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  • 悪徳ブローカーを成立させている人は被害者?加担者?
  • 悪徳ブローカーを成立させている人は被害者?加担者?

    2019/05/27  マネー

    『投資リテラシーの低い日本人は良いカモ? 』記事では、海外でも日本国内でも増殖中の悪徳ブローカーについて書きました。そのような「自称プロ」「なんちゃってコンサル」「悪徳先輩大家」という仕事を成り立たせているのは一体だれでしょうか? 

     

     

    被害者がいるから悪徳ブローカーは仕事を続けられる

    「そんな投資詐欺話に、自分が引っかかるわけがない」

     

    多くの方はそういうでしょう。私もそう思っていたかもしれませんが、見事に引っかかってしまいました。「海外では、日本人が日本人を騙す」と頭ではわかっていながら、騙されてしまったわけです。厳密には、最初から仕組まれていた意図的な詐欺というよりは、事業の資金繰りが厳しくなったことで結果的には詐欺になってしまったというケースですが、投資したお金が返ってこないことには変わりありません。それに、結果的詐欺を詐欺罪として立証するのはほぼ不可能でしょう。特に恨みもないのですが、悔しさはありますし、信用してしまった自分や、そんな人を引き寄せてしまった自分には反省します。くよくよしても仕方がないので、さっさと前を向くだけですが。

    悪徳ブローカーが業として成立するのは、私のようなカモが多くいるからです。「詐欺被害に遭った被害者」というのは、見方を変えれば「詐欺を成立させている加担者」でもあります。

     

    きちんとしたルートを作ることが大切

    経営資源は、「ヒト・モノ・カネ・情報」とよくいいますが、ヒトを連れてくるのもヒト。モノを発明したり作り出すのもヒト。お金を集めるのも稼ぐのもヒト。情報を持ってくるのもヒトです。ヒトの目利きが、ある意味ではすべてといえるかもしれません。投資情報を持ってくるのも、やはりヒトです。

    投資は「投資したらあとはほったらかし」と思われがちですし、それができるのが理想なのですが、実際はそう簡単にはいきません。投資情報を持ってきてくれた人が本当に信用できるのか、何度も会うことも大切でしょうし、情報の裏を取るために足を運ぶことも大切でしょう。また、海外であれば日本人以外のルートからも情報を得ることも極めて大切です。

    私は、インドネシアのバリ島で不動産開発をしていますが、地主さんとも仲介者を挟まずにほとんどの場合は直で交渉を進めます。通訳はお願いしますし、紹介者がいる場合もありますが、極力避けます。また、建設会社や職人さんとも直接のやり取りです。その方が、話が速くスムーズだからです。もちろん、時には仲介者の存在も極めて重要です。良い仲介者の方であれば、仲介者を無下にするような失礼なことはしませんし、相談したいことがあれば積極的にやり取りもします。要は、信頼関係のあるルートを作れるかどうかがカギです。

    私たちの実績はまだアパート一棟だけですので、実績らしい実績ではありません。友人のなかには、「いやいや立派な実績だ」と言ってくださる方もいますが、まだまだだと思います。「自分も投資したい」という声もときどきいただくのですが、すべてガラス張りでお見せした上で「一緒にリスクを取って共同プロジェクトのような認識でやってくださるなら」というお話をしています。人をそそのかすよりは、真面目に事業をした方がよっぽどラクですし長続きすると思います。常連さんを増やす方が有意義ですよね。

     

    お金を使うべきポイントでは惜しまない

    「調査にはお金をかけたくない」という日本人や日本企業の方は案外多いのですが、情報はタダではありません。ネットで調べられるタダの情報の質はたかが知れていますし、数千円の本で得られる情報もたかが知れています。お金持ちや億万長者になるためのハウツー本は世に溢れていますが、数千円の本一冊でお金持ちになれるのならすでにみんなお金持ちでしょう。

    お金持ちの多くは、お金を大事なポイントで惜しまず使い、プロを使って情報を得ます。そして、投資先との面談まで進めば、その場でやるかやらないかを決める人が多いです。「持ち帰って1か月検討します」というようなことはほとんどなく、面談の前にはお金をかけて下調べをすでに行っています。前さばきをしたうえで面談に臨んでいますから、あとは確認と意思決定だけです。なかには、現金を持ってきてその場で決済することもあります。このスピード感は、なかなか真似できないですね。その背景には、「話だけ聞いてなにもしないのは、相手に失礼。相手の時間を奪うことは、相手のお金を奪うことと同じ」という考え方があるようです。時間は大切な資産ですから、考えてみれば当たり前のことですよね。時間コストへの意識の高さや相手への敬意には、とても驚かされます。

    この記事を書いた人の情報
    nakajima
    中島 宏明(なかじま ひろあき)

    2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。

    2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

    マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
    https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency


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