企業が利益を上げるためには、営業がその力を発揮しなければなりません。もちろん、商品やサービスの企画や開発、製造などの作業があってこその営業活動ですが、いくら良い商品やサービスが出来上がったとしても、その販路を開拓するための営業活動が行われない、あるいは存分に力を発揮し結果が出せないとなれば、企業が利益を獲得することはできないのです。
営業活動の鍵を握るポイントは、どこにあるのでしょうか。これを知らなければ、営業に携わる者はその力を存分に発揮することができず、そして、自社に利益をもたらすこともできないままでしょう。
一度基本に立ち返り、営業活動とは何なのか、これを知ることこそが、商品やサービスを社会に広く認知させ、延いては企業へと利益をもたらすことに繋がるでしょう。
「営業活動」とは何かを知る
非常に基本的なことですが、営業活動とは何か、これを整理しておく必要があるでしょう。
上でも示したように、営業活動とは自社で企画・開発等された商品やサービスを実際に売り上げるための活動のこと。いわば、売り上げや企業の利益に直結する働きのことです。ただ必死に営業活動をすること、これ自体は当然のことであり、これのみを営業活動と言う訳ではないという意識を持っておくべきでしょう。
つまり、必死に営業活動を行っても商品やサービスが売れなければそれは全く意味がなく、商品やサービスが売れて初めて営業活動が行われたと考えるべきなのです。
また、できるだけ効率よく、そして大量に販売することも営業活動には必要な要素となってきます。そのためにはこの活動そのものを管理する必要があり、特に自社の営業マンを統括する立場に位置するリーダーは、この管理能力を身につけておかなければいけません。
リーダーは、必ずしも自ら営業活動を行うわけではないでしょう。部下とともに走り回るリーダーもいるかもしれませんが、いずれにしても、部下の営業活動をどのようにマネジメントしていくか、これがリーダーに求められている点です。
商品やサービスの売れ行きが良くない、部下が結果を出してこない、それはもしかしたら商品やサービス、そして部下そのものに問題があるのではなく、営業活動を統括するリーダーに問題がある可能性も否定はできません。徹底したマネジメントを行い結果を出す、それが「リーダーにとっての営業活動である」ということを認識しておきましょう。
無視できないマーケティングの基本
「商品やサービス」と非常に簡単な言葉で表現していますが、それは業種や分野によって千差万別です。もちろん、それぞれの企業によっても大きな特色や違いがあるでしょう。
時に、その特色や他社との違いを非常に特殊なものであると認識し、営業活動をはじめとしたマーケティングの基本を無視し販路拡大に向けた活動を行う企業もあります。果たして、これが正解と言えるのでしょうか。
おそらく、もっと効率のいい営業活動方法があるはず。端から「うちは他とは違うから」と、その基本に見向きもしないようでは、効率のいい営業活動を見出せるわけがありません。
スポーツ界では、稀に特殊なフォームでプレイする選手がいます。周囲が面白がりメディアにも取り上げられ話題になることもありますが、そのスポーツ選手は果たして基本ができていないから、そのようなフォームになっているのでしょうか。違うはずです。
基本があった上で、ではどうすれば自分の体型、身体能力、癖、こうしたものを利用、あるいはカバーしながら最大限結果を残すことができるのだろうかと考えた末に、そのような独特で特殊なフォームが出来上がっているはずなのです。
企業の運営や経営も同様でしょう。営業活動も、その基本があるからこそ、それを利用しながらそれぞれの特色や他社との違いを受け入れ、その上でその特殊な状況を最大限生かした営業活動を見出す、これが正しい考え方となるはずです。
効率が非常によく企業に最も利益をもたらす営業活動は、このように基本を知った上で構築されると考えておかなければいけません。