すでに何度も取引をしている顧客もそうですが、新規の顧客やこれから顧客になるかもしれない相手との信頼関係をどれだけ構築していけるか、これは営業組織にとって非常に大切なポイントとなるでしょう。もちろん、個々の営業マンにとっても重要なポイントです。
信頼関係を維持することができなければ、取引を継続してもらうことはできません。初めて契約しようとしている企業であれば、そもそも信頼関係を築くことが非常に難しいですから、営業担当者はあらゆる手法や戦略を駆使しながら、これを構築していくことが求められます。信頼関係はどのように築いていけばいいのでしょうか。基本中の基本となる部分について記載していくので、それを参考にしつつ営業活動に励んでみましょう。
顧客との接触や面談は時間や労力を惜しまないこと
小さな契約であれば、数回の接触や面談で、そこまでいけるかもしれません。「試しに導入してみよう」ということにもなりやすいでしょう。しかし、大型の契約であれば、そうもいかないのが大変であり難しいところ。大きな契約を結ぶには、それこそ何十回と面談を行い、詳細に詰めていく必要に迫られます。何度も商談をし、そのたびに話し合いや説明を行わなければならず、それが長期間に及ぶことも多々出てくるでしょう。
顧客とのこうした接触や面談・商談などには時間や労力をしっかりとかけるようにしてください。間違っても、それらを惜しんではいけません。相手が会いたいと言えば無理にでも時間を作り、会う場所が毎回違ったとしてもしっかりと足を運ぶこと。この繰り返しによって生まれるのが信頼関係です。
むしろ、接触や面談は好機であると考えるべきでしょう。そのたびに相手の情報を得ることができるわけですし、逆に、こちらの情報も伝えることができるわけですから、これは紛れもなくチャンスです。営業担当者は一度契約した顧客と長いこと付き合うためのコミュニケーションも強く意識をしながら仕事をしていかなければいけませんが、最初の段階で強い信頼関係を築いておけば、こうした継続的な関係も非常に作りやすくなります。
確かに最初は大変でしょう。顧客は1つではありませんから、時には面倒くさいと感じてしまうこともあるはず。それでも、会った回数が契約や信頼へと繋がると考えれば、やはりここを疎かにすることは許されません。必ず数字になって返ってくると信じ、顧客とのコミュニケーションには手を抜かないようにしましょう。
面談のたびに新たな情報を提供する準備を怠らないこと
何度も顧客と面談し、コミュニケーションを図ることで築き上げることができる信頼関係。これは営業担当者にとっては当然のことですが、ただ面談したり接触したりしているだけでは物足りません。会うたびに、必ず新たな情報を提供するよう心がけてください。
「相談したいことがある」、「尋ねたいことがある」と向こうから申し出られて会うこともあるはずです。しかし、その場合でも何かしらの情報を提供する準備をしていくべきでしょう。
小さな情報でも構いません。相手の担当者のプライベートに関することでもOKです(深入りは禁物ですが…)。以前の会話の中でそうしたことが出ていれば、相談などを受けたついでに情報を提供することが可能となり、少なくともその担当者との信頼関係はさらに強くなります。
もちろん、仕事に関わることに越したことはないものの、何度も会っているうちに提供できる情報は減っていきますから、難しいようであればたわいない話で人間同士の信頼関係を築いておくのも一つの考え方となるはずです。
会うたびに情報を提供するためには、まずは情報をインプットする必要があります。面談のたびに相手の話をメモに取ったり企業情報を調べ直すなどして新たな情報を仕入れておきましょう。そうすれば、次に会う時までにそれらに関連した情報を提供する準備を整えることができます。こうしたことまでできてこそ築けるのが信頼関係です。
会うことだけではなく情報収集や情報提供にも、いかに時間と労力を割くことができるか、これが信頼関係はもちろん、取引相手としての関係性を継続していくための大きなポイントとなることは間違いありません。