メルマガ登録
  • ストスマ
  • >
  • マネジメント
  • >
  • 未来の経営は、会社や組織すらなくなるブロックチェーン組織?
  • 未来の経営は、会社や組織すらなくなるブロックチェーン組織?

    2019/08/13  マネジメント

    会社の在り方や方針を考えることは、経営者にとって極めて大切なことです。『課題解決にばかり目を向ける会社は成長が止まる? 』の記事でご紹介したように、それは経営者にしかできない仕事でしょう。しかし近い将来、会社という組織の在り方すら過去のものになるかもしれません

    一時期話題になった新しい組織像「ティール組織」とは

     

    ティール組織は一つの概念です。2014年にフレデリック・ラルーの著書『Reinventing Organizations』で紹介され、話題になりました。結構前の本なんですね。

     

    ティール組織では、従来型組織のような指示系統はありません。「存在目的」「自主経営」「全体性」などにフォーカスし、社長や上司がマネジメントをしなくても、目的のために進化し続ける組織です。「自主経営」というのは、リクルートの仕事哲学でいう「社員皆経営者(従業員皆経営者)」の考え方に似ています。

     

    言い換えると、「一つひとつ明確に指示しなくても、自走してくれる組織のこと」ということかもしれません。経営者の方にとっては、うれしい限りですよね。なかなか実現するのは難しいですが、経営の理想形の一つではあると思います。

     

    次に来るのは「ブロックチェーン組織」?

     

    「ブロックチェーン」と聞くと、「仮想通貨のことでしょ?」と思うかもしれませんが、それは全くの誤解です。いまだに勘違いされていますが、仮想通貨はブロックチェーンという暗号技術の1アプリケーションに過ぎません

     

    ブロックチェーンとは、一言でいえば「改ざんが極めて難しい暗号技術」のことです。データを一定のブロックに格納し、ブロック同士をチェーン状につなげることで、過去を遡って改ざんするには膨大な計算処理と電力を必要とする仕組みにし、事実上改ざんを不可能にしています。

     

    そして、データを特定の管理者が管理するのではなく、分散してみんなで管理・監理しようという仕組みが画期的だったというわけです。

     

    ブロックチェーンやその技術を活用したビットコインなどの仮想通貨は、技術的に革新的であったことはもちろんですが、その根底にある思想が革新的であったことも、世界に広まったことに影響しています

     

    その思想とは、「お金のやり取りはもっと自由であるべきだ」という考え方です。

     

    法定通貨(いわゆるお金)の発行は、中央銀行などの管理者(権利者・権力者)によってコントロールされています。しかし、インターネットが普及した現代ではその考え方自体が前時代的であり、「もっとコストも安く、スピードも速く、便利にできるだろう。だってメールはこんなに簡単に世界中でやり取りされているんだから。お金のやり取りだってそうできるはずだ」という発想が生まれました。

     

    そして、「管理はみんなでやれる」ということで、「分散型」という言葉ができました。この「分散型」というのは、今後、会社という組織の在り方をも変えるかもしれません。

     

    問いを投げかけたら策が返ってくる分散型組織

     

    ビットコインのシステムは、サトシ・ナカモト論文を書いたサトシ・ナカモトによってベータ版が公開されましたが、世界中のエンジニアによって改良が加えられています。

     

    ビットコインには管理者(会社でいう経営者やマネージャー)がいませんので、指示系統もなく自由に改良されていって今に至るわけです。もちろん、処理スピードの遅さなどのさまざまな問題が生じていますが、ビットコインのブロックチェーン自体は機能し続けています。

     

    システム改良の議論は、基本的にはオンライン上で行われています。議長がいるわけでもありませんし、発言は自由です。フェイスブックのグループなどでも、有意義なグループであれば、なにか問いを投げかけたら、世界中からさまざまな人が意見やアイディアを出してくれて、あっという間に解決してしまった。なんてことも起こっていますよね。

     

    最初の問いという一滴を落とすのがだれかもわかりませんし、解決に導いてくれるのがだれかもわかりません。しかし、発せられた途端になにかが起こり始めます。

     

    これまでの会社組織であれば、役員会や定例会、各現場会議、商談などで議論がされたり、立ち話や雑談からアイディアが生まれたりするのですが、会社という組織がなくても、プロジェクト毎に必要な人が集まり、プロジェクトが終われば解散する。そしてまた必要になったら集まる。集まるメンバーは、同じ人とは限らない。長期的なプロジェクトもあれば、数週間・数カ月の短期プロジェクトもある。というようなことは、すでに起こっています。国民総フリーランサーという感じですね。

     

    管理される方が楽だし安心するという人がまだまだ多い気がしますが、分散型ブロックチェーン組織が普及する頃には、日本のフリーランサー率も上がっているかもしれません。副業や複業で別の仕事(プロジェクト)を始めても良いですもんね。

    この記事を書いた人の情報
    nakajima
    中島 宏明(なかじま ひろあき)

    2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。

    2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

    マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
    https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency


    いつまでも錆びない経営者、チャレンジする経営者のための新情報、お役立ち情報が満載のメールマガジン!

    メルマガ登録はこちら

    INTRODUCTION

    紹介
    頑張る経営者のためのお役立ちメディア
    ストリートスマートメディア運営
    株式会社しごとのプロ出版
    〒108-0074 東京都港区高輪3-25-22
    About
    Copyright ©2019 ストリートスマート by しごとのプロ出版 All Rights Reserved.