何のことかと言えば、要するに「アナタ、〝お金は借りたら返す〟ってのをわかってますか?」ということです。
具体的に言えば「返済能力があるかどうか?」ということ。
こんな状況ですから、もちろん事業が赤字でも融資は受けられるでしょう。しかし、そこで見られるのは「この先経済が立ち直った際に、ちゃんと利益を出して返済できるのか?」ということです。
そんなときに相手に絶対に言ってはいけないNGワード、それは……。
「とにかく、借りられるだけ借りたい!」
これ、経営者の本音であることは本当によくわかります。でも、相手には言ってはいけない。
「こうすれば黒字化するという計画があるので、将来は利益が出てきちんと返せます。だからこれだけ貸してください」としなければ、相手も稟議のしようがないのです。
これはぐっと初歩的な話ですね。
申請の場面で、自分でどんな書類を持ってきたかも理解していない!「とりあえず税理士の先生に用意してもらったんですけど-」なんて、相手に丸投げ。担当者から何か聞かれたら、その場でスマホで税理士さんに電話している。担当はウンザリ……。
そんな場面、実際に目にしました。
今、日本政策金融公庫の窓口は通常の3倍から10倍の混み具合だといいます。担当者としても、すでに書類が整っている人から受け付けたいのは当たり前のこと。必要書類が整っていないために、どんどん後回しにされてしまいます。
そして相手にも「予算」というものがあります。当然融資の「枠」にも限度があり、後回しにされたら大変なわけです。
必要書類のチェック……。決して難しいことではありません。
たとえ税理士さんなどが用意したものでも、何の書類があるかは当然確認してから申請をしに行かなければだめです!
「内容」というのはすなわち、申請していることの内容です。
「これだけの金額を貸してください」というわけですから、まずはその金額の根拠を示すことができなければなりません。「なぜ、これだけの金額が必要かというと……」ということですね。
そして前述のように、「こうすれば黒字化するという計画」、つまり事業を盛り返し、黒字化するシナリオがちゃんとあるかどうか? ということです。
たとえば「これまでリアルでやってきたことを、すべてオンライン化します」(もちろんもっと具体的に、ね)、「オフィスを解約して在宅勤務を中心とし、固定費を削減します」だとか。
ただ単に「お金を貸してください」では、相手も困ってしまいます。この先どうやって事業を黒字化させていくのか? その内容を自分自身で理解していなければ、「返済能力なし」とみなされてしまいます!
「ウィズ・コロナ時代」といわれるこれから……不透明な状況が続き、出口はどこにあるかわかりません。
そんなとき、経営者にとって唯一頼りになるのは、キャッシュ。事業を続けていく資金です。
資金調達の得手不得手が、生き残りを左右するのです。
1964年 長崎県生まれ
九州大学卒
コンテンツプロデューサー
「稼ぐプロを作るプロ」
大企業新日鉄の経理マンに飽き、ソニー生命の歩合営業マンに転身するも2年間ダメで貯金が底をつき、身重の妻と月11万円の住宅ローンを抱えて、手取り月収が1,655円とドン底の時にやる気スイッチオン。
6ヶ月間の「大量行動」で富裕層とのパイプが開け法人超大型契約で手取り月収が1,850万円に。現役11年間で累計323億円の金融商品を一人で販売。
その後、「社会の問題を、仕事のプロを育てることで解決する」をモットーに出版社を設立。現在に至る。障がい者福祉事業、複数の社団法人オーナーでもある。
著書に『手取り1655円が1850万円になった営業マンが明かす月収1万倍仕事術』(ダイヤモンド社)『月収1850万円を稼いだ勉強法 ~伝説の営業マンはどう学び何を実践したのか~』(祥伝社)などがある。