世の中には色んな趣味を持つ人がいるものです。その中には「女装趣味」なんていうものも。
学生、サラリーマン……さまざまな男性がそんな趣味の持ち主ですが、意外に多いのが「経営者」、そう「社長さん」だとも言われています。
一度ハマると病みつきになるという意見もよく聞きますが、一体どんな魅力があって女装しているのでしょうか。
年商1億円を超える経営者が女装メイクを身をもって体験する「女装メイクマーケティング・セミナー」というものがあります。
これは女性客をターゲットとしている経営者が「お客様になる」ことで、マーケッターとして本当の意味でお客様の心を知ることができるというもの。
女装をすることで女性の目線を体験し、マーケティングに活かすことを目的としています。
セミナーがスタートすると同時に、受講者はプロにベースメイクを施してもらいます。
講義ではベースメイクをしたまま、女装のファッション化など、女装を切り口にしたビジネスの拡大について、LGBT市場の大きさなどを学びます。
講義の後には、受講者それぞれに化粧品が入ったポーチが渡され、メイクの実技を開始します。
女装メイクの第一人者である講師の指導により、受講者はつけまつげやアイライン、アイシャドウ、アイブロウに口紅に至るまで次々とメイクします。
メイクが仕上がった後、ウィッグを選んでブラシでヘアセットし、ワンピースを着て変身は完成です。
「女装卒業撮影会」として、各々女性らしいポーズをして撮影をしセミナーは終了します。
参加者たちからは、
「女性の立場になって考えさせられることが多く、ビジネスにおいて相手の立場と言う本当の意味がわかりました。また今までにない事を学べてビジネスのアイデアも湧きました」
「女性のメイクや髪型、ネイル等の普段との違いや変化に気遣い、やさしい言葉をかけようと思います。彼女との関係がギクシャクしている人や夫婦関係が上手くいってない人も参加されると、女性の気持ちがわかり、今より良い関係が築けると思います」
「最初はネタとしてセミナーに参加しましたが、やってみたら意外とできるものだと思いました。女装は女心を分かるには欠かせません」
などと、女装をして初めてわかった女性の視点に驚きと感激の声が上がっています。
セミナー主催者は、
“キレイ”に敏感であり、認められたいと思っているのが女心
とし、「今日のリップ素敵だね」などとひと声かけることで仕事やプライベートの人間関係が良好になり、モテるようにもなると受講生にアドバイスしました。
乙女心を知るには、まず実践。女装によって相手を知る事は仕事やプライベートの人間関係にも良い影響を与えるでしょう。
今まで女装に縁がなかった人は、女装教室や女装サロンはどのような人が通っているのか疑問に思う事でしょう。
女装サロンはもともと、企業経営者や市場などの社会的地位のある人々が、日々のストレスを発散したり、自分を解放する一つの手段として密かに広まったとされています。
社会的地位も名誉もあり、金銭的な余裕もあるけれど、その地位や名誉があるがゆえに周りの期待に応えようとして、自分自身を抑え込み、ストレスを感じている。
そのような責任感が強く真面目な性格の人が、息抜きとして女装を楽しむ事が多いのです。
そして、女装をする事により見られている意識が高まり、オーラが出てエネルギッシュに若々しくもなれるという人もいます。
普段のビジネスシーンでも見られている意識がある事により、お客様や取引先に良い印象を与える事ができるでしょう。
見られている意識は、女装をするとすぐに味わう事ができます。
また、女性という違うジェンダーを実体験する事により、女性の気持ちがわかって女性に優しくなれるだけでなく、顧客ターゲット層の気持ちの理解にもつながります。
つまり、さまざまなビジネスチャンスに出会えるという副産物があるのです。
「化粧の面倒臭さから、一体型の化粧品を出せば売れるのではないか?」
「靴が男性ものよりも女性ものの方が相対的に安いので、男性にももっと安くておしゃれなファストシューズがあってもいいのではないか?」
女装を通じて、さまざまな気づきを得ることができます。
女装を経験してないと普段は見落としがちな些細なところに、顧客満足向上の
ヒントやビジネスチャンスが隠れているのです。
以上、女装という少しナイーブなお話でしたが、女装を楽しむことは様々なメリットがあります。
普段では気づかなかった女性の気持ちに気づいて社員や家族に優しくなれる。
普段の自分とは違った視点を持てることで、ビジネスアイデアにも発展します。
女装とは「新しい自分に出会うためのもの」。
そして「ビジネスの学びを得るためのもの」とも言えますね。
【文責:編集部】