顧客に関する情報をどれだけ集め、どう整理するのか、これによって営業活動の手法が変わってきますし、その結果も変わってくることは間違いありません。営業がうまくいくかどうかは、顧客管理がうまくできるか否かにかかっていると言っても過言ではないのです。顧客管理をする際に必須の項目はいくつかありますが、その中でも重要な位置付けとなるであろう項目について触れていきましょう。
一つは、購買履歴に関する情報です。そしてもう一つは、顧客との接触履歴に関する情報。
顧客そのものに関する情報、例えば企業情報や担当者情報などはしっかりと整理がされているはずなので、それに加えてここで紹介する2つの項目についても整理をし、営業活動へと役立てていきましょう。
購買履歴に関する情報やデータ
自社が顧客に対して、どれだけの商品を売り、その状況はどう推移しているのか、これが購買履歴に関するデータです。顧客によってどの商品を選択し、取引をした数量はどの程度か、これには違いが出てくるでしょう。それを整理しながら顧客別にまとめておくと、他の顧客との比較もしやすくなります。
自社がこれまでにどのような取引をしてきたか、その全体像もまとめておく必要があります。商品別の取引状況、あるいは、期別の取引状況を整理しておくことで、どの顧客にどのようにアプローチすべきかも見えてくるかもしれません。年ごとや月ごと、あるいは日ごとの取引状況のデータも出てくると思いますが、顧客管理として利用する場合には、月別のデータを利用するといいでしょう。商品やサービスによっては年ごとの取引状況の確認も必要なものの、日ごとの取引状況は少し細かすぎて、あまり参考にはなりません。
顧客の購買履歴は、自社の商品やサービスに対する興味を示す度合いも測ることにも活用できます。その推移を見れば取引高の増減傾向が把握でき、もし取引数量や頻度が減っていれば、他社の商品やサービスに興味を持ち、実際に取引をしていることも考えられるはず。
そこから顧客企業に関する情報をさらに収集し、新たな営業戦略を策定した上でコンタクトを取る必要が出てくるのです。
顧客企業との接触情報やその内容
顧客が企業などの組織である場合、1度のコンタクトで取引契約が成立することはまずありません。何度も足を運び、そこで関係性を築き、自社の商品やサービスの良さをアピールしつつ、営業担当者や自社への信頼感を得てもらって初めて契約まで漕ぎ着けることができるわけです。
何度もコンタクトをしている間の記録、それが顧客との接触情報となります。具体的には、いつどこで誰と接触を持ったのか、こうした情報を整理しておかなければいけません。年月日のみならず、時刻までをも記録しておくと、担当者の都合のつく時間帯などのパターンが見えてくるので、相手がストレスを感じないような時間帯に会ってもらうなどの工夫ができるでしょう。実際にコミュニケーションをとる相手も、毎回同じとは限りません。いつもは1人だけれども、たまに2人になるということもあるので、そうした細かな点も記録しておいてください。
どのような目的で会ったのか、そこで話された内容はどのようなものだったのか、これについてもできるだけ詳細に記録しておく必要があります。もし交渉に入り、それが進んだのであれば、その進捗状況、そして、その次はいつ会う予定なのかが決定しているのであれば、これも記録として残しておきましょう。
どんなに細かなことでも、それが全て顧客情報となり顧客を管理する上で役に立ちます。たわいのない会話であっても、できる限り記録しておき、どこかに営業活動や交渉に役立たせることができる材料がないかを探す癖も身につけておきましょう。