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  • 海外視察には目的の明確化が必要
    ポイントとマナーを押さえた現地視察を
  • 海外視察には目的の明確化が必要
    ポイントとマナーを押さえた現地視察を

    2019/09/17  海外進出

    「とりあえず現地に海外視察に行ってみよう」というノリで海外視察へ出かける人も多いでしょう。しかし、目的のない現地視察・企業視察は、猛烈に嫌われ始めています。なかには「日本人お断り」という国も。世界から尊敬されるビジネスリーダーになるためにも、マナーはしっかり守りたいですね。

     

    海外視察ツアーは目的を明確にしてから

     

    海外視察となると、日本国内の現地視察や企業視察とは違い、数日間は時間を要します。アジア圏でしたら比較的移動時間はかかりませんが、エストニアやドバイ、シリコンバレーとなれば移動だけでも半日から丸一日はかかるでしょう。

     

    移動時間がそれだけかかるということは、経費もそれなりにかかってきます。大切な時間とお金を使うのですから、目的を明確にしてから海外視察ツアーに出かけたいですよね。

     

    ですが、「勉強のために」という曖昧な理由で海外視察ツアーに参加する経営者の方がほとんどです。これでは極めて時間とお金がもったいないですから、

     

    • あの企業の実態を確認しに行く
    • あの企業と業務提携を結ぶために行く
    • この分野の企業に出資するために視察ツアーに参加する

     

    など、できる限り海外視察ツアーの参加目的を明確にしてから参加するかどうかを決めたいところです。

     

    特に企業視察はポイントとマナーを押さえるべし

     

    海外視察ツアーには、多くの場合「企業視察」が含まれています。ただ街並みを視察するわけではなく、オフィスや工場などを訪問して、ときにはプレゼンテーションなども受けるわけですから、相手企業も準備に時間を使ってくれています。相手の時間を奪うことは、相手のお金を奪っているのと一緒ですから、訪問者として「本気さ」を示すことは最低限のマナーです。

     

    しかし、海外視察する多くの日本企業には、最低限のマナーすらないようです。

     

    オランダ在住で、現地で新規事業の立ち上げや海外進出プロデュースなどを行っているクリエイティブコンサルタントの吉田和充氏は、以下のように語っています。

     

     

    オランダ企業もそうですが、誰だって自分たちの会社に興味を持ってくれるのは嬉しいもの。だからしっかり準備して、全力でプレゼンをして、お土産をくれたりするところまであります。

     

    でもそれは裏を返せば、「実のある取引を期待されている」ということなんですよ。受け入れ側は「視察=協業や投資について話し合う場」として考えている。なのに、視察を願い出た日本企業はその場でジャッジもできないし、そもそもそういうモードじゃない。彼らはあくまで「お勉強」しに来ているんです。

     

    そうなると、受け入れ側からすれば「あの人たちは何をしに来たの?」となってしまうわけです。ここに大きなギャップ、受け入れ側からすればカルチャーショックがあります。

     

    (中略)

     

    つまり彼らは「本気じゃなかった」。そこで話を進めちゃえばいいのに「いやいや、そういうんじゃない、勉強ですから」って。日本人は勉強は熱心なんだけど、本気じゃない。これじゃ何も生まれませんよ。

     

    もちろんそうじゃない人たちもいます。例えばある財団は、視察中に収集した情報を本にまとめて、各地で講演をしたいという明確な目的を持っていました。だから受け入れ側もどんな話をすればいいかというのを理解していて、両者にとって実りのある視察になりました。

     

    だけどほとんどは視察に来て、終わり。学んだことも成田空港に降り立ったら飛行機において全部忘れて帰るみたいな。

     

    (中略)

     

    今プレゼンスを発揮しているのが「中国」です。彼らは明確な目的を持っているし、意思決定もスピーディー。

     

    僕が住んでいるユトレヒト市が先日、中国からの視察団を誘致していました。彼らは「視察前」にすでに社内で話をまとめていたので、視察時は市内のこの企業にどれくらい投資する、ということだけ決めてさっさと帰って行ったんです。

     

    目的がハッキリしていて、話も早く進み、さらに資金も潤沢にある。となると当然美味しいところはみんな中国に持っていかれてしまい、受け入れ側の日本に対する興味は薄れてしまっています。

             引用元:『日本企業は「お勉強」海外視察を撲滅せよ。日本人は相手の時間奪う意識が希薄』(ビジネスインサイダージャパン 2018年3月7日)

     

    単なるお勉強視察ではなく、実利を追求したいですよね。

     

    日本企業の海外視察は、「勉強や事前調査」の側面が強いですが、中国企業の海外視察は、事前調査は視察前に済ませており、「意思決定するため」の側面が強いようです。受け入れる側がどちらを優先的に招きたいかといえば、もちろん中国企業でしょうね。

     

    シリコンバレー、深セン、エストニア、ドバイ、ホーチミン…コーディネーターからも嫌われる日本企業の視察

     

    前述のオランダ視察のようなケースは、他の国・エリアでも起きています。海外視察先として人気のシリコンバレーや深セン、北京、エストニア、ドバイなどでも「日本企業の視察はお断り」という企業が出てきました。理由はオランダと同様で、「日本人はなにも決められないから」です。

     

    ASEANでは、ベトナムのホーチミンやハノイ、インドネシアのジャカルタやバリ島などが視察先として人気ですが、現地で視察ツアーのコーディネーターをしている私の友人は「観光目的で視察に来る日本人が多いので、正直なところ現地企業側からクレームが来て困っている」と話します。

     

    ASEAN諸国の方々は、親日で日本人に敬意や憧れを持ってくれる人が非常に多いですが、観光気分の視察参加者が今後も増え続ければ、他の国と同じように「日本企業お断り」になっても不思議ではありません。

     

    下記の記事のように、現地からの嘆きが聞こえることにないように、目的意識と訪問先への敬意を持った海外視察をしたいものですね。

     

    あるシリコンバレー企業の担当者は「最近は日本からの視察は断っている」と明かす。100人以上の視察者を何度かに分けて受け入れてほしいという依頼もあったという。「時間を費やしても、相手からはビジネスの提案もなく、うちには何のメリットもない」とため息交じりだ。日本企業の年配の幹部が尊大な態度をとり、米国側の幹部が怒ってしまったこともあるそうだ。

            『日本企業の視察受け入れ「メリットない」 米中で嘆き』(朝日新聞デジタル 2019年6月1日)

    この記事を書いた人の情報
    nakajima
    中島 宏明(なかじま ひろあき)

    2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。

    2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

    マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
    https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency


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