『「超富裕層」人口増加率ナンバー1! ベトナムの可能性』に続き、今回は現ベトナム・ホーチミンの人々の「生活習慣」をご紹介します。エネルギッシュでパワフル、そんな現地の人々が「お買い物」の傾向とは?
先週までホーチミンに出張していました。
ホーチミンは道を走るバイクの数がものすごいことで有名。朝からすごい数のバイクがひっきりなしに走っています。
そして夜になると、その数倍のバイクが街に溢れ出します。2人乗りのバイクに3人乗り、4人乗りは当たり前。中には乳飲み子を抱っこして移動する強者の母親まで。流石にアメリカ軍に勝利した国の人たちの根性は座っているなと変なところに感心したものです。
このバイクの一団は、暑さを避けるために、目的もなく移動しているのだということ。家族や友人と連れ立って、ただただひたすらバイクで走り回っているわけです。
「暑いからバイクで街へ出て涼む」……このエネルギーが何ともベトナムらしいところ。ベトナム人は本当にパワフルだ。
現地の日本人経営者が教えてくれことですが、多くのベトナム人が「明日は絶対に成長できる」と信じているといいます。彼らは日本人が失ってしまった夢を持っている。このエネルギーを感じるたびに、筆者はどんどんベトナムのファンになっていくわけです。
今回、現地の買い物客の動きで一つ気づいたことがあります。
6月のベトナムはやはり暑く、現地の人々は「昼間にはあまり買い物に出かけない」ということ。
ホーチミン市の中の数少ない高層ビルのサイゴン・センターに「高島屋」がテナントとして入居しています。今回、滞在中に計4回ここを訪問し、買い物客の動向を検証することにしました。
チェックしたのは、土曜日の朝、夕方、日曜日の昼、そして夜。
「現地の人は高島屋で涼むために集まる。だから日曜日の昼が一番混んでいる」と予測し、定点観測。
その結果は……予想とは異なり、日曜日の「夜」が最も買い物客でにぎわっていたのでした。
なぜ、夜が混んでいるのか? 理由は簡単。ホーチミンの人は、昼はあまりに暑すぎて、「涼しい場所」に移動することすらためらうらしい。エアコンのないバイクでの移動は昼よりも夜の方が良いというのが、現地の人たちの考え方なのです。
だから、朝昼の店舗が空いているからといって、決して景気が悪いわけではないのです。夜の買い物客の動きを把握しないとホーチミンでは意味がないということを学びました。
高島屋はさすがに他の店舗とは異なり、清潔感があります。海外の有名ブランドだけでなく、日本ブランドのショップが数多く出店し、まるで日本のデパートを歩いているよう。ホーチミンにいるのを忘れてしまう感じです。
地下は日本のデパートの食品売り場に近く、イートインのコーナーが充実。まさに「デパ地下」がホーチミンで再現されているわけです。回転すしやラーメン、マクドナルドなどが出店し、ロイズや風月堂、ユーハイム、山崎パンなどもあり、日本のデパ地下の今をホーチミンで体験できるようになっています。
人気は北海道の食材やデザート。行列ができていたのが印象的でした。アジアはどこも「北海道ブランド」が幅を利かしているようですね。
1階は化粧品やブランド売り場、2階、3階がファッション中心の売り場で、スタバやPaulなどのカフェも入居。上のフロアはレストランフロアになっていて、餃子、ラーメン、ピザ、ステーキを楽しめます。
特に「大江戸横丁」というコーナーが現地の人に人気になっていて、ぼてぢゅう、東京純豆腐、たもや、ラーメンばんからなど、日本人におなじみの店が並びます。
皆、楽しそうに会話をしながらの食事。スマホを見るのではなく、家族や友人と楽しい晩御飯を食べているベトナム人がなんだか羨ましくもありました。ホーチミンには日本人が失った何かがあるのだ。
夜街を歩いていると、多くのベトナム人が楽しそうに団欒している。発展する都市の中に昭和の懐かしさが混在しているのが、ホーチミンの魅力なのだ!
複数の広告会社でコミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、取締役や顧問として活躍中。インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO/Iot、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役/みらいチャレンジ ファウンダー他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数。
サードプレイス・ラボのアドバイザーとして勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。
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