20代~50代の働き手世代の人たちは毎月高い年金を払っていても、将来もらえる年金は現在受給されている年金額より低くなります。退職金も支払われる金額が年々下がっているので、あまりあてにはできません。
将来のためのお金は、自分でしっかり貯めて備えることが必要です。老後資金をつくるには、ムダを見直して節約し、お金を効率よく運用するようにしましょう。
老後資金を貯めるために始めるムダの見直しとして、いま加入している保険の見直しからしましょう。加入後に保障が一定内容で変わらない保険は、年代の変化に合わせて見直す方がいいのです。
20代は収入が少ないので医療保険のみに加入し保険料を最低限に抑えると、その分だけ貯蓄に回すお金が貯まります。
結婚や出産で家族が増える30代~40代は、万が一に備えて死亡時にお金が支払われる保険に入るようになります。医療保険にオプションで死亡保障サービスをつけられるタイプがあるので、その保険に加入した方が保険料もお手頃です。
この世代はがん罹患率も高いので、がん保険の加入を検討する人が増えます。医療保険のオプションでがん保障もつけられますが、治療に支払われるお金が手厚いがん保険への加入をおすすめします。
一つの保険に色々オプションをつけるより、必要最低限の保障がある医療保険に死亡保障のオプションのみつけ、がん保険は安いので別に入っておくと総合に保険料が安くなる場合があります。
50代は子どもが独立しはじめるので、死亡保障時のお金について減額を検討しましょう。死亡保障のお金を途中で減額すると、毎月の保険料が安くなります。子どものために備えとしてかけていた保険は、子どもが独立するタイミングで契約内容の変更や解約を考えるのがいいです。
ふるさと納税は自分の選んだ自治体に寄付すると、その土地の特産品をもらえます。ふるさと納税のメリットはそれだけでなく、その年の所得税での還付と来年の住民税の控除が受けられます。控除は自己負担が2,000円を超えた部分からです。ふるさと納税は節税にとても効果的と言えます。
ふるさと納税をすると約2ヵ月後に、寄付した自治体から寄付証明書が発行されます。個人住民税の確定申告期間である2月~3月の間に、確定申告に行き寄付証明書を提出しましょう。ふるさと納税をしても、寄付証明書がなければ還付と控除が受けられません。
ワンストップ特例制度というものがあり、この制度に申し込んでおくと確定申告不要になります。ワンストップ特例制度は、寄付した自治体が5自治体までなら利用できます。
申込方法はワンストップ特例制度の申請用紙をもらい、必要事項を書いたら本人確認できる書類を一緒に封筒に入れます。翌年の1月10日必着で用意したものを、寄付した自治体へ送ります。申込書類は寄付した自治体がそれぞれ違えば、その自治体ごとへの郵送です。同じ自治体に複数回寄付している場合は、封筒に申請書類を全部まとめて郵送できます。
ふるさと納税は節税により老後資金が貯めやすくなるだけでなく、2,000円の自己負担金で高級な特産品をもらえるチャンスがあるのでお得な方法です。
お金を借りると返済額に、利息がつきます。住宅ローンがある人は毎月の利息が安くなく、悩むことがあるでしょう。老後資金を貯めるためにするムダの見直しとして、ローンの利息は軽減するべきです。住宅ローンの利息を少なくするには、借り換えの検討をしてください。
いま払っている住宅ローンの金利より低いローンに換えると、その分だけ支払う利息が抑えられます。住宅ローンの借り換えには費用がかかるので、借り換え後の金利差額が1%
以上ないとメリットがないと前までは言われていました。でも費用が高くない銀行が最近はありますので、費用の安い銀行にすれば住宅ローンの借り換えが有利になります。
住宅ローンを、たとえば金利差0.3%で借り換えたとします。0.3%利息が下がったことで毎月の返済額も4,000~5,000円ほど安くなり、借入期間が20年以上あると総額で100万円以上の節約ができます。借り換えの費用が70万円~80万円として費用分を引いても、20万円~30万円はお得になるのでデメリットになりません。
住宅ローンの借り換えによる節約は毎月の金額で見ると、少なく感じるかもしれません。少額でも、何年も貯蓄していけば大きな金額になります。老後資金のお金づくりの一環として、借り換えを考えてみましょう。
老後資金のお金づくりにはただ貯める方法より、お金を投資で増やす方法も有効です。投資は対外証券投資・外貨預金、投資信託・株式などがあります。
どのような投資を選ぶにしても老後資金となるお金を長期的投資で増やすには、リバランスをとることになります。
リバランスとは所有するリスク資産と無リスク資産の割合50%のバランスが崩れた時に、元のバランスに戻す作業を指しています。リスク資産は価格変動リスクがあるものであり、無リスク資産は元本保証のある安全なものです。
リスク資産の価値が値上がりしたとして利益が出ると思いますが、リスクのある資産の割合が増えることになるのでリスクを抱えることになってしまいます。
長期的投資はリスク資産と非リスク資産の割合を50%でバランスよく保ち続けることが、お金を増やすために一番適している方法です。
老後資金を確実に作るには投資のリバランスをとりましょう。
リスク資産が減ったら無リスク資産の一部をリスク資産に回し、50%のバランス調整をしてください。リバランスができていれば、投資リスクを抑えて老後資金も増えていきます。
親からの遺産相続分を老後資金にしようと考える人もいますが、親の財産はあてにしないようにしましょう。老後資金を貯めるのにネックとなるのが、実は親の存在になります。親が一見リッチな生活をしていても、働いていた時と同じ感覚で暮らし年金暮らしの生活設計ができていない場合があります。
老後の生活破綻は年金中心の生活設計を考えられていないことが多く、資金がなくなり困窮する傾向にあります。親が自分たち経済力で生活できなくなれば、自分が援助することになりかねません。親が年金と貯蓄内で赤字になることなく生活できているか、親の経済力をチェックすることは大切です。
もし親が老後の生活設計をできていないなら改善させ、いまある経済力で暮らせるようにします。親には自分たちのお金で暮らせるようにしてもらい、子どもに経済的負担がかからないようにしてもらってください。
親については介護も必要になるかもしれないので、事前に介護の公的支援を知っておきましょう。介護サービスは公的支援が受けられるものがあるので、支援内容を知っておくと利用時の費用を抑えられます。
親の経済力と介護について知り対策しておくと、自分の老後資金をしっかり貯められます。
このように、一つ一つ無駄を見直していくことでお金を効率よく運用できるようになります。ぜひ、この機会に見直しをし、将来に備えましょう!
【文責:編集部】