「スモールM&A」という言葉が徐々に普及しつつあります。『社長なら必ず知っておきたい「スモールM&A」という選択肢』の記事でお伝えしたように、かつては大企業だけのものと考えられていたM&Aが、中小企業にとっても身近な存在になってきました。しかし、まだまだスモールM&Aアドバイザー(ソーシングマネージャー)やアフターM&Aを支える人材が不足しています。
[TOC]『CXO(Cクラス)人材のなかで重要度が増す新たなCMO(Chief M&A Officer)』の記事でご紹介したとおり、M&A案件はCFOが対応することがほとんどです。しかし、財務の最高責任者であるCFOが、M&A案件を進めるうえでプロジェクトマネージャーとして最適な人選であるとは限りません。
買い手企業として、対象企業の財務状況を正しく把握するうえでCFOが財務分析等を担当するのは良いと思いますが、M&A後のアフターM&Aを成功させることができるかどうかは、財務よりも戦略や戦術が重要になってくるからです。
買い手企業であれば、M&A後も会社経営は続くわけですから、「M&Aが成功して、売上が増えた」「売上が増えて、株価も上がった」で満足、というわけにはいきません。買収後に、どのように既存事業とのシナジーを図るか、どのような戦略で展開していくのか、広報はどうするのか、さらに業績を伸ばすためにどう戦うのか、などのマーケティングが必要になります。
『スモールM&Aでもっとも重要かつ稼げるポジション ―それはスモールM&Aソーシングマネージャー』でご紹介したような、スモールM&Aアドバイザー(ソーシングマネージャー)を目指すことも良いのですが、アフターM&Aにまで関わることができれば、買い手企業からも重宝されるようになるはずです。
買い手企業になりやすい大手企業や中堅企業でも、CXO(Cクラス)人材は不足しています。M&A案件に関われば、人柄や能力は買い手企業にも売り手企業にも伝わるはずです。前述のように、買い手企業であれば、M&A後も会社の業績を伸ばしていく必要があります。そんなときに、マーケティングのノウハウに明るい人が目の前にいたらどうでしょうか。
「うちの仕事を手伝ってくれないか? 」と声がかかるかもしれません。社外取締役をお願いされる可能性もありますよね。
わかりやすい例として、今回はマーケティングを取り上げましたが、CXO(Cクラス)人材のニーズは幅広くあります。例えば、『CXO(Cクラス)人材のなかでも特に必要とされるCHRO&CHOとは』の記事で取り上げた人材採用や人材育成、人材定着に関するCXO(Cクラス)人材もニーズが高いでしょう。
マーケティングや人事の領域に限らず、ご自身が今持っているスキルとM&Aを掛け算することで、独自のCXO(Cクラス)人材を目指すこともできるはずです。アイディアやひらめき次第ですし、もっとも重要なのは「相手にどんな貢献ができるか、ひたすら考え抜くこと」です。そして、それを実行し実現することが大切ですね。
2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。
2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency
|