営業組織において、業績や利益をしっかりと上げていくためには、あらゆる管理体制を整えておかなければいけません。例えば、顧客管理。顧客を管理し、必要に応じてランクづけなどをした上でアプローチ・商談に持っていくのは当然のこと。この管理次第で戦略も変わってきますし、業績や利益も当然変わってくるでしょう。
例えば、営業マンの行動管理。営業マンが営業活動を行うわけですから、その活動や行動を管理しておかなければ、業績や利益を上げることは不可能でしょう。目標を達成できない営業マンや、コストばかりをかける営業マンが必ず出てきます。そうした問題点を解決・解消するために必要なのが行動管理なのです。
ここで取り上げるのは、その営業マンの行動管理に関するお話。徹底した管理によって営業マンの抱える問題などが見つかった時、営業マネジャーなど上の立場の人物はどのような行動を取るべきなのか、それについて考えていきます。
問題を抱える営業マンを指導する立場にある人物次第で、その問題が解決するか否かが変わってくるのは当たり前のこと。実際に指導する前に、その心得となることを整理しておきましょう。
営業マンの行動改善に欠かせないマネジャーの役割
営業マネジャーの役割は非常に大きいものとなるはずです。その振る舞いや指導、トレーニング、あるいは戦略や指示次第で、営業組織の在り方すら変わってくるのですから、それは当然のことでしょう。
重要なことは、それぞれの営業マンにぴったりの指導や指示の与え方をすることです。
10人の営業マンがいれば、それはまさに十人十色で、それぞれがそれぞれの個性を持っています。同じように接したからといって、同じような成績が残せるようになるとは限りません。いえ、そんなことはまずないでしょう。10通りの接し方があり、10通りの指示の仕方やトレーニングが存在していると思っておかなければいけないのです。
営業マネジャーが営業マンの行動を改善させるときに意識しなければならないのは、営業マン自身が「改善しよう」、「これやってみよう」などと、自ら積極的に動き出すために必要な対応です。無理やりやらせるのではなく、自らやる気になるような工夫が求められる、これが大前提。
営業マンの立場に立つべきと言えるのかもしれません。営業マネジャーが個々の営業マンの行動管理を行うときには、それぞれの人物の性格や価値観などにも意識を持っていき、それに応じた対応をすることが求められます。この点を十分に意識しながら、どう指示を与え、どう教育していけば改善の意欲を持ってくれるのか、そして成績がアップするのかを考えていきましょう。
多様化し価値観の変化が見られる若い営業マンたち
最近の若者に限ったことではありませんが、しかし、最近の若者は価値観が多様化してきており、昔のように上司が怒鳴ればそれで万事解決へと向かうということもなくなってきました。数年生まれた年が異なるだけでも大きな価値観の違いを持つことがしばしばあり、それが仕事にも影響を及ぼすことも珍しくはありません。
自立心の弱い若者も増えてきました。それでいてプライドが高かったり自尊心が強かったりなど、なかなか厄介な人材も次々と組織に入ってくるでしょう。礼儀やマナーを知らない、我慢強さも知らない、怒られることに慣れていない、そんな若者が多いのかもしれませんが、しかし、だからといって若者を威圧的に抑え込み、昔ながらの根性や気合いで行動を管理し改善させようとしても、おそらく上手くいかないはず。今は会社を辞めるという選択肢も取りやすくなっていますから、それでは人材を失うだけとなってしまいます。
だからこそ、上で説明したような、それぞれの営業マンに見合った指導や指示の仕方が求められるのです。
「これがオレ流の教え方だ」という考えはできるだけ持たないようにしましょう。今の時代には合いません。「これがこの人の価値観なのか」と、相手に寄り添う形で指導していく方が効果が高いことを知るべきです。もちろんそれは甘やかすという意味ではなく、それぞれの営業マンの特性を重視しながら行動改善へと向かわせましょうということ。こうしたことが完璧にできれば、業績や利益のアップはしっかりとついてくるのではないでしょうか。