会社を売ったり買ったりした話は、少しずつですが中小企業社長たちの間でも身近な話題になってきているようです。「あ~、つい最近もそんな話をしたよ」という方は、スモールM&Aアドバイザーになれるかもしれません。売り情報は、案外身近なところにあるからです。
私はM&Aアドバイザーの名刺を持っているわけではありませんし、M&Aアドバイザーを名乗っているわけでもありません。しかし、ときどきM&Aの相談を受けます。そのほとんどは、雑談から生じています。
先日も、就労継続支援A型という事業の売り相談がありました。
就労継続支援A型とは、障害や難病のある方が、雇用契約を結んだ上で一定の支援がある職場で働くことができる福祉サービスのことです。
「SDGsを知って、地域の未来を素晴らしものに! 『持続可能な地域のつくり方――未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン』 (筧裕介著 英治出版)」の記事でご紹介した「持続可能な開発目標(SDGs)」のなかで、
・貧困をなくそう No poverty
・すべての人に健康と福祉を Good health and well-being
・働きがいも経済成長も Decent work and economic growth
・人や国の不平等をなくそう Reduced inequalities
などに関係する福祉サービスともいえるでしょう。近年注目されている事業のひとつですね。
この経営者の友人とはまだ1~2年ほどのお付き合いで、彼が就労継続支援A型の事業をしていると知ったのはつい最近のことです。多角化経営をしているので、就労継続支援A型の事業をしていることすら知りませんでした。
就労継続支援A型とは全く関係のない別事業の話をしているとき、彼が「実は就労継続支援A型という事業もしている。正直、あまり力は入れてないですけど」という話をしていました。そのときは、特に就労継続支援A型の話になったわけではなく、その一言だけで就労継続支援A型の話は終わりました。
また別の日に、その友人と話していると「事業の選択と集中」の話になりました。多角経営をしている人ですから、「どの事業を伸ばしていくか」という話題になったわけです。
そのとき、ふと就労継続支援A型のことを思い出しました。そこで「あまり力を入れていないと言っていたけど、続けるモチベーションがないなら売ったらどうか」と提案してみたところ、「ぜひ売れるなら売りたい」となったというのが経緯です。
相手がポロっといった一言を聞き流さないこと。
これが、案外スモールM&Aアドバイザーには大切なスキルなのかもしれませんね。あとは、「売ってみてはどうか」と言える思い切りの良さでしょうか。
私自身も経営者でしたが、経営者の周りには経営者がたくさんいるはずです。経営で悩んでいるご友人も、身近に多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな友人の話に耳を傾け、友人の悩みを解消する方法としてスモールM&Aを提案できれば、経営者であるあなたもスモールM&Aアドバイザーになれるかもしれません。
『スモールM&Aでもっとも重要かつ稼げるポジション ―それはスモールM&Aソーシングマネージャー』の記事でお伝えしたように、優良な案件を発掘ができるスモールM&Aアドバイザー(スモールM&Aソーシングマネージャー)が不足しています。
なにも専業のスモールM&Aアドバイザーになる必要はありませんから、副業・複業として取り組んでみても良いかもしれませんね。
2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。
2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency
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