高血圧にはさまざまな病気のリスクが潜んでいるといわれています。自覚症状がない分、数値は気になってもついうっかり放置してしまう…ということもあるかもしれません。血圧の上昇が気になったら、あるいは高血圧と診断されたら、どのようにすればいいのでしょうか。
人間の血圧は、急な運動、気温の低下、体調不良や緊張などが原因で上昇することがあります。そのような一時的なものではなく、血圧が慢性的に高い状態のままでいるのは危険です。高血圧が続くと、圧力によって血管の壁が傷ついたり、圧力に抵抗するために血管の壁が固くなり動脈硬化を引き起こしたりします。さらに、血管の壁が厚くなることでさらに血圧が上昇するという悪循環を招きます。
脳の血管がもろくなると、やがて破れて脳出血を起こすことも考えられます。動脈硬化によって血管が詰まりやすくなると、脳梗塞を起こす危険性もあります。高血圧が続くと全身に血液を送るポンプ機能の役割を持つ心臓にも負担がかかるため、心肥大をはじめとする心疾患を引き起こすこともあります。高血圧を放置するのは禁物なのです。
ラーメンや濃い味噌汁が好き、という人は要注意。塩分を摂りすぎると血中のナトリウム濃度を調整するために血液の水分量が増え、血液量が増加。血圧も上昇します。
家族に血圧が高い人がいる場合、自分も血圧が上がりやすい体質かもしれません。
お酒を飲み過ぎてしまうと高血圧になりやすいといわれています。また、塩分の高い漬物や塩辛などのおつまみを食べ過ぎるのもNGです。
煙草を吸うと血管が収縮し、血圧が上昇します。血管に負担がかかることで動脈硬化を招き、脳卒中や心筋梗塞などのリスクも高くなります。
心理的なストレスを受けると交感神経が優位になり、血管が収縮。それによって血圧が上昇します。真面目でストレスをためこみがちな人は注意しましょう。
肥満の人は食べる量が多く、そのため塩分も摂りすぎる傾向にあります。また、血糖値が高いと血液の浸透圧が上昇。血液中の水分が増えることで血液量が増え、血圧も上昇します。
※高血圧と腎臓病の関係についてはこちらの記事をご参照ください。
ラーメン、うどんなどの塩分の多い食べ物は控えましょう。料理の味付けを薄味にする、調味料を減塩タイプのものにするなどの工夫も必要です。インスタント食品や加工食品、スナック菓子などに含まれる塩分も要注意です。塩分を排出するカリウムを多く含むホウレン草やバナナなどの野菜や果物を摂るのもいいでしょう。ただし、腎臓病の人はカリウムを摂りすぎると高カリウム血症を招くおそれがありますので注意してください。
ジョギングや水泳などの運動を心がけましょう。1日30分以上の運動を継続的におこなうのがいいとされています。激しい運動はかえって血圧を上昇させることがあります。持病が気になる、いきなり運動を始めるのが怖い、という場合は医師と相談の上おこなってください。
十分な睡眠をとり、疲れやストレスを軽減しましょう。1日あたりの飲酒量も決めておき、深酒しないようにしてください。煙草をたくさん吸う人も、本数を減らす、きっぱりやめるなどの対策が必要です。
血圧を意識して健康的な生活を心がけ、病気を未然に防ぎましょう。
【文責:編集部】