流通コストをゼロにすることは難しいでしょう。直接販売が最もかからない方法ではありますが、流通コストを抑えることができたとしても、商品を顧客や消費者に提供するところまでの過程を考えれば直販は効率が悪く、お金もかかってしまいます。それゆえに、多くの企業は直販ではなく間に業者を挟む流通経路をそれぞれ抱え、できるだけコストをかけないチャネルによって商品を販売しているわけです。
ただ、多くの企業は、ここに改善の余地が出てくるはず。効率がよく、しかしコストがかからない方法や、効率がいいからこそコストがかからない流通経路を発見・開拓することができれば、営業コストもカットすることができ、企業の利益の大幅増も期待できるかもしれません。
どのような考え方によって流通経路のコストカットを図るべきか、それに触れていきたいと思います。考え方次第で流通のコストカットが実現できるのではないでしょうか。
営業活動などを細かく分類しコストカットを図る
企業から小売店まで商品を届け、そこからさらに消費者や顧客にまで届ける過程を流通経路、つまり販売チャネルとした場合、それはあらゆる作業の積み重ねで構成されています。
卸売業者や代理店を探す作業から、営業をかける作業、お金の流れも双方に生まれますし、ルールや契約の取り決めなども必要になってくるでしょう。テクニカルな部分のサポート体制も整えなければなりません。
このように、流通経路を営業活動なども含め細かく分類していき、どこにコストがかかっているのか、そのコストは削減することができないのかなどを考えていきます。全てに無駄のないチャネルを構築している企業は、おそらくほとんどありません。相手もあることですからなかなか企業の思い通りにいかない部分は出てきてしまうものの、まだ見ぬチャネルがあることも少なくないですし、常識に引っ張られすぎてコストが余計にかかってしまっているケースもあるでしょう。
定期的に見直しをしなければ、新たなチャネルがすでに生まれているにもかかわらず、それを逃しコストが膨らんでしまう場合もあるはず。営業活動など、商品が世の中に行き渡るまでの過程・経路をできるだけ細かく分類することで、無駄な部分が見えやすくなるのです。
チャネルのコストカットに活用したいアウトソーシング
商品が顧客などに届く過程を細分化し、コストカットの余地がある箇所が見つかれば、それを積極的に改善するよう動かなければなりません。コストカットに大きく貢献してくれるものの一つにアウトソーシングがあります。注文を受ける、商品を運ぶ、お金を集める、その他のさまざまなサポート、こうした細分化し出てきた作業でアウトソーシングが可能なものがあれば、それを外部委託することでコストカットが実現することが多々あるのです。
アウトソーシング企業はそれ自体をサービスとして提供しているため、非常に効率がよく、新たな手法が見つかれば、それを採用する動きも活発に見られます。料金面でも交渉が多分に可能で、自社で全ての活動を一括して行うよりもずっと消費者のためになり、コストカットにも繋げることができるでしょう。
もちろん自社でできる作業は自社で行った方が効率もコスト面でも有利な点が出てくるでしょうが、アウトソーシングを想定し分析した結果、外部委託の方が自社でやるよりもずっと効率面もコスト面でもメリットがあると判断できれば積極的に利用すべきなのです。
どのチャネルやアウトソーシングがベストなのか、この比較は常に行い、改善の余地が見られたら積極的にそれに向かって動き出しましょう。この積極性こそが企業の売り上げや利益を上げることに重要な意味を持ってくると覚えておいてください。
コストカットする際に気をつけなければならないこと
流通経路や営業活動にコストカットの意識を取り入れるのは当然のこと。コストはなければないほど企業にとっては有利なわけですから、常にコストカットのための手法やルートを見出すことを意識しておかなければいけません。
ただ、コストカットのみに意識を向けすぎると、商品やサービスが劣化する恐れも出てきます。消費者や顧客が満足できない商品・サービスとなれば、それはいくらチャネルのコストカットが成功したとしても、事業として成功したとは言えません。売り上げが落ち込み利益も減ってしまうでしょう。
商品が流通する段階で必要なコストというものは当然出てきます。そのコストがなければ商品の質が保てないケースも出てくるはず。そのバランスを取りながらチャネル等を見極めていく、これが企業には求められるのです。
逆にコストカットすることで顧客満足度がアップすることもあるでしょう。これが理想。アウトソーシングを積極利用するとそれが実現できることが多く、全て任せきりではいけませんが、作業を分担しながら質の高い商品やサービスを消費者や顧客へと提供することを大前提に新しい手法も取り入れながら販売チャネルを開拓・構築していくことを考えなければなりません。