企業は、自社の商品やサービスを知ってもらうため、そして購入・利用してもらうために、まずはその商品等の情報を顧客や消費者に伝えることに全力を挙げなければいけません。
それらの情報を伝える方法はいくつか考えられるでしょう。基本的な情報発信手法についてまとめていきます。ここで挙げる手法が全てではありませんが、ごく基本的なことを列挙するので、それが実際に行われているかどうか、自社や営業部門の状況と照らし合わせながら、今後の営業戦略に落とし込むところまでをイメージしてみましょう。
営業担当者が行うべき情報発信の手法
企業の中でも営業部門や営業担当者が行うべき情報発信の手法は、販売促進と人的販売とに分けることができます。前者は自社の商品やサービスの情報を市場に送り込むことを目的としており、うまくいけば一気に市場や消費者などに自社商品のアピールを行うことが可能です。後者は顧客とマンツーマンかそれに近い手法となるので、効率は販売促進による情報発信と比べるとあまりよくはありませんが、直接アピールすることが可能なため、購入・利用してくれる確率は上げることができるでしょう。
これを踏まえた上で、営業部門や営業担当者が行うことが可能な情報発信の手法には、例えば「ディーラー・ヘルプス」や「セールス・コンテスト」などが存在しています。そのほか、デモンストレーション販売や、繋がりを持つことができた消費者へのダイレクトメール、あるいは、購買意欲をそそるための景品を用意するなど、さまざまな手法を考えることができるでしょう。
どれを利用し、そしてどのように情報を発信していくのかは、顧客や消費者によっても変わってきますし、取り扱う商品・サービスによっても変わってきます。また、自社の規模やシェア率、そのときの市場環境や世の中の動きなどによっても情報発信の手法には工夫が必要となってくるでしょう。
消費者に対して発信すべき情報とは何か
上で紹介した情報発信の手法は、その相手が一般的な消費者であるか企業などの顧客であるか、はたまた流通業者などであるかは区別していません。情報発信する相手によって当然用いる手法は変わってくるため、慎重に選択しながら自社の商品やサービスのアピールをしていく必要が出てくるでしょう。
ただ、情報発信する相手が誰であろうと、自社の商品やサービスに興味関心を抱き、手に入れたいという気持ちを起こさせ、そして実際に手に入れるところまでを想定しながら情報やメッセージを発信しなければなりません。
一般的な消費者や商品・サービスを利用する企業などに情報発信を行うときには、それら商品などを活用するシチュエーションにおいて、どのようなメリットがあるのかを丁寧に伝えることが求められます。情報を発信する営業担当者個人の意見や一方的な主張ではなく、あくまでも顧客や消費者側に立った商品説明が必要であり、どのような手法を用いるとしても、必ず商品やサービスを利用する立場でその有効性や有用性が十分に理解できるような表現をしなければ購入や利用の決断はしてくれないでしょう。
これはどのような商品・サービスにも共通していること。情報発信者は情報受信者の立場をどれだけ理解し、それを元に情報発信が行えるか、ここが大きなポイントになると考えておくべきなのです。
流通業者に対して発信すべき情報とは
情報発信をする相手が流通業者の場合も、自社の商品やサービスを取り扱う利点、これを十分に伝えることが求められるでしょう。
特に販売店などの小売業者に関しては、この情報発信が非常に重要な鍵を握ってきます。
売れない商品をお店に置いても意味がありません。「これは売れる商品である」と確信を持たなければ小売業者は商品を仕入れてくれないわけですから、企業や営業担当者はそれを情報発信によって確信させることが必要になってくるのです。
例えば、商品の魅力をアピールすることはもちろん、広告などを打ち、また、販売戦略なども整えているため、お店に置いてくれさえすれば消費者が手に取ってくれるということを小売業者に伝えることが求められます。販売環境がしっかりと整っていれば、また、それを情報発信によって伝えることができれば、その商品に懐疑的であっても「一度置いてみようか」となってくれるはず。どのような情報発信の仕方でそこまで持っていくのか、それが営業担当者の工夫すべきポイントとなるでしょう。
そこに上で紹介した「ディーラー・ヘルプス」などを用い、自社の商品を取り扱うメリットをさらに伝え、店内などでも大きく取り扱ってもらうことができれば完璧。あらゆる手法を用いながら、ときにそれらを組み合わせながら自社の商品やサービスについての情報発信を行えば、確実にシェアを広げることができ、売り上げを上げることも可能となるでしょう。
