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  • 「エフィカシー」とあなたの〝自信〟 ~コーチングで人間関係の悩みを解決する方法~
  • 「エフィカシー」とあなたの〝自信〟 ~コーチングで人間関係の悩みを解決する方法~

    2019/08/29  マネジメント

    「上司にも良い顔をしたいし、部下からも嫌われたくない……」

    「上司と部下の間に挟まれて、人間関係が苦しい……」

    社会に出ればこんなことって結構多いですよね。

    あのイヤ~な感覚……。例えば「上司の一言で胃がチクチクと痛んだり、冷や汗をかいたり…」「部下からは信頼されたいからと無理して良い顔をしてそのツケが結局自分にまわってきて何故か損をしている気がする…」。

    これでは働いていても楽しくないですよね。みんなの顔色をうかがってばかりで生産性も上がらないという悪循環。

    でも大丈夫です。これからお話しする『エフィカシー』というキーワードについて知れば、明日からは。今回は実際に相談を受けた事例をご紹介しながら、あなたが見ている世界(現在の人間関係)と『エフィカシー』の関係についてご説明していきます。

    あなたが見ている世界はあなたが創り出した「虚像」

    今、あなたが見ている世界は本当の世界だと思っていませんか?実はその世界が、あなた自身の脳や頭が都合よく考えて勝手に創り出した世界です。

     

    現実の世界、あなたが今見ている世界は、あなたの脳が作り出した虚像だということです。

     

    コーチング用語で『エフィカシー』という言葉をご存知でしょうか。『エフィカシー』とは、“ゴールを達成する自己能力の自己評価”の事です。やわらかく言うと、自分のゴール達成のための自分自身が持っている自信ということ。そしてこの『エフィカシー』の質もまた、自分の脳が決めています。

     

    自分の世界は自分の脳が決めている『エフィカシー』を強く持っていれば、いつでも最高のパフォーマンスができます。

     

    「顔色をうかがい、上司と部下の間で板挟み……」

    ある日、私のもとへ相談に訪れた男性はKさん33歳。IT系のベンチャー企業に勤めるサラリーマンです。そのKさんの悩みというのは、仕事上での人間関係についてでした。

     

    「仕事は特に問題なく、会社も順調でこのまま行けば出世も安泰だろうと思っています。ただ、やけに人の反応が気になるようになってしまって・・・」

     

    Kさんは上司と部下の間で板挟みに苦しんでいました。評価を下げられないよう上司には気を遣い、部下には迷惑をかけないようにと仕事を振ることができない。

     

    「そうなってくると、仕事の反動でプライベートが荒れてきたんです。毎日のお酒はかかさずで、深酒することが多くなり、一緒に住んでいる彼女にも当たるようになってしまったんです。」

     

    そして、私はKさん自身がいつか燃え尽きてしまい、近いうちに鬱状態になるのではと懸念していました。

     

    本当の意味での「自分に対しての自信」とは?

    コーチ

    “自分のしている仕事”に自信を持っていますか?

     

    Kさん

    「はい、もちろんです」(とすぐに回答)

     

    続けてコーチはこう聞きました。

     

    コーチ

    「では、“仕事を抜きに考えた場合の、自分自身に対しての自信”はありますか?」

     

    Kさん

    「それは、ちょっと考えづらいけど、、そこまで自信はないかもれません……」

     

    上司にも部下にもどちらにも良い顔をしたい、これ自体は悪いことではありません。

    でも、良い顔をするかどうかを決めるのは上司や部下ではなく、ご自身で良いのです。Kさんの場合は、その基準が自分ではなく、上司や部下になってるのではなないでしょうか?

     

    コーチ

    「例えば、もし上司が不機嫌だった場合、Kさんは自分のせいかなと思ったりしませんか?」

     

    Kさん

    「まさにその通りです。話したときに素っ気ない気がして、何かまずいことを言ったのではないかと内心ひやひやします。」

     

    それは、Kさんのせいではなく、もしかすると上司のプライベートな事情…例えば家庭内でのいざこざが原因かもしれませんよね。上司がプライベートな自分事であまり機嫌が良くないときに話しかけられ、すこしだけ雑な対応をしてしまったのかもしれません。その場合はもちろんKさんのせいではありませんよね。

     

    つまりこういうことです。

     

    • 嫌われているとあなたが思えば、それがあなたの創り出したリアリティーのある“あなたの現実”になり、内心ひやひやして話しかけづらくなる。
    • でも実際は、嫌ってなどいなくて、上司が一人でいっぱいいっぱいな状態になっているだけかもしれない

     

    顔色があまり良くない、不機嫌そうだ、そんな反応を全て自分のせいだと思わないようにすることが大事です。部下に対しても同じことが言えます。では、どうすればそんな風に考えられるのでしょうか。

     

    「エフィカシー」を高くすると見えている世界が勝手に変わる

    自分自身に自信を持つことです。『エフィカシー』を高くするとも言います。おさらいすると、『エフィカシー』とはゴール達成のための自分自身に対する自己評価のことでした。具体的な行動に置き換えれば、自己効力感を高めるために、自分自身を肯定して肯定して肯定しまくることです。そこには何の理由も根拠もいりません。とにかく自分自身の評価を高め、そして認めることです。

     

    仕事には自信を持っているはずなのに、ふとした時に「いま上司はどう思っているのだろう……」などと、顔色をうかがってしまう。そのような事をいちいち気にしていたりするのは、まさに自分に対しての自信がないことの裏返しではないでしょうか。

     

    エフィカシーが高く、自分に自信があるのであれば、上司や部下からの評価は気にする必要がありません。自分で高い基準を設定し、その高いパフォーマンスをしていれば会社からは必ず評価されるでしょう。

     

    そうすることで、Kさんが見ている世界は変わってくるはずです。周りが自分のせいで不機嫌に見えている世界と、みんな色々と大変なんだなぁと他人事のように見える世界。他人のことは他人事だというのは、文字通りで当たり前のことですよね。

     

    Kさんは、まだ少し腑に落ちていない表情でしたが、それもKさん自身が自らエフィカシーを高めていかなければ、真に理解したとは言えないことだと思うので、良いことだと捉えます。Kさんとは継続的にお話ししましょうと伝えセッションを終了しました。

     

    そしてセッションを継続して半年後、かつて事あるごとに顔色をうかがっていた上司から、あるプロジェクトのリーダーに抜擢され、いまではそのプロジェクトをどんどん進めていっています。本人は「日々楽しさしかないですよ」と言っていました。その言葉から、Kさんのエフィカシーの高さを確信しました。

     

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。

    Kさんと職場の人間関係について追記しますと、「前向きな嫌われる覚悟」を持つことが必要なのかもしれません。これこそ、自分自身に自信がなければ、自分が正しいと思っていなければできないことです。

     

    でも、自分が自信をもって正しいことをしていれば嫌われたように感じても問題はありません。そもそも嫌われていると感じているのはあなたの妄想ですし、相手にだってその誤解が解ける日はいずれ来ます。Kさんはもっと上を目指しているわけです。

     

    見えている世界は、その人の精神状態で変わるもの。日々変わることだってあるのです。だから自分自身を肯定する能力、エフィカシーが高くないといけません。

     

    あなたは、自分をしっかり肯定していますか?他人の評価を抜きにして自分を評価してあげていますか?上司や部下に嫌われないかという不安に押しつぶされそうになっていませんか?

     

    「エフィカシー」を持つことで、自分の事をきちんと自分自身で評価することが出来ます。それもポジティブな評価です。他人は一切関係ないのです。今あなたが見ている世界はあなたが自由に創っていけるのですから。

    【文責:編集部】

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