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    一流はアートから学ぶ
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    一流はアートから学ぶ

    2019/09/10  マネジメント

    アート・芸術を好む経営者やビジネスリーダーが増えてきたように感じます。これから訪れるであろうAI時代には「創造性が重要」と言われていますから、現代アートや芸術に注目が集まるのも納得ですね。『僕たちの芸術は国力だった』という記事で以前ご紹介しましたが、今回はアートについて少し掘り下げてみます。

    「趣味はアート」という経営者が増えた

    なにかと世間を賑わせた、ファッション通販サイト『ZOZOTOWN』を運営するZOZOの創業者であり、代表取締役社長である前澤友作さんは、現代アート好きとして有名です。現代アートの普及活動やアーティストの活動支援を目的とした公益財団法人現代芸術振興財団の会長でもあります。

    前澤さんのような若い経営者だけでなく、大林組、ベネッセ、資生堂、パナソニック、セイコー、サントリーなど、多くの日本企業がアートと深く関わっています。ブリヂストン美術館やサントリー美術館などは、貯蔵作品も素晴らしいですよね。

    芸術作品の収集には、資産保全や資産運用の役割もあると思いますが、「単純に好き」という理由も大きいでしょう。世界には、美術館に通うことを日課にしているグローバル企業のCEOも多くいます。なにも考えずに芸術作品をみていると、閃きがあるのかもしれませんね。

    経済界や政界の人も教養として美術史を学ぶ

    「教養としての芸術・美術」も注目されています。例えば、早稲田大学の政治経済学部では一般教養として美術史を学びます。これは将来、経営者や政治家などになったとき、世界中で行われる会食や立食パーティでは美術を知らないようでは「教養がない人」と判断されてしまうからです。

    例えば私は(政治経済学部ではありませんが)、

    画家であれば

    ポール・セザンヌ
    ディエゴ・ベラスケス
    パウル・ルーベンス
    フランシスコ・デ・ゴヤ
    ピーテル・ブリューゲル
    藪野健
    馬遠
    夏珪
    仙厓義梵

     

    詩人や作家であれば、

    フェルナンド・ペソア
    フェデリコ・ガルシア・ロルカ
    ガブリエル・ガルシア・マルケス
    ピーター・ケアリー
    内田百閒
    夏目漱石
    坂口安吾
    埴谷雄高

     

    音楽家やミュージシャンであれば、

    ソニー・クラーク
    ジミー・スミス
    ケニー・バレル
    ジョー・ストラマー

    映画監督であれば、


    アンドレイ・タルコフスキー
    アレクサンドル・ソクーロフ
    イングマール・ベルイマン
    アラン・レネ
    フランソワ・トリュフォー
    ヴィム・ヴェンダース
    ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
    ウェス・アンダーソン

    などの影響を受けました。

    作品そのものからの影響もありますが、彼らが残した言葉からも影響を受けています。

    例えば、「近代絵画の父」と呼ばれ、後のピカソやマティスらに影響を与えたポール・セザンヌは、

    「自分の強さを実感している人は、謙虚になる」

    「モネは、眼しか持たない。だが、何という眼だろう」

    「私は毎日進歩しつつある。私の本領はこれだけだ」

    「ニセの絵描きは、この木、この犬を見ない。木というもの、犬というものを見るだけだ。同じものは何ひとつないのに」

    「デッサンと色彩とは区別することはできぬもので、彩色をほどこすにつれてデッサンがなり、色彩が調和していくにつれてデッサンは正確になる。色彩が豊富になる時、形も充実する」

    「自然に基づいて絵画を描くことは、対称を写生することではない。自分の感動を現実化することである」

    「自然を円筒形と球形と円錐形によって扱いなさい。自然は平面よりも深さにおいて存在します。そのため、赤と黄で示される光の震動の中に空気を感じさせる青系統を入れる必要性があるのです」

    などの言葉を残しています。セザンヌの言葉からは、謙虚さや進歩について、本質を見極めることなどを学んだと思います。

    ちなみに、「自然を円筒形と球形と円錐形によって扱いなさい。自然は平面よりも深さにおいて存在します。そのため、赤と黄で示される光の震動の中に空気を感じさせる青系統を入れる必要性があるのです」という言葉から、ピカソは後のキュビズムに。色彩の魔術師と呼ばれるマティスは色彩論に発展させたとも言われています。芸術家同士は、時代を超えて影響を与え合っていますから楽しいですよね。

    気づきや学びは「異なる領域」から生じる

    「アート、芸術、美術」と「ビジネス、経済」は、一見すると虚学と実学という真逆の世界のように感じますが、一流のビジネスリーダーたちはアートから多くのことを学んでいます。なかには「どうだ、自分はこんなに芸術の教養があるんだ」と知識をひけらかすような人もいますが、ただの自己顕示欲の塊ですから放っておけば良いでしょう。

    私が学生時代に学び、影響を受けた画家の藪野健さん(洋画家、日本藝術院会員、二紀会副理事長。早稲田大学栄誉フェロー、名誉教授、芸術功労者、維持員。広島大学名誉博士。府中市美術館館長)は、画家でありながら映画好きな人で有名です。画家のベラスケスやゴヤについて語らう時間も多かったのですが、実は映画について話す時間の方が長かったように思います。

    また、藪野さんは交友関係が実に幅広い人で、他の学部の教授とも親しくされていました。理工学部の工学博士と芸術について話したり、ロボット工学とアートについて話したり、「専門領域」という言葉が存在しないくらい多岐にわたる話し合いがされ、そこから多くの気づきや学びを得ていたように感じます。

    藪野さんとの会話で印象に残っているのは、

    「どんな道でも一流にならなければ意味がない」

    「家庭がうまくいかない人は、なにをやっても大成しない」

    という言葉です。今でも身に沁みますね。

    そして、楽しそうに教授たちや学生たちと話し、楽しそうに絵を描き、楽しそうに町を歩き、楽しそうに講義をしていた姿が何よりも学びになっています。まだまだお元気そうで、嬉しい限りです。

    亡くなった芸術家や画家に直接会いに行くことは生きている間は叶いませんが、彼らが残した作品は存在します

    特に、絵画や彫刻のような一点ものの作品は、その作品の前に芸術家も立って描いたり彫ったりしていたわけです。そんな姿や当時の芸術家の気持ちに思いを巡らせながら鑑賞するのも楽しいかもしれませんね。

    この記事を書いた人の情報
    nakajima
    中島 宏明(なかじま ひろあき)

    2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。

    2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

    マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
    https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency


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