営業担当者がアポイントメントを獲得し最初の面談にのぞんだとき、まず行うべきはプレゼンテーションです。どのような商品を取り扱っている会社なのかを知ってもらうとともに、営業担当者自身のことも知ってもらわなければいけません。その最初の面談で契約にまで辿り着くことはないでしょうから、あくまでも次の面談や商談へと繋げるためのプレゼンテーションを意識する必要があります。
どのようなプレゼンテーションを展開していけば次に繋げることができるのか、そして自社や自身、あるいは商品そのものに興味を持ってくれるのか、そのポイントを整理しながらまとめていきましょう。
面談相手の立場に立って行いたいプレゼンテーション
プレゼンテーションを行うときには、その相手企業にとってのメリットを分かりやすく表現するための企画提案をしなければいけません。当然、そのための資料も作成しながら面談へとのぞむ必要が出てきます。その資料を使いながら自分の会社や取り扱う商品などの説明をしていきますが、一番に考えなければいけないのは、あくまでも面談相手のこと。相手が企業であれば、その企業の立場に立ちながらプレゼンテーションを展開していくことが重要です。
相手の情報をしっかりと収集し、相手企業の抱えている課題なども理解しながら、それを解決するための企画を提案できるかどうか、ここも大きなポイントとなるでしょう。自社の商品を猛烈アピールするだけでは逆効果。ただの押し売りだと感じさせてしまうと次のアポイントメントも取れませんから、相手本位でプレゼンテーションを展開することを心がける必要があります。
契約まで持っていければいいものの、初めての面談でさすがにそこまではいけません。今回のプレゼンテーションではどこまでいけばいいのか、こうした目標もあらかじめ立てつつ戦略を練りましょう。一通り企画の提案を行い資料を受け取ってもらった上で次回のアポを獲得する、こうした目標を立てたのであれば、それに向けて進めていきます。見積もり作成の了承を得るという目標や、さらに上の立場の人間と会うことを約束するという目標でもいいかもしれません。
また、相手の話もしっかりと聞いた上で、次回に活かせる情報があればメモなどをとっておくようにしてください。真剣に話を聞く姿勢を見せるだけでも、面談相手の立場に立っていると理解してもらうことができるはずです。
詳細且つ意外な情報なども取り入れるようにすること
ありきたりなプレゼンテーションでは、きっと相手も飽きてしまうでしょう。おそらく、競合他社を含めたあらゆる人や企業が営業や売り込みに訪れているはず。他とは異なったプレゼンテーションを展開できなければ、次回の約束を取り付けることはできません。
興味を持ってもらうために必要なこと、それは、詳細な情報を伝えることです。商品の詳細な情報も伝えるべきですが、それよりも、その商品を手に入れることで相手にとってどのようなメリットがあるのか、ここを掘り下げながら詳細にプレゼンする必要が出てくるでしょう。つまり、具体的な数字や数値、グラフなどを伴った上で企画提案しなければ、相手もメリットを十分に感じ取ることができないのです。
具体的かつ現実的であることも重要です。「うちの会社の事情を理解している」、「確かにこの商品があればうちの抱える課題が解決できるかもしれない」と思わせるようなプレゼンテーションは、具体的であり現実的な提案からしか生まれません。都合のいい数字を並べるだけではなく、また、論理矛盾なども起こしていないように注意しながら資料を作成し、それを言葉も交えながら伝えましょう。
さらには、意外な情報も少しずつ挟み込むことで、より他社との差別化を図ることができます。売り込みたい商品とは関係のない情報であったり、相手にとっては興味深い情報であれば、一気に関係性をよくすることに繋がる可能性が出てくるはず。それがたわいもない内容であったとしても、それが「他の企業とは違うかもしれない」と思ってもらえるのに役に立つこともあるでしょう。それらも全て戦略として組み立てておかなければいけません。
商品のみならず営業担当者自身の印象にも要注意
プレゼンテーションも結局は人が行うわけですから、その営業担当者の印象、これが成功と失敗を分けてしまうことも十分に考えられるでしょう。商品や用意した資料などは完璧であるにもかかわらず、それを説明する営業担当者の印象が悪いことで商談が成立しない、成約まで至らないということも珍しくはありません。
まずは、スムーズに企画提案できるよう、何度も練習を重ねておくことが求められます。何度も言葉に詰まったり、「これは何だっけ?」などと何度も考えるような仕草を見せれば、相手は不安に思ってしまうでしょう。その不安は信頼感を得るのにとても邪魔な存在。
相手にそのような不安を抱かせないためにも、スムーズなプレゼンテーションを行えるようトレーニングしておく必要があるのです。
もちろん、服装も重要です。スーツからネクタイ、時計、カバンから靴などまで気を遣い、印象をダウンさせないような格好を意識するようにしてください。髪型、お肌の状態、爪など細かなところまで注意し、女性ならメイクも万人ウケするように整えておかなければいけません。実際にプレゼンを行う際には、喋り方にも注意します。早口過ぎてもダメですし、ノロノロと喋るのもNG。相手の目を見るなども意識しながら明るく柔らかい表情で喋るよう、こちらもトレーニングを積んでおきましょう。
自信を持つことも重要なポイント。自信のなさげな人の勧める商品を誰が欲しいと思うでしょうか。堂々と商品や企画を説明し、実際に言葉にはする必要はないものの、「うちの商品を導入しないと損をしますよ」くらいの気持ちでプレゼンテーションを展開する方が効果があるはずです。もちろん上から目線ではいけませんが、その気持ちを持ち続けることは忘れないようにしてください。
プレゼンテーションは、人の印象で相手への伝わり方がガラリと変わります。資料作成や実際に話す文言・ストーリーを考えるとともに、自分が他者からどう見られているのかも客観的に考えながら準備を進めていかなければいけません。