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日本人が考案したKJ法とは?

日本人が考案したKJ法とは?

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プレーン・ストーミングの最大のメリットは、様々なアイディアを自由に持ち寄ることで、良いアイディアがいくつも出る可能性がある点です。とはいえ、多くのアイディアが出てもそれをしっかりと記録しておかなければ意味がありません。記録の残し方にも様々な方法があるのですが、中でも有名な「KJ法」は、日本人が考案したものなのです。

KJ法とは?

KJ法とは、川喜多二郎氏によって考案されました。すでにピンときた方がいるかもしれませんが、KJとは川喜多二郎氏のイニシャルです。川喜多二郎氏は文化人類学者で、野外で調査を行うことが多く、そこでの記録方法がKJ法のはじまりといわれています。出されたアイディアをしっかりと記憶し、言葉だけで終わらせない、独特の記憶方法です。

まず、とにかくアイディアはすべてメモにします。さらに、会議が終わった後に、このメモをすべて分類していくのです。グルーピングすることによって、似たような意見をある程度まとめて可視化できるようにしていきます。これによって、出されたアイディアの目的等を明確にできるメリットがあります。

会議の場で様々な意見が出ることはとても素晴らしいことですが、同時にきちんと記録していかなければ、有効活用は望めません。後から思い出すと、会議の時に出た言葉とはニュアンスが変わってしまうことも多々あるため、できるだけその場で正確に記録することが重要です。

KJ法ではメモ1枚につき、アイディアは1つとしています。1つの中にいろいろなことを書いてしまうと、メモの管理が面倒になるからです。1つのメモに1つのアイディアであれば、そのアイディアがどのような視点や切り口なのかを客観的に理解することが容易になります。また、グルーピングすることによって、アイディアそのものを覚えやすくなり、効果の近いもの同士であればまとめることもできるでしょう。自由自在に応用できる。これもKJ法の魅力のひとつです。

KJ法によって見えてくるもの

KJ法を用いることによって、私たちは出てきたアイディアを立体的に考えることができます。「立体的」とは、どの部分がどのアイディアに似ているのかを明確に把握できるという意味です。これらをきちんと把握することによって、いざ結果を求めて考察するときには、逆の視点からのアイディアも検討できることができるようになります。

会議の目的はアイディアを出しつつ、さらには良い考えを会社全体で意思統一していくことです。良いアイディアが出てもしっかりと整理されていないと、そのアイディアの視点と提案者の立ち位置を見失いがちです。他にできることはないか、競合しているアイディアはないのか。それらは頭の中だけで考え、覚えようと思っても、現実的にはとても難しいのです。

KJ法であれば、情報を多角的かつ立体的に把握できるため、他の意見との比較もスムーズに行いやすい点が挙げられます。さらに会議全体で共有することで、自分だけではなく、全員がこれらのアイディアを提案する側としての客観的な立ち位置が分かるのです。

頭の中だけで考えるよりも、実際にメモが残れば、時間がたってもイメージは掴みやすいはずです。グルーピングなどで可視化することによって会議参加者全員の意思の疎通も図りやすくなります。またその会議では採用することができなかったとしても、別の機会に脚光を浴びる可能性もあります。逆に残し方の手法を知らなかったり間違えたりすると、アイディアは永遠に残りません。

中には他で活用すれば大きな効果が期待できるような内容のものもあるかもしれません。ですが誰も覚えていなければ、次の会議の時には消え去ってしまうだけです。ですがKJ法であれば、メモのおかげで誰かが気付けますし、その場で再度共有されることが可能です。これならば、ひとつのアイディアに何度もチャンスがめぐってくるわけです。このように、KJ法は会議を円滑にするだけではなく、アイディアという「財産」を管理するための有効な手法でもあるのです。

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