「最近、なんだか胃もたれがする」「疲れが取れにくくなった気がする」「お腹が空いていなくても、口寂しいので何かつまんでしまう」……そんなあなたは「食べ過ぎ」かもしれません。今回は、現代人が見落としがちな「食べすぎ」の可能性とそれがもたらす健康リスク、改善策を解き明かした本『「空腹」こそ最強のクスリ』(青木厚著/アスコム)をご紹介します。
著者の青木厚氏は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を専門とする医師。自身も舌がんを患い、食事療法を実践した経験を持つそうです。青木氏によると、1日3食は「食べすぎ」。前に食事をとってからさほど空腹でなくても、決まった時間になるとまた何か食べてしまう。知らず知らずのうちに食べすぎてしまうのだとか。
では、食べすぎてしまうとどうなるのでしょうか。
この書籍によると
などのリスクがあるといいます。
食べすぎを放置して上記のような状態がさらに悪化すると、がんや心筋梗塞、脳梗塞などさまざまな重篤な病気を引き起こしてしまう可能性もあるのだとか。
この食べすぎを防ぐのが、青木氏が推奨する「睡眠時間8時間+8時間」の計16時間におよぶ空腹時間だというのです。
なぜ、空腹の時間が必要なのでしょうか? それには、細胞内の古いタンパク質を新しく作り替える機能「オートファジー」にヒントがあります。
“私たちの体は、約60兆もの細胞でできており、細胞は主に、タンパク質で作られています。
日々の生活の中で、古くなったり壊れたりしたタンパク質の多くは体外に排出されますが、排出されなかったものは細胞内にたまっていき、細胞を衰えさせさまざまな体の不調や病気の原因となります。(中略)
オートファジーとは、古くなった細胞を、内側から新しく生まれ変わらせる仕組みであるといえます。”
このオートファジーを機能させるには、最後にものを食べてから16時間経過していることが大切。細胞が飢餓状態あるいは低酸素状態になったときにこそ活発化するといいます。
空腹時間は、ライフスタイルに合わせて自由に設定できます。空腹に耐えられなくなったらナッツ類や生野菜サラダを食べてもいいそうです。
ただ、すでに何らかの持病があるという方の場合、このオートファジーが逆効果になってしまう可能性があります。オートファジーはあくまで予防のためのもの。体調が心配な方は事前に医師に相談しましょう。
「食べすぎ」と聞いて思い当たるフシがある私。前の食事をきちんと消化しきれないまま次の食事をとったり、仕事の合間につい間食してしまったり……。気がつけばカラダも重くなり、たまに胸やけや胃もたれなども。そこで、実際に16時間の空腹時間を取り入れてみることにしました。
私の場合、夜20時までには夕食を終えているので、朝食抜きのプログラムにチャレンジ。朝バタバタと家事をこなしたりメールを返したりしているうちにあっという間にお昼になるので、「空腹で倒れそう」「お腹が空いてイライラする」ということはさほどありませんでした。食事の内容もさほど変えていないため(脂っこいものやしょっぱいものは避けていますが)、面倒なカロリー計算や知識がないと難しい糖質制限なども必要がなく、手軽に取り組めます。実施後、胃もたれや胸やけなどの症状はゼロ。まだ実践してみて数日しか経っていませんが、フェイスラインも引き締まってきたような気が……(気のせいかもしれませんが)。もう少し続けてみて、体重や体脂肪率などの数字的な変化が出るかどうか様子を見ていきたいと思います。