商品を購入してくれている顧客がいる以上、その顧客をしっかりと評価していかなければいけません。それにはもちろん理由があります。それについては後述しますが、営業部や営業担当者にとって、この顧客を評価することは必須の作業となるでしょう。また、評価した後にも、重要な作業が待っています。それは何か、さらには、顧客を評価する際に用いる分析手法についても説明していきましょう。
営業戦略を練るにあたって重要な作業となるので、ここでその意義や手法をしっかりと押さえ、顧客管理を徹底していくことを心がけるようにしてください。
取引相手である顧客を評価しランク付けを行う
自社と取引を行っている顧客には、どのような企業があるのか、それを見極めるためにそれぞれの顧客を評価をしなければいけません。そして、その評価を元に行わなければならないのがランク付けです。
顧客にランクを付けることで見えてくることが多々あります。多くの取引を行なってくれている顧客、逆に、取引回数や数量の少ない顧客、自社に高い利益率をもたらしてくれている顧客、逆に利益率の低い顧客などにランクを分けていくと、どの顧客を重要視すればいいのか、その度合いも見えてくるはずです。
売り上げや利益率の他にも、取引量の推移や、取引を始めてどの程度の年月が経過しているのか、あるいは、購入してもらっている商品やサービスの種類ごとにも評価を行い、ランク分けをする必要が出てきます。
ランクが高い顧客を重要視するのは当然ですが、ランクの低い顧客を切り捨てるのは得策ではありません。ランク付けとはそうした意味合いよりも、どのランクの顧客にどのようなアプローチをすればいいのか、それを考えるきっかけを生み出すものという解釈が正しいでしょう。つまり、ランクの高い顧客と低い顧客では営業戦略やアプローチ手法を変え、後者をランクの高い顧客に変えていく必要があるのです。
顧客を評価せず、また、ランク分けもしないままに営業活動をしても、無駄なコストや時間がかかるだけ。それを回避し、営業活動を効率化するための評価・ランク付けという考えで、この作業を行なっていくようにしてください。
「Zグラフ」で顧客の動向をチェック
顧客の評価やランク付けをする方法や手法は1つや2つではありません。非常に多くあり、また、それは営業担当者が個人で感じる感覚的なものも活用する必要があるでしょう。ここで紹介するのは、具体的な手法の1つである「Zグラフ」です。Zチャートとも呼ばれるこの分析手法は、数字で表現できるものの推移と累計、そして合計の3つの要素によって表すもので、出来上がったグラフが「Z」の形となるので、こう呼ばれています。
顧客の評価を行う場合には、月ごとの実績推移と、1年間の累計、そして、1年間の合計を一つのグラフとして表現します。顧客との取引期間にもよりますが、過去2年間のデータを用意しておくと、より分析がしやすくなるでしょう。Zグラフは、出来上がったZの傾きによって、成長しているのか、それとも変わらずなのか、衰退しているのかを判断することができるようになっています。
このZグラフは、あくまでも1つの指標に過ぎません。これだけで全てがわかるものではなく、どちらかといえば、営業部全体としてどのような推移で売り上げを作っているのかなどを把握することに使われることが多いです。ただ、これを応用しながら分析をしていけば、顧客ごとの関係性なども見えてくるでしょう。評価やランク付けの1つの手法としては有効となるはずです。