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営業活動を行うテリトリー設定に影響を与える事柄を整理しよう

営業活動を行うテリトリー設定に影響を与える事柄を整理しよう

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同じ企業、同じ営業部でも、営業活動を行うエリアを分けてそこに集中的に売り込みをかける担当者を決定し、それによってシェアを拡大したり売り上げを上げたりする手法をテリトリー制などと呼んだりしますが、これを実際に行うためには、そのテリトリーを設定しなければなりません。つまり、エリアを区分けしなければならないということです。

このテリトリーの設定は、何を基準に行っていくか、これが非常に重要であり、これ次第で営業活動の効率や売り上げにも大きな影響を与えることになります。適当に設定していてはコストがかかり、また、営業戦略も質のいいものとなりませんし、結局は営業マンの努力も水の泡となってしまうでしょう。

どのようなことを基準にテリトリーを設定していけばいいのか、それに影響を与える事柄にはどのようなものがあるのか、これを紹介していきます。実際にテリトリー分けをする立場にいる人はもちろん、営業活動に携わっているのであれば、自分の担当するエリアがどのような要素や事柄によって区分されたのかを知っておいて損はないはず。ここでそれを整理し、是非、効率のいい営業活動を心がけてもらいたいものです。

地域ごとの特性を元にテリトリーを分割

テリトリー分けで最もオーソドックスなのが、地域の特性ごとに分ける方法です。これには例えば地理的条件があるでしょう。川や山などで分けることも考えられます。そして、道路や鉄道などの交通に関する点で分ける方法もあります。交通手段の発達しているエリアはそれを利用し、整備されていない地域では車を利用するなど、手段によってテリトリー分けをすれば、営業効率のアップを図ることができるでしょう。

また、地域ごとの構造、例えば産業視点でその構造を分析したり、あるいはそのエリアに住んでいる人たちを分析し、事業所ごとのつながりや消費者の行動範囲などの特性をつかんだ上で、それを参考にテリトリーを設定することも有り得ます。

地域の特性を基準としてテリトリー分けをすると、営業マンの能率を上げることに繋げられるでしょう。移動の手段による効率化については既に触れた通り。時間や交通費などを削減できるとともに、また、顧客などから要望があればすぐに駆けつけることができるので、サービスを向上させられるという利点もあります。

テリトリー設定では市場規模にも注目を

営業活動をする上で、市場規模を無視することはできません。同じ商品やサービスであっても、エリアごとに市場規模は異なるはず。これを分析することで、テリトリー設定に役立てることが可能です。

特に気にしておきたいのが、購買力です。既に自社の商品やサービスを手に入れている顧客、つまり顕在購買力はもちろん、これから購入してくれるかもしれない潜在的な購買力も分析しながら、より営業をかけやすいエリア分けをしておくことが求められます。顕在購買力を分析すれば、さらに自社の商品等を購入してくれそうな層がわかりますし、潜在的な購買力を分析すれば、新たな顧客の開拓に繋がる層を把握することが可能。それによってテリトリー分けをすれば、どちらか一方に集中して営業活動を行うことができ、これも効率化を図ることに繋がるはずです。

自社の営業戦略において、もし顕在購買力を重視するのであればそちらのテリトリーに集中し、逆に顧客の開拓に集中したいのであれば、そうした層の多いエリアを設定することで、その営業戦略を実行に移しやすくなるでしょう。このように、市場規模を購買力に着目してエリア分けすることも一つの手法として考えることができ、それは効率化や営業戦略を実行に移すための重要な要素となりうるのです。

戦略や課題や競合他社の存在も無視できません

営業戦略という言葉は上でも少し触れていますが、これを元にテリトリーを設定することももちろん考えられるでしょう。どのような層に重点的に売り込みをかけたいのか、これがハッキリとしているのであれば、その層が集中しているエリアをテリトリーとして設定し、営業活動を行う重点地域として指定する必要が出てきます。

活動範囲を無駄に広げてしまうと、それだけで営業マンの負担が増え、また、コストもかかります。戦略を組み立て、それに見合ったテリトリー分けをするというのは、この手法を活用する場合、とても重要になるのです。

それは、課題によってテリトリー設定を行うということにも繋がるでしょう。解決する必要のある課題が存在しているのであれば、そのために、やはり重点的に営業活動をかける必要のあるエリアを設定し、そこに営業マンや経営資源を投下する。これによって、課題解決を重視したテリトリー設定を行うことができるはずです。

さらには、競合他社の動向、これもテリトリー設定をする上では重要な要素となるでしょう。
競合他社もおそらくテリトリー分けをしているはず。それを調査し、同じテリトリー分けとするのか、それとも別の観点から区分するのかを考えていきます。自信があるのであれば本気でぶつかるのもいいでしょうし、あえて相手企業が重要視していないエリアへ積極的に営業活動をかける、こんな考え方もなくはありません。

こうした、営業戦略や自社の課題、競合他社の動向も考慮した上でテリトリーの設定と、もし既に設定されているのであれば、それの見直し等をしていきましょう。

業態や商品・サービスによっては行政的な区分も利用可能

全ての企業に当てはまるテリトリー設定の仕方ではありませんが、行政的な区分を利用したエリア分けも考えてみる必要があります。国家機関や各地方自治体から仕事を請け負ったり、そうしたところに商品や製品を納めるような企業であれば、行政区分をそのままテリトリーとして設定することが可能となるので、是非利用したいところ。

国家機関や地方自治体と関連のない、ごくごく一般の消費者や事業所を相手に商品やサービスを提供している企業であっても、例えば行政がまとめている市場調査のデータなどを利用し営業活動に生かす場合には、やはり行政区分をテリトリー分けの基本とすることが可能でしょう。

注意点としては、同じ市町村であっても、その中で風習や文化、価値観が異なる場合があること。2011年に全国の市町村がいくつも合併し、行政的な区分整理が行われましたが、これによって、異なる文化や価値観を持つ人たちや集落が同じ市町村に存在しているケースが多くなっているのです。

つまり、行政が出している市場調査のデータを単純にそのまま捉えテリトリー分けをし、その中の全ての消費者に同じような営業活動手法でアプローチをすると、それは消費者のニーズとかけ離れ、営業活動に支障を来す可能性があるということ。むしろコストがかかり、意味のあるテリトリー分けができないこともあると思っておかなければいけません。

合併する前のデータというものも残っているので、それを参考にしながらテリトリー分けをする、もしくは、自社でマーケティングを行い、それを元にテリトリー分けをするなど、慎重に進めていく必要があることを頭に入れておきましょう。

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