「最近なんだか自分に自信が持てない…」
「なにをやってもうまくいかない…」
そんな風につぶやいて憂鬱な毎日を送っていませんか?
その原因は実はつぶやき自体にあります。
あなたが日々繰りかえすつぶやきをコーチングでは「セルフトーク」と言います。
それがあなたの毎日、そして人生に大きな影響を与えているのです。
今回は“普段なにげなく使っている言葉がいかに重要か”ということを脳科学の視点からご説明していきたいと思います。
セルフトークとは簡単に言うと「自己対話(心の声・独り言)」のことです。
「おなかが空いた」
とか
「めんどくさいなぁ」
とか
日常的にあたまの中に浮かぶ言葉です。
口に出してしまう場合も、心の中で内省的に発する場合もどちらもセルフトークに含まれます。
無意識に発するセルフトークは内省的なものが圧倒的に多く、自覚のない人も多いかもしれません。
気づかないうちに私たちはとてつもない量のセルフトークをおこなっているのです。
セルフトークはとても強力なもので、その言葉によって映像が想起し、それに伴う過去の記憶、感情といった五感すべての情報が呼び起こされていきます。
たとえば、
新しい仕事を任された時、
「自分には難しい」
というセルフトークをしてしまうと、過去の失敗した時のイメージがあたまに浮かび、緊張したり、不安になってしまうんです。
するとあなたはその仕事を本当に失敗してしまったり、挑戦するのを止めてしまう可能性が高くなります。
逆に
「自分には絶対できる」
というセルフトークが浮かんだとすれば、あなたは前向きに、高いモチベーションでそれに取り組み、結果を出すことができるでしょう。
セルフトークはまさに、人生を左右するとても重要なものなんです。
このセルフトークはあなた自身の自己イメージをつくり出すもとでもあります。
普段、ネガティブなセルフトークばかりしていれば、
あなたは自分自身に自信が持てず、あまり積極的に行動することができない自分になってしまいます。
しかも、厄介なことに、セルフトークは無意識に行われるため、普段は自分がしていることさえ気づきません。そして、それをそのまま放置してしまうと
「なにかうまくいかないなぁ」
と思いながらも、まさにその言葉通りのうまくいかない人生を生きるしかなくなってしまうのです。
でも、安心してください。セルフトークは、実はコントロールし、マネジメントすることが可能です。
自分が望む未来に向かってセルフトークを自分でコントロールすることができれば、効果的に自分の人生を良い方向に変えることもできるのです。
先述したように、セルフトークはほとんどの場合、無意識下で行われています。無意識にやってしまっていることをどうすれば良いのでしょう。
単純な話ですが、セルフトークの存在をしっかりと頭に入れておいて、全てのセルフトークを意識に上げてしまえばいいわけです。
意識に上げるなんて難しいと思われるかもしれませんが、“セルフトークというものを自分が発していることを、覚えておく・忘れないようにする・すぐに思い出す”…これだけで大丈夫です。
これを「セルフトークマネジメント」と呼びます。つまり、セルフトークの内容を自己観察して肯定的なものに置き換えていくのです。
たとえば、私たちが無意識に毎日忘れることなくやっているものに「呼吸」があります。息を吸ったり吐いたり。
その行為を意識に上げることが出来れば、
「30秒かけて吸う。その後、10秒間止めて。そして今度は30秒かけて息を吐き出す」なんていうことが簡単にできますね。
セルフトークも同じです。
自分がどんなセルフトークをしているかに意識をもっていくのです。
そして、もし、ネガティブなセルフトークが出ていたら、
それを置き換えます。
先ほどの例で言えば、
新しい仕事を任された時に、
「自分には難しい」
というセルフトークが出ていることを認識したら、すぐに
「いやいや自分にはできるよ」
というセルフトークに置き換えてしまうんです。
これを繰り返すうちに、
あなたの自己イメージが
「自分はどんなことにもできると思って挑戦する人間だ」
と置き換わっていきます。すると最初から
「自分にはできる」というセルフトークが出るように変われるのです。
無意識に行われることも、
意識に上げればコントロールすることができます。
まずは自分が普段、どんなセルフトークをしているかに意識を向けましょう。
それを確認する、簡単な方法もあります。
不意に突然、他人から褒められた時にあなたが返す言葉は何でしょうか?。
思いがけず他人から褒められた時、あなたはどういう反応をしているか、思い出してみてください。
「いえいえ、そんなことないですよ」と言って素直に喜べないようでしたらネガティブなセルフトークの癖がついているかもしれません。
他にもネガティブなセルフトークにはこんなものがあります。
「どうやったらいいか分からない…」
「失敗しそうだな…」
「そんなこと、自分には出来るはずがない…」
「やっぱり失敗してしまった…」
「あの時、こうすれば良かった…」
あなたはこんなセルフトークを使ってしまっていませんか?
ネガテイブなセルフトークを見つけた場合には、すぐさま肯定的なセルフトーク、ポジティブなセルフトークで上書きしていきます。
たとえば上記の5つのネガティブセルフトークが出てしまいそうになった時、次のように肯定的に上書きすることが出来ます。
「どうやったらいいか分からない…」
→『どうやったらうまくいくだろう?』
「失敗しそうだな…」
→『うまくいく気がするな』
「そんなこと、私には出来るはずがない…」
→『そんなことなら、私にも出来るような気がする』
「やっぱり失敗してしまった…」
→『次はきっとうまくいくはずだ』
「あの時、こうすれば良かった…」
→『あの時、ああしていて良かった』
このように、肯定的なセルフトークにしていきましょう。
否定的なネガティブセルフトークから肯定的なセルフトークに変えることが出来たら、次はセルフトークマネジメントの第二段階です。
今度はよりポジティブに、上手くいった感情をさらに高めるように変えていきます。自分の可能性を確信して自分自身を応援しているようなイメージです。
「どうやったらいいか分からない…」
→『どうやったらうまくいくだろう?』
→【私ならうまく行く方法を見つけられるはずだ!】
「失敗しそうだな…」
→『うまくいく気がするな』
→【私が失敗なんてするはずがない!】
「そんなこと、私には出来るはずがない…」
→『そんなことなら、私にも出来るような気がする』
→【そんな簡単なこと、私には楽勝だ!】
「やっぱり失敗してしまった…」
→『次はきっとうまくいくはずだ』
→【失敗するなんて、私らしくない!何かの間違いだ!】
「あの時、こうすれば良かった…」
『あの時、ああしていて良かった』
→【あの時の選択もベストだったな。次の私の選択もベストに違いない!】
このように、よりポジティブに変えていきましょう。これだけで、あなたのマインド(脳と心)はガラリと変わります。
性格、自己評価、自尊心、自己肯定感などにも多大な影響を及ぼすのがセルフトークです。
「私はダメだ」というセルフトークを繰り返せば、その通りの自己イメージになりますし、「私はすごい」というセルフトークをし続ければ、本当にすごい人になります。
自己評価が自己イメージをつくっています。セルフトークがあなたの自己イメージを形成しているのです。つまり、セルフトークがあなた自身を作っているといえるのです。セルフトークを変えると、それだけで自然と性格も行動も何もかも変わってしまいます。
あなたのセルフトークから、自分自身や他人に対する過小評価、皮肉、嫌み、嫉妬などのネガティブな言葉を全て排除するようにしましょう。
自分と他人を問わず、良いところを見つけて褒めるようにしましょう。
脳の特性上、潜在意識は自他の区別がつきません。
他人に対しての悪口も自分に言っていると同じことになります。
ですので、自分に対しても他人に対しても常にポジティブな側面を見つけ褒めていきましょう。
人は自己イメージ通りの行動をします。ポジティブなセルフトークによってポジティブな自己イメージを構築すれば、あなたの考え方や行動がポジティブに変わっていきます。
自信が出てくるので、より大きな目標を設定するようになりますし、達成するために行動をどんどん起こしていけるようになります。
その結果、自分でも驚くような未来を実現することができるのです。
自分のセルフトークを注意深く観察してみましょう。あなたは普段、自分にどのように語りかけていいますか?それを変えることが変化を生み出す第一歩です。
パフォーマンス・エンハンスメント・コーチング認定コーチ
2happiness代表
町田コーチングスクール主宰
プロコーチチーム「レ・アーリ」代表
コーポレートコーチングチーム「FUTICE COACHING」 代表
社会福祉法人の経理、経営管理として部門別採算制度の導入を主導し、数値の見える化、部門ごとの目標設定サポートなどを通して、1年で赤字2,000万円の事業所を6,000万円の黒字に変える。また、社会福祉法人における会計士監査制度導入への対応など、財務、経営管理の分野で豊富な実務経験を持つ。
他方、コーチとしても就労困難な方の一般就労や社会不安障害の方の社会復帰を実現するなど、過去ではなく未来にフォーカスするコーチングで多くの方の夢の実現をサポートしている。コーポレートコーチングの社内での実践経験も豊富で企業研修や、コーチングセミナー、コーチ向けの勉強会など様々な場所で講師としても活躍している。