自社が販売している商品やサービスを利用している顧客の管理は、企業が今後活動していく上で、非常に重要なものとなってきます。そこから出てきた要素や情報を元に新たな商品を生み出したり、あるいは営業活動の戦略へと繋げることも可能となるのです。また、顧客管理にはいくつかの目的があることも知っておく必要があります。これらの目的が明確となっていなければ顧客を管理することに意義が見出せず、管理そのものがずさんで適当なものとなってしまうでしょう。
顧客管理の目的とは何か、それを主に3つ挙げてみたいと思います。取り扱う商品やサービス、顧客との関係性によってはさほど重要とはならない目的もあるかもしれませんが、顧客管理を行う上では重要な要素となるので、しっかりと押さえておきましょう。
営業活動に活かし顧客満足度をアップさせるため
顧客を管理することで、顧客の心理や動向などが読めてきます。それらを分析し商品開発や営業活動へと活かすことで、顧客満足度をアップさせることができるでしょう。これが、顧客管理の重要な目的の一つ。
顧客の情報を得なければ、顧客満足度を上げることができません。なぜなら、どのようにアプローチをしたらいいのかが見えてこないからです。それは、商品やサービスそのものの内容にも言えることですし、営業活動にも言えることでしょう。
すでに自社と取引のある顧客が、なぜ自社を選択したのか、なぜその商品やサービスを選択しているのか、これを把握することが顧客管理の意義。それが把握できれば既存の顧客をつなぎとめながら満足度を上げるための戦略を練ることができますし、新たな顧客を生み出すことにも繋げられるはず。当然、企業全体の売り上げもアップさせることができるのです。
自社や営業担当者と顧客の関係を築き保つため
顧客管理が適切に行われれば、その顧客との関係性を高めることにも寄与するでしょう。
売り上げというのは、何も商品やサービスのみに依存しているわけではありません。営業担当者の働きかけやアプローチ、アフターフォローなどがあってこそ顧客を獲得できるものであり、それが企業全体のイメージづくりやブランド価値の向上にも影響を与えているのです。
顧客管理が疎かになればどうなるか、顧客のニーズや欲しているものを供給・提供することができず、企業のイメージやブランド価値を向上させることができません。営業担当者も的外れなアプローチとなり、それによって顧客からの信頼感を失ってしまう可能性すらあります。
その顧客が企業だった場合には、どのような経営状況にあるのか、組織や経営者の状況はどうなのか、自社と取引をする担当者はどのような人なのか、こうしたことを顧客管理によって割り出すことで、関係性を築くために必要なポイントを押さえることができるようになるはず。
営業活動は、そうした顧客管理によって得た情報やデータなどを元に行うわけですから、その情報やデータに間違いが無ければ顧客のニーズをがっちりと掴むことができ、取引相手も自社の対応に満足してくれるはずです。こうして良好な関係が生まれ、そしてそれを維持し続けることにつながる、それが顧客管理のもう一つの目的であり意義なのです。
売掛金の回収や与信管理に役立てるため
顧客管理を徹底して行っておくことで、売掛金の回収や与信管理にも役立たせることができるでしょう。取引の仕方によっては、商品やサービスを提供したにもかかわらず、その支払いが後払いであったり遅れたりすることも出てくるかもしれません。もし顧客管理が徹底されていなければ、適切に売掛金の回収が行われているかどうかも曖昧になりかねないでしょう。
これは、上で少し触れた信頼関係や顧客の経営状況を把握しておくことなどとも繋がります。信頼関係が築けていれば売掛金の回収などのハードルも低くなることが考えられ、また、顧客の経営状況をしっかりと把握しておけば、取引の際に慎重に契約を結んだりなど、事前に何らかの対策を打つこともできるはず。これらができるのは、当然、顧客管理が徹底されているからこそ。
もし顧客の状況を把握せずに、買ってくれるから売る、という営業活動を行なってしまえば、売掛金の回収がなされず、また、与信管理の崩壊にもなりかねないため、それを回避することにも顧客管理の目的や意義が存在しているのです。こうしたことを認識した上で、徹底して顧客を管理していきましょう。そのための情報収集やシステム体制なども重要になってきます。全ては企業の売り上げをアップさせ、営業部の予算を達成するため。そのための顧客管理であると認識しておきましょう。