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    〜ブリーフシステム〜
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    〜ブリーフシステム〜

    2019/09/30  マネジメント

    「見た目ばかりにこだわり、内容の薄い企画書しか作らない部下に参っている…」

    「真面目な性格を評価され今の仕事を選んだが、なんだか最近マンネリ化しきた気がする…」

     

    そんな悩みを抱えていませんか?もしかしたらそれは、相手や自分の「ブリーフシステム」が影響しているかもしれません。

     

    私たち人間の無意識の行動には、「ブリーフシステム」が強く影響しています。コーチング用語として使われることが多いですが、そのブリーフシステムの意味とはどういうものなのか、紐解きながら解説していきたいと思います。

     

    ブリーフシステムは英語では“Belief System”と表記し、「Belief」は「信念」を意味します。つまりブリーフシステムとは「私はこういう人間だ」という「信念体系」のことです。

     

    私たちにはさまざまなブリーフシステムを持っています。それらはすべて、“過去”から作られたものです。それを意図的に書き換えることで、自然と行動も変わってきます。それもコーチングの手法のひとつになります。

     

     

    コーチングにおけるブリーフシステムの意味

    ブリーフ=“信念”と聞くと、「社会に貢献する」「困っている人がいたら、手を差し伸べる」など、道徳的なあるべき姿を想像されるかと思います。しかし、ブリーフシステムでいう信念は、「自分さえ幸せであればなんでもいい」「差別はあってしかるべき」など、反社会的とも取れる考えも含みます。個人が無意識に信じている固定的な考えは、すべてその人の“信念”なのです。ブリーフシステムでいう信念は、その人の「評価基準」とも言い換えられます。その個人の評価基準であるブリーフをもとに、自分はどういう人間かという自己認識や、行動パターンが無意識に決められていきます。

     

    しかし、信念といっても、その人個人の自由意志で決められたものではありません。その多くは、他人から言われた言葉や、過去の情動記憶(感情を伴った記憶)を反映されたものに過ぎません。つまりブリーフシステムは、親しい人の言動やメディアの情報などの過去の記憶をもとにした、無意識の判断基準ということになります。

     

    コーヒーか紅茶かを選ぶ場合を例にとりましょう。

    幼い頃に大人の飲んでいるコーヒーを味見して、「苦い、おいしくない」と感じると、その経験は情動記憶として残ります。

    親からは「コーヒーを飲むと夜眠れなくなるよ」と言われたり、メディアからは「コーヒーに含まれるカフェインの過剰摂取は、体に良くない」という情報を得ます。

     

    そうすると、コーヒーを飲むことを自然と避けていくようになります。

    「コーヒーは体に悪く、苦いから飲みたくない」というブリーフシステムが出来上がります。コーヒーか紅茶かを聞かれたときに、無意識に紅茶を選ぶことがパターン化されるのです。

     

    そうしてできたブリーフシステムは、脳の理性を司る「前頭前野」にパターン化して蓄積されます。私たちはそのブリーフシステムによる無意識の予測により、行動を選択していきます。

     

    「親から良く注意されているように、自分はものごとが続かない人間だ」「取引先を新規開拓して、上司に地道な努力が認められた」など、マイナスの情動記憶も、プラスの情動記憶もブリーフシステムを形成しています。

     

    自分の意思で選んでいると思っている行動も、実は他人から植え付けられた価値観によって左右されているということです。これが、ブリーフシステムが私たちの行動に深く関わっているという例です。

     

    ブリーフシステムの意味を知り、書き換えることで初めて、「自分の人生」を歩むことが出来る

     

    他人の価値観に影響されたブリーフシステムによって行動している人生は、自分の人生といえるでしょうか?

    他人の価値観に踊らされているままでは、他人の人生を歩んでいると言うのではないでしょうか。

    他人から言われた「自分はこういう人間だ」という価値観により現状に縛られてしまい、ゴール達成の妨げにもなるでしょう。

     

    自分の人生を歩むためには、ブリーフシステムを書き換える必要があります。

    過去の他人から植え付けられたブリーフシステムを書き換えるには、自分軸の価値観を形成することが大切です。

    過去の記憶は一旦すべて切り離して、広く情報を収集して自分なりの価値観を作り上げていく必要があるのです。

     

    ブリーフシステムが書き換えられるとネガティブな悩みがポジティブに受け止められるようになる!

    そのためには、周りやメディアの意見を鵜呑みにせず、抽象度を高くして物事を多面的に見ることがポイントです。

    コーヒーの例で言うと、味覚が変わって今はコーヒーを苦いと感じなくなったかもしれないし、口にするものは多かれ少なかれなんらかの健康被害があるものなので、過剰な摂取をしなければ人体に影響がないという考え方もできます。

     

    このように意識的に情報を吟味することで、無意識の選択から脱し、選択肢を増やすことにつながります。

    情報を吟味し、自分でしっかりと思考する。

    抽象度を高くして視点を広く持ち、反対意見にも耳を傾けながら、自分の軸を作っていくと良いでしょう。

     

    たとえば上記の悩みのひとつを例にとると、「真面目な性格を評価され今の仕事を選んだが、なんだか最近マンネリ化してきた気がする…」という悩みをお持ちの方は、入社時はおそらく当時の固定化されたブリーフシステムに流されるように職業の選択をしたのだと思いますが、最近になって“昔のブリーフシステムが徐々に書き換わってきている証拠”だとも言えます。

    ですので、このような悩みが沸き上がるのは非常に良いことだとポジティブに捉えます。これがコーチングの考え方です。

     

    まとめ

    現状のブリーフシステムに縛られないためにも、いつもと違う選択をあえてしてみることから始めてみましょう。

    最初は難しく考える必要はありません。「いつもは注文しない紅茶を頼んでみる」「いつもと違う部署の人間と話してみる」など、簡単なことからで構いません。

    そうすることとで選択肢の多さに気づき、趣向が変わり、スコトーマが外れていくことが体験できるでしょう。

    そして、新たな自分の価値観によるブリーフシステムにより、心から望むゴール達成に近づくことができるのです。

    【文責:編集部】

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